バンド・ワゴン

●335 バンド・ワゴン 1953

 映画界のスター、トニーはニューヨークにお忍びで遊びに行く。しかし彼は世間では過去の人だと考えられていた。そんなトニーをマートン夫妻が迎え、彼のために脚本を書いたからと舞台への出演を願う。そして演出家コルドバに会わせることに。

 コルドバは脚本の内容を聞き、現代のファウストとして舞台化することで了承する。相手役はバレリーナのジェラルドが選ばれる。トニーとジェラルドは顔合わせするが、口喧嘩をしてしまう。しかし出資者の前でコルドバは二人を紹介する。

 舞台の準備が進むが、トニーはコルドバの演出や相手役ジェラルドのことで不満を爆発させ、降りると言い出す。ジェラルドが謝りに行き、二人は和解。

 そして舞台は初日を迎えるが、惨憺たる結果だった。トニーやジェラルドは若い出演者たちと打ち上げをする。その場でトニーはコルドバに元の脚本に戻すことを宣言、コルドバも了承する。

 舞台は地方公演を重ね、次第に成功して行く。そしてニューヨーク公演。舞台は大成功するが、舞台後、トニーは一人で成功を祝うことに。しかし舞台では皆がトニーを待っており、ジェラルドがトニーに愛の告白をする。

 

 三日続けてのミュージカル。「イースター・パレード」でアステアとジュディ・ガーランド。「若草の頃」でジュディ・ガーランド。なので3日目はアステア。

 「イースター」のように冒頭街角でのアステアが圧巻。歌と踊り、靴磨きとの共演が楽しい。

 ミュージカルなのでストーリーはあまり期待していなかったが、それでも舞台が出来上がって行く様を描いており、後年の同じテーマの作品の元になっている感じがする。

 そしてこの映画の見所は何と言っても、「That's Entertainment」 後の同タイトルの映画にもなった有名な一曲。これを聞けただけで十分。しかしこの曲の歌詞がこんな意味だったなんて。初めて意味がわかり納得。やはり英語ができないということは悲しい(笑