恐怖の報酬【オリジナル完全版】

●319 恐怖の報酬【オリジナル完全版】 1977

 ベラクルス。ホテルの部屋にいきなり入ってきたニーロが男を射殺する。

 エルサレム。爆破テロが行われ犯人たちはホテルへ戻るが、軍に踏み込まれ一部は死に、一部は捕まるが、カッセムは逃げ延びる。

 パリ。プレヴィル社で不正融資をしたセラーノは犯行がバレ、補填をしようとするが

仲間が自殺したため、逃亡を図る。

 ニュージャージー州エリザベス。教会を襲撃し金を奪った犯人たちは車で逃走中事故を起こしてしまい、スカンロン以外が死亡、彼一人逃げ延びる。しかし教会で弟を撃たれた兄が復讐のため殺し屋を雇う。スカンロンは仲間の手配で知らぬ国へ逃げる。

 南米のとある国の石油資源会社の現場。ここで4人がそれぞれ働いていた。仕事環境は最悪、衣食住もひどい土地だった。スカンロンはドミンゲスと名乗っていたが、身分証の偽造を警察に見抜かれ、給料の3割を賄賂として要求される。

 そんな中、彼らが働く採掘現場で爆発事故が発生、石油の採掘に支障をきたすが、会社は石油の採掘を続けるように指示してくる。現場監督は現場の火災を爆破で消火しようと考える。倉庫にあったニトログリセリンで消火をしようと考えるが、現場まで300kmを衝撃に弱いニトロを運ぶ問題が残る。現場監督は、従業員の中からニトロを運ぶトラック運転手を募集、4名が採用される。

 出発当日4名のうちの1人、マルケスが殺害されているのが見つかる。犯人はニーロだった。彼はマルケスの代わりに運転手となる。4名は、ドミンゲスとニーロ、セラーノとカッセムの2組に分かれ、2台のトラックでニトロを運び始める。

 切り立った細い山道、現地人の妨害、壊れかけた木製の橋、悪天候下でのジャングル内の吊り橋、などのトラブルに見舞われるが2台のトラックはなんとか先に進む。

 しかしジャングルの中、大木が道路を塞いでいた。途方にくれる中、カッセムがニトロで大木を爆破する方法を思いつき実行する。

 2台は先に進む。しかしゲリラに襲われセラーノとカッセムが乗ったトラックが崖から転落、爆発してしまう。同じ場所を通りかかったドミンゲスとニーロのトラックはゲリラに止められる。しかしゲリラたちの一瞬の隙をつき、ニーロが犯人たちを射殺、しかしニーロも撃たれてしまう。

 ドミンゲスはニーロとともに先に進むが、ニーロは死亡してしまう。一人となったドミンゲス、トラックはガス欠を起こすが、なんとか採掘現場までニトロを運ぶ。

 仕事を終えたドミンゲスは街へ帰り、報奨金をもらう。しかしスカンロンを追っていた殺し屋が街へ来ていた。

 

 子供の頃に観た記憶が強烈に残っていた。しかし覚えているのはニトロをひどい環境下で運ぶ、ということだけ。映画後半がそうだったのか、それとも子供の頃に観たのは1953年版の方だったのか。

 映画の作りとしては、最初の30分が4人の犯罪、次の30分が南米の石油採掘現場と街、次の30分がニトロ運搬〜大木まで、最後の30分が大木除去、ゲリラ、ラスト。

 正直観ている途中、ドミンゲスとセラーノの二人が冒頭に出て来た不正融資銀行員と教会襲撃犯だとはわかったが、ニーロとカッセムは全く関係のない人間だと思っていた(笑 というか初見でこれが全て理解できる人いるのか?wikiを読んで4人の犯罪の詳細がやっとわかった、という感じ。でも4人が犯罪者で、そのため南米に逃げて来ていることさえ分かれば良いので問題はなかった。

 ニトロをトラックで運ぶシーンは実質30分程度なのだが、やはりここの印象が強烈すぎる。逆に、ラストに現れた二人がスカンロンを狙った殺し屋、というのもよくわかっていなかった。これもwikiで読んで理解。

 ストーリーの細かい部分がわかりにくかったが、それでもドキドキ感は半端ない。監督が「フレンチ・コネクション」や「エクソシスト」のフリードキンだと知って納得。3本立て続けに大ヒット作を作ったのはスゴい。