鬼平犯科帳 第9シリーズ #04 一本饂飩

第9シリーズ #04 一本饂飩

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 盗賊改方は平和な日々を送っていた。見廻りに出るはずの忠吾は役宅の門番と会話しているところを鬼平に声をかけられる。今晩五鉄で鮑を食う鬼平に誘われたのだった。

 見廻りに出た忠吾は一本饂飩で有名なうどん屋へ入る。後から来た客がそばを注文しようとするのに名物一本饂飩を勧める。忠吾は饂飩を待つ間にその客と酒を飲み始める。その客は薬種問屋由井屋に算法者として出入りする寺内武兵衛だった。忠吾は酒を飲みながら寺内のことを色々と探り始める。その時寺内の連れの男が入ってくる。その会話にも忠吾は不審を抱く。寺内は連れの男に用事を言付け追い払う。

 店を出た忠吾は先ほどの連れの男を見かける。男が誘いをかけるのでついていくが殴られ拉致されてしまう。その夜、鬼平たちは五鉄で忠吾を待っていたが忠吾は現れない。仕方なく鬼平は酒盛りを始める。その頃忠吾は荷舟宿に捕まっていた。

 翌日鬼平は忠吾の最近の仕事のことを酒井に聞くが忠吾は手すきだと聞く。昨夜から行方不明であることを尋常でないと思い、おまさと伊三次に忠吾の行方を探らせる。その頃忠吾は食事を持ってきた男たちから、彼らのお頭が男色で忠吾のことを気に入ったという話を聞き驚く。

 その頃寺内は由井屋で算法者として助言をしていた。そこへ鬼平が見廻りで訪ねてくる。鬼平は店を出る際に中からのぞいている寺内を見て不審に思う。役宅へ戻った鬼平は忠吾の足取りが全く掴めないことから、忠吾の剣を盗賊改方の案件とすることに。

 忠吾は荷舟宿の男たちに歴代の盗賊のお頭たちの名前を出し、自分のことを裏の勤め人だと話し、男たちにお頭に合わせることを要求、男たちの中には忠吾があげたお頭の元にいた男もおり、忠吾の話を信じ寺内へ伝えにいく。しかし寺内は盗みの前なので忠吾の話を相手にしない。男は忠吾が寺内のお気に入りだと思っていたが、寺内はうどん屋で自分の身に探りを入れられたので、念のため忠吾を拉致したのだと話す。

 忠吾は自分のふんどしを窓から川へ流す。おまさは忠吾のことを探索しているところで鬼平と出会う。おまさは忠吾の手がかりは見つからないと話すが、川にふんどしが流れていたことを告げると、それを聞いた彦十が、忠吾が一本饂飩屋のことを話していたことを思い出す。鬼平うどん屋へ。そこで一昨日忠吾が来ていたこと、他の客と話していたことを聞き出す。店の女を連れ街を歩き、その男を探し出すことに。

 うどん屋の女を連れ男を探し始めて2日目、寺内を見つける。おまさと伊三次は寺内の後をつけ、寺内の家を探し当てる。同心たちが寺内のことを調べるが不審な点はなかった。荷舟宿の男から仲間が集まったことが寺内に告げられる。その時、寺内の家をうどん屋の女が探っているのに気づき、寺内たちは跡をつけ、女を捕まえる。しかしその女はいつのまにかおまさに入れ替わっていた。鬼平もそこにおり寺内たちを捕まえ、荷舟宿にも押し入り、忠吾は無事助け出される。

 半月後、鬼平と忠吾は今回の件で襲われずに済んだ由井屋から御馳走されることに。忠吾は男色の寺内に捕まっていたことで同心仲間から妙な噂を立てられていたことを機にするが、鬼平は皆がからかっているだけだと笑い飛ばす。

 

 「一本饂飩」はさいとうたかをの漫画で読んだ時の強烈な記憶が残っていた。鬼平には男女の物語は多数あるが、男色の話はあまりなく、しかも我らの(笑 忠吾が狙われるというものだったからだ。しかし最終シリーズの最終話前にこのエピソードを持ってくるとは(笑

 捕らえられた忠吾が必死に脱出を試みる場面は面白かった。ふんどしを流すのも、「裏の勤め人」だと話すのも。ふんどしが川に流れていたという話を聞いた彦十が一本饂飩屋を思い出すのも強引だが、仕方なしか。寺内武兵衛の男色の相手が山西惇さんなのがビックリ。しかもナヨっとした感じが上手いし。

 これで残すはラスト1話のみ。あぁどんな最終話になるのか。