●さらば愛しき魔法使い 東川篤哉
東川篤哉の魔法使いシリーズ3冊目。前作同様の4編からなる短編集。
いずれも「魔法使いと〜」の副題。
「〜と偽りのドライブ」
弟を使ってアリバイ工作をし浮気相手の夫を殺した犯人。全て上手く行ったように見えたが、ある行動を目撃されて…。ポイントはポルシェの構造。
「〜と聖夜の贈り物」
恋人を殺した犯人が罪をなすりつけるために被害者をストーカーしていた男の家に被害者のハンドバッグを投げ入れる。そのハンドバッグの中から出てきた本が…。ポイントは指紋のついていない本と本当のクリスマスプレゼント。
「〜と血文字の罠」
遺産目当てで叔父を殺した犯人。被害者が血文字でダイイングメッセージを残したことに気づき、メッセージを偽造するが…。ポイントは消えるボールペンとアイロン。
「〜とバリスタの企み」
喫茶店経営をしていた男が突然家を訪ねてきた浮気相手で自分の店のバイトの女性を殺す。彼女のファンの常連客に罪をなすりつける偽装工作をするが…。ポイントは缶コーヒーとタバコ。
シリーズ3冊目。倒叙で犯人の犯行が描かれ、捜査に乗り出した小山田聡介がマリィの魔法の力を借りて犯人を断定、聡介がその証拠を探す…というパターンが完全に定着しているので、安心して読んでいられる(笑
コメディミステリーなのでトリック云々はどうでも良いが、2話目のクリスマスプレゼントがちょっと上手いネタだった。
最終話で週刊誌に目をつけられたマリィが姿を消してしまうが、どうなるか。既に婚姻届にもサインしているのに(笑 と思ったら次作がシリーズ最終巻なのね。なるほど。
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