刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #01 血ぬられたダイナマイトカー

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #01 血ぬられたダイナマイトカー

 

あらすじ

 老夫婦が老人ホームの待遇改善を求めるために車のトランクにダイナマイトを積み込み裁判所へ行こうとするが、コーヒーショップでその車を2人組に盗まれる。2人組は強盗を犯し、スタハチの捜査で老夫婦が持ち主と判明する。老夫婦と会ったスタハチはダイナマイトの件を告白される。爆破まで数時間と迫る中、スタハチの捜査は続く。

 

ストーリー

 日曜出勤しているスタハチ。コーヒーショップで2人組が老夫婦が運転してきたポンコツ車を盗む。しかし老夫婦へニー夫妻は入居する施設への不満を示すためにトランクにダイナマイトを積み、裁判所で爆発させる計画をしていた。車を盗まれた老夫婦は警察へ。2人組は酒屋で強盗を働く。

 その頃スタハチはミルティを捕まえていたが、無線で強盗事件が発生したことを聞き、強盗の車を目撃、追跡をする取り逃がしてしまう。2人組は知り合いのテッドの車工場へ行き車の塗装とナンバープレートを交換させる。

 スタハチは強盗された店で聞き込みをし、逃亡者の色、ナンバーを知る。車の持ち主を調べ、老夫婦のいる老人ホームへ。老夫婦は、盗まれた車にはダイナマイトは50本仕掛けており、5時に爆発すること、動機は老人ホームの待遇の酷さだったことを話す。ハッチはドビー主任に事情を説明、緊急手配をすることに。しかし車は見つからなかった。

 その頃、車工場では緑色に変わった車で2人組が街へ出かけていた。スタハチはヒョロ松に会いに行き、事件のことを話す。2人組は会社の事務所へ強盗に入り発泡事件を起こす。スタハチにヒョロ松からジャクソン高校へ行けと指示が入る。そこでバスケをしていた二人に話を聞こうとしてバスケの勝負をする。バスケで買ったスタハチは強盗をした2人組の情報を聞く。バー・モンティの馬券売り場の周りにいて、黒人はグレッグ、白人はウイルバー。二人は店に行き、奥の違法馬券売り場へ入る。責任者エドに店のことを見逃す代わりに、サリーというゴーゴーダンサーがウイルバーと同棲していたことを聞き出し、サリーが踊っている店も教えてもらう。2人組の復讐を恐れたエドはテッドにサリーの店へ刑事が行くことを伝える。

 店に行きサリーに会ったスタハチは、2人組の情報を聞く。居場所はこの店か馬券売り場か従兄弟のテッドの工場かと教えてもらう。その間に2人組はスタハチの車をパンクさせる。店を出たスタハチを2人組が待っていたが、パンクしていた車では追いかけられなかった。スタハチはドビー主任に連絡、2人の名前とデンバーに写真があるはずだと告げる。ドビー主任は老夫婦を保釈する。

 スタハチはデッドの工場へ。そこで車が塗り替えられたことに気づき、事情を説明しテッドから緑色とナンバーを聞き出す。スタハチはドビー主任に公開捜査にすることを提案する。

 2人組は駐車場に車を入れるが、係の人間がそれに気づき連絡を入れる。スタハチが現場に向かう。駐車場で車を見つけトランクを開けようとするが開かず、スタスキーが車を運転し駐車場を出て空き地へ車を乗り捨て爆発させる。

 2人組が駐車場へ戻って来たところをハッチが追いかけ銃撃戦となる。そこへ白バイに乗り戻ってきたスタスキーが援護し犯人を捕まえる。

 老人ホームにブラウン議員を招き、スタハチは食事をさせる。ヒョロ末も協力。議員は食事を食べその酷さに驚き、改善を約束する。スタハチは自腹で食事を老人たちに奢るが、老夫婦は自分の罪を考え食欲がなかった。しかしスタスキーが執行猶予ですみそうだと話すとヘニー夫人は食欲を取り戻す。

 

今回の登場人物

車にダイナマイトを積み込んだへニー夫妻

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老夫婦の車を盗んだ2人組の強盗 ウィルバーとグレッグ

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サリーの従兄弟で強盗2人組とも知り合いの自動車工のテッド

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強盗が入った酒屋で車のナンバーを覚えていた証言者

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メインの事件とは無関係だがスタハチに捕まるミルティ

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バー・モンティの馬券売り場の責任者エド(左)

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2人組の居場所を教えてくれた踊り子サリー

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今回のスタハチの会話

 老夫婦からダイナマイトの件を聞いた二人。ハッチは老夫婦を連行しようとして…

ハ「手錠かけろ」

ス「バカ言え」

ハ「それが規則だ」

ス「オラ知らね。規則には詳しくないんだ。お前がかけろ」

ハ「あのへニーさん、途中で逃げ出さないって約束しますか?そしたらかけませんから」

 規則を守ろうとするハッチ、老夫婦に酷いことはできないスタスキー。でもハッチも結局は手錠をかけない。二人の性格がわかる。

 

 ちなみにドラマ冒頭のスタハチの会話 =シリーズ最初の会話、は日曜なのに仕事をしなくてはいけなくてクサっているスタさんにハッチが仕方ないと声をかける。今回のタイトル原題は「Savage Sunday(野蛮な日曜日)」であることを受けてのセリフだと思う。


 今回のお笑いシーン

 捜査の途中、ホットドッグショップに寄りハッチが2人分を買うが、スタスキーから仕事だと声をかけられ、スタスキーの分をゴミ箱に捨ててしまう。車に戻ったハッチは話を聞きながらホットドッグをかじり始める。

ス「俺のは?」

ハ「ポイした」

ス「ポイした?」

ハ「食いながら運転したらあぶねぇよ」

ス「腹ペコなのによ。ひでぇことしやがる」

 このシーンだけでもちょっと面白いが、このシーンは後で警察に戻った二人がドビー主任に報告をした際、ドビー主任がハンバーガーを食べていてスタスキーがそれを欲しがり、主任が電話をしている隙にハンバーガーを盗んで行くシーンへと繋がる。

 

今回のヒョロ松

店に入った新しい女の子(ダイアン・シルズ)を紹介するヒョロ松

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 車を盗み、酒屋で強盗をした犯人を一刻も早く捕まえたいスタハチがヒョロ松の店へ。話を聞いたヒョロ松はあっという間に強盗犯につながる情報〜ジャクソン高校〜を二人へ連絡する。すごく頼りになるところが発揮されている。

 ラストでの老人ホームへの議員訪問の場でも、「その道に詳しいハギーベア先生」としてスタスキーから紹介を受ける。

 

今回のスタスキー

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 強盗犯の元嫁サリーから、sexに貪欲である話を聞いて目が点になるスタさん(笑

 

 

今回のまとめ

 これがこの後第4シリーズまで続く1stシリーズの第1話とは、とても思えないほど自然な作りの話と展開。主人公二人はもとより、上司であるドビー主任や情報屋ヒョロ松のことも詳しく説明はしていない。ただこの話を見ただけで、この4人の関係性は十分に理解できる作りになっている。

 ヒョロ松は最初から「ヒョロ松」と呼ばれ、最後の老人ホームのシーンでやっと「ハギー・ベア」という名前が明かされるほど。ドビー主任は途中の無線での会話で、スタスキーが「チョーさん」と呼んでいる。この二人に対する愛称は、日本語訳でのオリジナルだろうが、その当時の雰囲気も踏まえとても感じが出ている。

 二人の乗る車グラン・トリノのコードネームは「ゼブラ6」だったと記憶していたが、この話では「ゼブラ3」となっている。どこかで変更されるのか、ちょっと楽しみ。

 この話での捜査途中のシーンが、番組のオープニングで多く使われている。裏の馬券屋に乗り込む際の用心棒との殴り合いのシーンや、最後の車爆発シーン。その車に乗ったスタさんを誘導する白バイにハッチが早く行けと叫ぶシーンは、ハッチの紹介シーンとして使われている。

(左が今回のシーン、右がOPのシーン〜デビッドソウルの字幕入り)

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 ちなみにこの右の写真、OPでのハッチを紹介するナレーションが、「ダビッド

・ソウル」と言っているのが、昭和らしい(笑