ロスト・バケーション

●422 ロスト・バケーション 2016

 海岸で少年がカメラ付きのヘルメットを見つける。少年はカメラを再生、そこにはサメに襲われた映像が残されていた。少年は走って助けを探しに行く。

 ナンシーは地元の男性カルロスに海岸まで車で送ってもらう。そこは自分を妊娠していた母親の思い出の海岸だった。ナンシーはホテルに二日酔いの友人を置いてきていた。

 ナンシーはサーフィンを始める。先にサーフィンをしていた地元の男性2人とも会話をしつつサーフィンを楽しむ。途中休憩をし浜に戻った彼女はスマホで妹と電話、途中父親と電話を変わる。父親はナンシーが何をしているのか心配していた。彼女は医学生だったが、病気の母親を救えなかったことから、医学への道を諦めていた。彼女は電話を切ってしまう。

 ナンシーはもう一度海へ。男性2人組は日暮れのため帰ると言うが、ナンシーはもう1本だけと答える。ナンシー1人の海へイルカが現れる。イルカを追って沖へ出ると鯨の死骸が浮かんでいた。近付こうとするナンシーだったが、サメに襲われてサーフボードを紛失、さらに足を負傷してしまう。ナンシーは鯨の死骸に乗ることでサメからの攻撃を回避する。浜では男性2人組が帰るところだっためナンシーは叫んで助けを求めるが、彼らには聞こえず帰ってしまう。

 サメが鯨の死骸に突っ込んでくる。ナンシーは近くにあった岩礁へ避難する。そこには負傷したカモメもいた。彼女は装身具を使い自分の足の治療を行い、止血をする。

 午前1時、干潮まで5時間。ナンシーは負傷した足が動かなくならないようにする。

 午前6時、干潮。ウェットスーツで負傷した足をカバーする。岩礁に上がってきた蟹を食べてみるがとても食べられるものではなかった。辺りの様子は静かだった。サーフボードを見つけた彼女はボードを取りに泳ぎ始めるがまたサメが襲ってきたため岩礁へ戻る。

 その時浜に男がいることに気づく。叫んで男を呼び、自分のバックパックの場所を示しスマホで救助を求めて欲しいと頼む。しかし男はバックパックを盗む。さらにボードが海に浮かんでいるのを見てそれも確保しようと海へ入る。ナンシーはサメがいると叫ぶが男には聞こえず、男はサメに襲われてしまう。

 午後0時、満潮まで6時間。昨日の男性2人組が海へやってくる。彼らは海へ入ってくる。それに気づいたナンシーはサメがいると警告するが、彼らはサメなどいないとさらに沖へ。2人はサメに襲われてしまう。それでもカメラ付きヘルメットをした男性が岩礁へ逃げようとするが、寸前にサメに襲われてしまう。

 午後3時、満潮まで3時間。ナンシーにはなすすべがなかった。

 午後5時56分、満潮まで25分。ナンシーは負傷したカモメを治療する。その時ナンシーはサメが一定のリズムで同じ行動をしていることに気づく。さらに男性のカメラ付きヘルメットが側の海に浮かんでいるのを見る。彼女はサメの隙をついて、ヘルメットを取りに泳ぎ岩礁へ戻ってくる。最後にサメに襲われたが、サメはサンゴに邪魔されナンシーを襲えなかった。

 ナンシーはカメラの映像を確認、サメの口元にフックが刺さっているのを目撃する。満潮まで時間がない彼女は、少し先に浮かぶブイまで泳ぐことを決意。

 午後6時11分、満潮まで10分。ナンシーはカメラに自分の映像と家族へのメッセージを残す。カモメをボードの切れ端に乗せた彼女はブイを目指そうとするが、そこには多くのクラゲがいることを発見、絶望するが、サメがサンゴを嫌がっていたことを思い出し、クラゲが守ってくれることを期待し、ブイを目指し泳ぎだす。

 なんとかブイにたどり着いた彼女はブイの壊れたバーをサメに突き刺す。サメはしつこくブイを攻撃してくる。ナンシーは遠くの沖を船が運行しているのを目撃、ブイにあった信号弾を見つけ合図するが気づいてもらえなかった。その頃浜では少年がカメラ付きヘルメットを見つけ、映像を見て助けを求め走り出す。

 サメはブイを攻撃してくる。ナンシーは信号弾で応戦、凶暴化したサメはブイを引き倒してしまうが、ブイの鉄枠にサメの口元のフックが引っかかる。ナンシーはブイを引き止めている鎖を見つけ、それに捕まる。サメが暴れたためフックが外れると同時にブイの鎖も切れる。鎖は海底へ引き寄せられナンシーもそれに引きずられる。それをサメが襲うが、寸前にナンシーは身をかわし、サメは海底の鉄骨に突っ込んで死んでしまう。

 浜の少年が大人を呼んでくる。それはナンシーを海岸へ送ってくれた男性カルロスだった。カルロスはナンシーを救助する。気が付いたナンシーのそばにはあのカモメもいたのだった。

 1年後、テキサスの海岸にナンシーは妹と父親とともにいた。彼女たちはサーフィンをするために海へ入る。

 

 タイトルも知らない映画だったが、なかなか面白かった。ストーリーは「ジョーズ」の女性一人バージョンといったところ。ツッコミどころもあるが、スリル感があったのは間違いない。

 サーフィンを楽しんでいた女性がいきなりサメにより負傷、その後24時間戦い続けることになる。いきなりの負傷だったが、女性が医学生という設定で自分で治療をするというのが少し捻ったところか。

 冒頭少年がカメラ付きヘルメットを見つけるところからスタートするのが良い。この後の展開をわかりやすく説明している。その場面が終盤で使われるのもグッド。なかなか凝った作りである。

 しかしサメに襲われた直後は岩礁は満潮ではなかったのかとか、サメのスリルよりも足の負傷の治療の方が目を背けたくなったとか、やはり突っ込まずにはいられない(笑

 それでも実質1時間20分ほどのコンパクトにまとめられ、サクッと観られたのはポイントが高い。