キッド

●347 キッド 1921

 女性が慈善病院で子供を産み退院するが、身寄りのない彼女は路上に駐車していた車に手紙を添えて赤ちゃんを置き去りにする。2人組の泥棒がその車を盗むが、途中で赤ちゃんの存在に気づき、街中に捨ててしまう。浮浪者チャーリーが赤ちゃんを見つける。他の人に赤ちゃんを押し付けようとするがことごとく失敗、彼は育てることに。

 5年後、捨て子キッドとチャーリーは一緒に生活をしていた。キッドが石を投げ窓を割り、チャーリーがそれを修理する、ということで生計を立てていた。キッドの母親はスターになっていた。彼女は慈善活動をしており、チャーリーたちの家のそばにやってきて、捨て子におもちゃを与える。そのおもちゃがきっかけでキッドは近所の悪ガキと喧嘩になるが相手をやっつける。するとその兄が出てきてチャーリーと戦うことに。その喧嘩はスターになった彼女の仲裁で収まったが、キッドが病気になってしまう。

 医者が来てキッドを診察、看護が必要だと話す。チャーリーはキッドが捨て子だったことを説明。キッドは回復に向かうが、医者の手配で施設がキッドを迎えに来る。嫌がるキッドだったが、施設の人間に連れ去られてしまう。チャーリーは車を追いかけキッドを取り戻す。その頃スターになった母親が2人の家を訪ねて来て、医者から捨て子だったキッドに添えられていた手紙を見せられ自分の子供だと判明する。

 施設に追われたチャーリーとキッドは家に帰れず安宿に泊まる。そこの主人が新聞でキッドに懸賞金がかけられていることを知り警察へ寝ているキッドを連れて行く。チャーリーは朝目が覚めキッドがいないことに気づき大騒ぎするが、キッドは見つからない。家に戻ったチャーリーは夢を見る。夢の中でチャーリーもキッドも天使になって楽しい生活をしていた。しかしチャーリーは警官に起こされ車で連れて行かれる。そこはキッドの母の住む豪邸で、チャーリーをキッドと母親が出迎えてくれる。

 

 昨年春にチャップリンの有名な作品はほぼ見尽くしたと思っていたが、この作品が残っていた。

 51分のサイレント映画、しかも今からちょうど100年前の作品。だが今観ても十分面白いし感動する。特にキッド役の子役の演技はスゴい。赤ちゃんもスゴいが(笑 これまで観たチャップリンの作品の中で最も古い作品だが、既にチャップリンの映画のスタイルが完成されているのもスゴい。