鬼平犯科帳 第7シリーズ #08 泣き味噌屋

第7シリーズ #08 泣き味噌屋

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 同心川村は弱気で泣き虫なことから忠吾からは「泣き味噌屋」と呼ばれている勘定方だった。川村は雷の音でさえビビってしまう始末だった。そんな川村は自分のことを情けなく思っていたが、与力小林は鬼平が川村の働きぶりを褒めていたことを本人に伝える。川村は鬼平の言葉を喜び、家に帰り妻さとに報告する。

 妻さとは四谷の栄風堂という煎餅屋が実家であり、川村は栄風堂の煎餅を好んでいた。さとは実家に煎餅をもらいに行った帰り道、狼藉を働く浪人たちを見かける。その中の侍に目をつけられ拉致されてしまう。

 さとの帰りが遅いと小女から報告を受けた川村はさとを探す。鬼平はあまり心配するなと川村を諭す一方で、小林に念のため周辺を調べるように命じる。

 さとは寺で死体となって見つかる。絞殺され乱暴を受けた跡もあった。さらに粂八は犯人は昼間の犯行ということから周辺の人間ではないと話す。報告を受けた鬼平は犯人は侍だと推理し、同心や密偵に調査を命じる。

 粂八は探索の最中に街中で町娘に狼藉を働く浪人たちを見かけ止めようとする。しかし返り討ちにあい怪我を負ってしまう。彦十が粂八を知り合いの店玉の尾に連れ込み手当てをする。玉の尾の主人が3日前浪人2人が煎餅をかじりながら人が楽しんでいるのを観るのは…と言っていたと証言する。

 川村はさとを亡くしてから気落ちをしており、首を吊ろうとするが失敗する。そこへ忠吾が現れる。

 粂八が店で聞いた剣術使い2人組の話を鬼平に報告する。店にまた来るのを張るよう命じる。また粂八が怪我しているのを見た鬼平は、粂八から風流組の噂を聞く。風流組についてはおまさが調査していた。おまさは風流組の頭が旗本秋元左近だと報告、秋元の豪勢な遊びについても小林沢田に報告する。小林は最近旗本などが博打場を開き金を稼いでいるが、秋元もその部類かもしれないと推測。店に2人組がやって来る。跡をつけ、和田道場に入っていくのを確認する。2人は道場の道場主和田木曽太郎と師範だった。しかし道場に門弟はおらず、竹刀の音も聞こえないということだった。

 鬼平は忠吾を呼び、和田道場に行くように命じる。忠吾は和田に滅多打ちにされる。

 粂八が秋元左近の悪い噂を調べて来る。剣術使いに道場を開かせ、賭場にしていることも判明。さらに調査を進めるよう命じる。秋元側も盗賊改方が調べに入っていることを知り、最後の賭場を盛大に開くことを決める。それを粂八が調べてくる。

 川村が鬼平の元へ。捕り物に同行させてほしいと言い出し、鬼平は了承する。そして道場へ乗り込む。和田を前に川村が勝負を挑む。渾身の突きで川村は和田を刺す。

 その後、川村は以前と異なり強気で仕事をするようになり、忠吾も驚く。そんな川村だったが、鬼平に書類を届けに行った際、雷が鳴り以前と同じようにビビってしまう。雷が止んだ後、川村は鬼平に今のことは内密にと願うが、鬼平はお前のことなど少しも気がつかなかったと答える。

 

 五郎蔵役の綿引勝彦さんが亡くなった。追悼の意味を込めて、今年初めての鬼平鑑賞。残念ながら五郎蔵の出番はなしだったが。

 鬼平によくあるゲスト同心がメインの話。しかもこれまたよくある悲劇。川村が愛妻を悪い旗本たちに乱暴され殺されてしまう。これぐらいの悪役だと話がわかりやすい。

 ただ川村が見事に妻の仇を討った後に、鬼平とおまさで交わされる会話が今ひとつ合点が行かなかった。川村は捕り物の場に死にに行った、というが、その前忠吾に斬りかかられた際には待ってくれと懇願したのに。珍しく忠吾がカッコ良い場面だったが、忠吾に声をかけられた時の川村の表情はなんだったのだろう。それもこれも最後の雷のエピソードでちょっと笑って許すことになるが…(笑

 この後も第7シリーズは見て行くが、五郎蔵さんの出番はあるのかしら。第7シリーズになってきた段階であんまり五郎蔵さん出てこないんだよなぁ。元気だった頃の五郎蔵親分、見たいような見たくないような…。綿引勝彦さんのご冥福をお祈りします。