蓬莱洞の研究 田中啓文

●蓬莱洞の研究 田中啓文

 「蓬莱洞の研究」「大南無阿弥洞の研究」「黒洞の研究」の3編からなる短編集。

 高校に入った諸星比夏留が民俗学研究会に入り、不思議な事件を解決していく。比夏留は古武道「独楽」の達人でもある。事件解決をするのは同級生で、研究会から逃げ出した保志野。

 

 以前「シャーロック・ホームズたちの冒険」「〜新冒険」で読んだ田中啓文の別の本を読もうと思い手に取った1冊。しかしこれが…。紹介文には、『伝奇、ミステリー、ユーモア、そして学園小説が合体した』とあるが、もうなんでもありの世界となっていて、最初は戸惑った。しかし読み進めるうちに、鯨統一郎さんの本にも通じる、正当な歴史をひねった解釈で読み解いていく面白さもあり、なかなか楽しかった。

 とにかく気楽に読める1冊だし、シリーズ化されているそうなので、続編も読むことになるでしょう(笑