刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #03 深夜の暴行殺人事件

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #03 深夜の暴行殺人事件

 

あらすじ

 夜道で強盗2人組に襲われたザックは妻を殺される。スタハチは盗まれた妻のネックレスや犯人が特殊な入れ墨をしていたことから調査を進め、犯人の一人を捕まえるが、ザックは違うと証言し、犯人は釈放される。しかしザックはその男を射殺する。残った一人の犯人を追うスタハチの前にまたもザックが現れる。

 

ストーリー

 夜道で男2人が車を止める。彼らは自分たちの車が故障したと助けを求める。刺青の男がファンベルトが切れたと話すと、止まった車のカーボーイハットの男はそれなら簡単に直ると話し、彼らの車に近づく。するともう一人の男がカーボーイハットの男を殴り気絶させる。止まった車に同乗していた女性はそれに気づき逃げるが、刺青の男が追いかけ女性を襲う。

 翌朝、その現場にスタハチが。殴られたカーボーイハットの男はザック・タイラーといって車の販売会社を経営、TVCMでも有名な男だった。ザックは命に別状はなかったが、若い妻エマは暴行されネックレスのようなもので絞殺されていた。ハッチは現場で靴の飾りを発見する。スタスキーは巡査から犯人は2人組で、一人はラテン系、もう一人は刺青をした白人で大男だと聞く。

 スタハチは被害者のザックに会いに行き、犯行当時の状況を聞く。ザックはスタハチに協力的。ハッチが靴の飾りを見せると、1足200ドルする特性ブーツのつま先についている飾りだと答える。スタスキーに犯人の顔を覚えているかと聞かれたザックはもちろん覚えている、忘れないよと答える。

 その頃犯人の2人は事件が新聞に載ったことを喜んでいた。しかしラテン系の男は新聞で女性が妻だと知り驚く。しかし白人は気にしていなかった。

 スタハチはまず殺された妻の盗まれたネックレスから調べることに。マーケットで動いたブツを全て知るローリーの店へ。二人は店の用心棒マーティをぶっ飛ばしマーティの部屋へ。スタハチは事件のことを説明しローリーに協力を求めるが、彼はとぼける。スタスキーはスノータイヤを発見、さらにスタスキーが物を壊すとローリーは口を滑らせ、ラテン系がプエルトリコ人だと話してしまう。スタハチはよく考えろと話し店を出る。

 次にスタハチは彫物師の女を訪ね、犯人のイレズミの特徴を話す。それはマカオでやっている刺青でこの辺りでは彫れないと聞き出す。2人は本部へ情報を流す。その際、犯人がペイ中(麻薬中毒)であると知らされる。

 ローリーは犯人たちから買い取ったネックレスを見ながら、ヒョロ松に連絡、スタハチに会いたいと伝言を頼む。直後スタハチがヒョロ松の店へ行き、犯人の特徴を話す。機嫌の悪いヒョロ松は渋々その話を受けながら、ローリーの伝言を伝える。2人が早速ローリーの店に行くと店ではケンカが起きていた。ローリーをぶちのめしていたのは、リリアンの亭主を名乗るレスラーのような男だった。ケンカの報告を受けたドビー主任は話がわからず激怒するが、スタハチは事情を説明、ローリーは大怪我を負ったためしばらく話が聞けない状態になっていた。

 主任の部屋を出た二人を待っていたのは、ザックだった。彼は明るく振舞うが、本心では犯人を憎んでおり、犯人逮捕の状況を聞きに来ていた。そして会社を手放し街を出る決意をしたことを二人に話す。しかし街を出るのは犯人をとっちめた後だと話し、部屋を出て行く。そこへヒョロ松から連絡があり、ペイ中のことを知りたいならエンジェルの話を聞きなと言われる。

 スタハチはエンジェルの家へ。そこにいたのは自らもヤク中の黒人の老婆だった。二人は老婆に話を合わせつつ、プエルトリコ人が遊園地の軽食堂マイルにいること、もう一人は船員であることを聞き出す。

 スタハチは遊園地の軽食堂へ。スタスキーはそこでブーツの片方の飾りがない男を見つけ、持っていた飾りを見せる。男は店の女性店員を人質に取るがハッチが駆けつけ男を逮捕する。

 スタハチは取調室で男チャコを取り調べるが男は黙秘する。ザックに面通しをさせるが、彼は知らないと答える。驚くスタハチ、ドビー主任も証言が取れないならチャコは釈放だと話す。彼が犯人だと確信しているスタハチは反対する、その時ローリーが入院している病院から意識が戻ったと知らせが入る。ハッチは急いでチャコの釈放を止めようとするが、すでに釈放されてしまっていた。釈放されたチャコをザックが車で追っていた。そして声をかけ、射殺する。

 ローリーの病院へ行ったスタハチは、ザックにチャコが殺されたことをローリーに話し、犯人2人組の名前ヒューイ・チャコとブラウン・ハリス、さらにハリスがエース診療所で酒代のために血を売っていることを聞き出す。

 スタハチはエース診療所へ。受付の女性看護婦にハリスの写真を見せるが知らないと言われるが刺青のことを話し、ハリスのハリスの電話番号を聞き出す。その番号が港にある公衆電話の番号であることを突き止め港へ。その頃ザックもその港へ来ていた。

 スタハチはハリスを見つけるが、彼はライフルで撃ってくる。ザックがそこへ来てハリスを撃つ。ハリスは逃げ、ザックとスタハチは二人を追うことに。港の資材置き場に逃げ込んだハリスとの銃撃戦が始まる。廃コンテナに逃げ込んだハリスはザックを射殺、スタハチはクレーン車に乗り込み廃コンテナを釣り上げて落とし、ハリスを逮捕する。撃たれたザックの元へに駆けつけたスタハチは、なぜ警察に任せなかったんだと尋ねると、彼はサソリとカエルの話をし、俺もこうしたかったんだ、妻を亡くして辛くなったんだよと答え、息絶える。

 スタハチは翌日ヒョロ松の店に行く。機嫌の良いヒョロ松が迎える。そこへローリーの店で喧嘩を起こしたレスラーのような男が妻リリアンを連れてくる。皆でヒョロ松が酒を勧める。

 

 

今回の登場人物など

ザックを襲った犯人ハリス(左)とチャコ(右)

f:id:zanole:20210903211742p:plain f:id:zanole:20210903211734p:plain

襲われた妻エマとザック

f:id:zanole:20210903211738p:plain f:id:zanole:20210903211750p:plain

盗品をさばく商売をするローリー 右は倒れているローリーの部下マーティ

f:id:zanole:20210903211759p:plain f:id:zanole:20210903211815p:plain

犯人のイレズミについてスタハチに教える女彫物師

f:id:zanole:20210903211826p:plain f:id:zanole:20210903211819p:plain

ローリーをぶちのめすレスラーのような男

f:id:zanole:20210903211850p:plain

エース診療所の女性看護婦とそこで血を売っていた男

f:id:zanole:20210903211909p:plain f:id:zanole:20210903211918p:plain

 

今回の物証、捜査

ハッチが犯行現場で見つけたブーツの飾り

f:id:zanole:20210903211746p:plain

遊園地でブーツの片側の飾りが取れている

f:id:zanole:20210903211855p:plain

スタさんに見つかり人質を取るチャコ、それを阻止するスタハチ

f:id:zanole:20210903211858p:plain f:id:zanole:20210903211902p:plain

スタさんの取り調べ(相手はチャコ)とそれを見るハッチとザック

f:id:zanole:20210903211906p:plain

 

今回のスタさん

 スタさんは今回小銭に関わることがことごとくツイていない。

ローリーの店の自販機(カップが出ずにコーヒーが…)

f:id:zanole:20210903211807p:plain f:id:zanole:20210903211802p:plain

本部に連絡を入れようと公衆電話をかけようとするが電話がかからない

f:id:zanole:20210903211846p:plain f:id:zanole:20210903211833p:plain

エース診療所の自販機でも

f:id:zanole:20210903211913p:plain

 

今回のハッチ

 お笑い役はスタさんであることが多いが、今回はハッチがちょっと面白い。

 エース診療所で女性看護婦からハリスの電話番号を聞き出すハッチだが、その場にいた血液を売っている男性(上に写真あり)の表情があまりにおかしく、ハッチが気を取られてしまうシーンがある(下はその時のハッチ)

f:id:zanole:20210903211921p:plain

 

 今回のお笑いシーン

 スタさんの小銭に関するツキのなさも笑えるが、その際の会話も可笑しい。

ス「セコいんだよ、コイン返せ」

ハ「今のはシャレか」

ス「ありがとう」

 補足すると、「セコいんだよ」に『コイン』という言葉が隠れている(笑

 

今回のスタハチの会話

 ちょっとやりきれない感じのする今回の事件だったが、ラストでの二人の会話がその嫌な感じを吹き飛ばす。

 レスラーがヒョロ松の店に来て、仲直りにワインを注文するが、それに答えたヒョロ松の答えがイカれていて、ハッチは呆然をする。その後の会話。

ハ「この街でまともなのは俺たちだけみたいだな。そう思わない?」

ス「ホント?俺だけだと思ってたのによ」

 

今回の印象的なセリフ

 犯人ハリスにザックは撃たれてしまう。ザックの今際の際のサソリとカエルの話。

 「川を渡ろうとしたサソリはカエルに声を掛ける。カエルは川を渡っているときは刺されないだろうとサソリを乗せ川を渡るが、途中でサソリはカエルを刺す。なぜ刺したんだと尋ねるカエルにサソリは、こうしたかったんだよと答える」

 

 

今回のまとめ

 まだ3話目だが、それでもちょっと珍しいと思えるシーンが満載の今回。

 途中ペイ中の犯人の情報を得るために黒人女性に会いに行くが、彼女が劇中で歌を歌う。それが吹き替えなしで流される。スタハチでは珍しいシーン。女性はAnn Weldonという女優さんのようだが、ネットにもあまり情報はない。

 上記で写真をupしてあるが、取調室でのシーンがある。スタさんがチャコを取り調べ、ハッチが外から見ている。取調室のシーンは他の話であまり観た記憶がない。

 

 例によって吹き替えの翻訳が当時っぽい。盗品売買をするローリーのことをヒョロ松が「デブリゴン」と呼んでいる。エンディングの字幕でも、ローリーは「ファット ローリー」と書かれているが、それを「デブリゴン」って(笑

 ちなみに途中でてくる「ペイ中」という言葉、「白い麻薬の中毒」ということで、中国語では「白」を意味する「ペイ」が使われて、「ペイ中(毒)」となったらしい。

 

 そういえば第1話で、グラン・トリノのコードネームが「ゼブラ3」だったが、今回は聞き慣れている「ゼブラ6」となっていた。1話目だけが特別だったのか?

 

 今回は被害者が意外な行動をとり、メインゲストキャラになる展開だったが、被害者や犯人以外でも、多くのゲストキャラが登場。事件に直接関係はなくても、いずれも一癖も二癖もありそうなキャラばかりで、話を飽きさせなかった。