●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #08 こわい殺し屋を追っかけろ
あらすじ
店に強盗に入ったデューイは盗んだ金が組織の大金であったことに驚き、ヒョロ松に助けを求める。ヒョロ松は組織のボス、ルーと話をつけるが、デューイの女とその浮気相手がヒョロ松を襲い金を奪う。ルーに狙われることになったヒョロ松はスタハチに助けを求め、デューイの行方を探そうとするが…
ストーリー
デューイはストッキングをかぶりドラッグストアへ強盗に入る。拳銃で店主を脅し金を要求、店主は金の入った袋を投げつけ、デューイは店主を拳銃で撃つ。偶然通りかかった黒人女性が事件を目撃、警察へ通報する。
スタハチはスタスキーの車でハッチが運転の練習をしようとしていた。そこへ通報があり、ハッチの運転で現場へ向かう。その頃、デューイは車で逃走、車を止めストッキングを外し金を確認する。すると袋の中には大金が入っていて驚く。
スタハチは強盗のあったドラッグストアへ。店主はスタスキーに大事ではないと話すが、スタスキーは肩を撃たれて大事ではないわけがないと犯人の特徴を聞き出そうとするが、店主は何も見ていないと答える。ハッチは通報してきた黒人女性から話を聞く。彼女の証言から犯人の車が73年型のライトグリーンのフォードだと判明するが、彼女は通報に使った電話代10セントを要求する。ハッチは警察署に請求できると話すが、彼女は納得いかない様子のため、スタスキーを呼び10セントを支払う。
その夜ヒョロ松の店、デューイは盗んだのが大金でありそれが組織の賭博の金だと気づき、ヒョロ松に金を返してもらうようお願いする。最初は断るヒョロ松だったが、デューイには以前命を助けてもらったことがあり、今回限りという約束で彼の願いを聞き入れ、組織のボス、ルーに電話をし、事情を説明、金を返したいと話す。ルーは店に金を持っていけと言うが、ヒョロ松は店を閉める午前2時過ぎで良いかと尋ねる。ルーは了承するが、何かあればお前の責任だと話す。
安心してヒョロ松の店を出たデューイだったが、店の外に停めた自分の車を警察が捜査しているのに気づき店に戻りヒョロ松に相談する。その車はデューイの女の車だったためだった。ヒョロ松は女に車は盗まれたと言わせれば良いと教え、デューイは店を去る。
スタハチがヒョロ松の店へ。店の外に停めてあったのが強盗に使われた車だと判明、スタスキーはドビー主任に連絡。すると店主がスタスキーにあまりしゃべらなかった理由がわかる。盗まれた金は組織が賭博で儲けた金だった。賭博特捜班が追いかけていた事件だった。
スタハチはヒョロ松に車のことを聞くがヒョロ松はとぼける。スタスキーが脅しをかけるが、ハッチが声をかけスタハチは店を後にするが、ヒョロ松の態度を不審に思う。
デューイの女の家。女はデューイ以外の男を会っていた。そこへデューイがやってきて、強盗の件を話す。5万ドル盗んだこと、組織の金だったためヒョロ松に預け返してもらうことにしたこと、警察が来たら車は盗まれたことすること、など。それを聞いた女はなぜ5万ドルを諦めるのかとデューイを非難、そこへ隠れていた男ハリー・マーチンも現れる。マーチンはデューイを殴り倒す。そしてハリーと女はヒョロ松から金を奪うことをする。
店を閉めたヒョロ松は金を持ってドラッグストアへ行こうとするが、店を出たところでハリーたちに襲われ気絶、金を奪われる。しばらくして電話の音で気がついたヒョロ松、電話はルーからでヒョロ松は襲われたことを説明するが、30分以内に届けないと死ぬことになるぜと脅される。
翌朝スタハチはデューイの女の家へ。車が盗まれた際のことを聞くが、女が仕事に行くと言うため二人は早めに切り上げる。スタスキーは部屋に男の気配を感じる。スタハチが去ったあと、女は5万ドルは自分たちのものだと話し、ハリーにこの町を出ることを提案するが、ハリーは警察が嗅ぎ回っている間は今まで通りの生活をしていた方が良いと話す。
その頃ヒョロ松は店に戻っていた。そこへルーの手下たちがやって来て店をメチャメチャにする。その隙にヒョロ松は手下から逃げる。スタハチがヒョロ松の店へ。店内の様子を見て驚く二人、やはり強盗事件にヒョロ松が関係していたかと考える。その時ドビー主任から連絡があり、タレコミがあり強盗事件の件でスタハチにしか話さないネタがあるから橋の下の下水道口へ来て欲しいとのことだった。
二人が橋の下へ行くとそこにいたのはヒョロ松だった。ハッチの家へヒョロ松を連れて行き、これまでの事情を聞く。ヒョロ松が金を持っているのを知っていたのは、ボスのルー・マリンダ、店主のロイ、デューイの女サラの3人だった。スタハチはサラにコンタクトを取ろうとするが、ヒョロ松は警察には何もしゃべらないだろうから、自分が連絡をしてみると言い、サラの会社、中古車屋に電話をする。しかしサラはデューイの行方は知らないととぼける。中古車屋ではマーチンも働いていた。
スタハチは時間を稼ぐと話し、ルーに会いに行く。彼はフィットネスジムのオーナーだった。スタハチはヒョロ松を許すように話すが、ルーは盗まれた金よりも二度と同じことが起きないように見せしめをすることも必要だと話す。ジムを出たスタハチは車の中でジムで鍛えていた男たちについて会話をする。スタスキーはあんな連中は相手にしたくないと話すがハッチはあれは作られた体で動きは悪いと答える。そんな二人をルーの手下たちが尾行していた。スタスキーは尾行に気づき手下たちを追い詰め、尾行していた理由を問いただす。手下たちはヒョロ松の行方がわからないためだと答え、スタスキーはもしヒョロ松に何かあればぶっ殺すぞと脅す。
スタハチはハッチの家へ戻る。ヒョロ松は時間稼ぎができれば金を工面するつもりだが、スタハチは、ルーは金を取り戻すことよりもヒョロ松の命を狙っている、そのためにもデューイを探し出して、ヒョロ松の無実を証明するしかないと話す。その時ドビー主任からデューイ死体が見つかったと連絡が入る。
デューイの女サラに警察から連絡が入り、死体確認に来て欲しいと言われる。サラはハリーに死体は見つからないはずじゃなかったのかと問い詰め、死体を隠した場所を見て来てと話す。
スタハチはデューイの死体発見現場に行く。そこにはハリーの姿もあった。現場から警察が引き上げる中、スタハチは現場に残る。ハリーはスタスキーの車のブレーキパイプを切断する。何も知らないスタハチは車に乗り込む。ブレーキが効かず危険な目にあうが、スタスキーのテクニックでなんとか助かる。その時ハッチが閃き、サラが犯人であることに気づく。
スタハチはサラの家へ。二人が来たことに気づいたサラは慌てるが、ハリーは金を持って一人逃げようとしため、もみ合いになり金がばら撒かれる。そこへスタハチが踏み込む。屋上へ逃亡するハリーと銃撃戦になるが、ハリーを捕まえる。
ヒョロ松がルーの店へ。ルーは5万ドルのことを持ち出すが、ヒョロ松はスタハチを迎え入れる。ルーは5万ドルのことをとぼける。スタハチはルーに東部へ行く様に勧める。ルーの部屋を出た3人、スタハチがヒョロ松を送って行くと話すが、ヒョロ松は気兼ねなく街を歩蹴るのはご機嫌だと話すが、二人はヒョロ松を抱え上げる。
今回の登場人物
強盗をしたデューイ 右は店主を撃ったデューイ
強盗を通報した黒人女性ジェニー
強盗に入られた店主ロイ 右は撃たれた場面
デューイが盗んだ賭博の金の持ち主である組織のボス、ルー
デューイの彼女サラとその浮気相手ハリー
スタハチをつけるルーの手下たち 右はヒョロ松の店を壊す2人
今回の捜査
店主ロイから事情を聞くスタさんと目撃者ジェニーから話をきくハッチ
デューイの彼女サラの家を訪ねるスタハチ
ヒョロ松の店がめちゃくちゃにされたのを見るスタハチ
ヒョロ松に呼び出され、橋の下の下水道口へ向かうスタハチ
今回の犯人たちの行動
デューイを罵るサラとその浮気相手ハリー
ハリーはデューイを殴り倒す
さらにヒョロ松も殴り倒し、金を奪う 写真は殴られ気絶するヒョロ松
今回のハッチ
なぜかスタさんの車の運転を練習していたハッチ。強盗事件の通報を受け、「物は試しだ」と話し、サングラスをかけ、運転を始める。
今回のスタハチの会話
ハッチの運転でヒョロ松の店へ駆けつけたスタハチ。車を停めたハッチにスタさんが自分の車の感想を問いかける。
ス「どうだ?ご感想は?あ?」
ハ「悪くない」
ス「それだけ?こんなに素速い車をよ」
ハ「確かに速いが、速いのは他にもある」
ス「速いんじゃなくて、素速いだってば。なんてったって、サスペンションはチューンアップされてるし、加速感が全然…」
ハ「スタさん、(少し間を置いて) 赤は嫌いだ」
ス「(キーを奪い取り)返せ。アップルレッドだぞ」
左 赤は嫌いだというハッチ 右 鍵を奪い取るスタさん
その2
ルーの手下に尾行されていることに気づき、彼らを待ち伏せ、格闘になる。その格闘後の会話。
ルーの手下たちと格闘した後、肩で息をするハッチがスタさんに声をかける
ハ「楽しかったか?」
ス「ヤツらはチョロいって言ったのはお前だぜ」
ハ「あの野郎、逆らいやがってさ」
ス「よっぽど手を貸そうかと思ったんだ(ボクシングのポーズをする)」
ハ「だったら貸しゃいいじゃないか」
ス「お前さんにもプライドがあるだろ」
ハ「プライドなんかクソ喰らえだ。親友の危機をニタニタ見てるヤツがあるか」
ス「お前そんなに落ちぶれたのか」
ハ「落ちぶれた?」
ス「歳は取りたくないな。えぇ?」
ハ「うるせえよ」
少し補足。
ルーの店を出た後にスタハチは尾行されるのだが、(尾行に気づく前)車の中でルーの店(ジム)にいた屈強な男たちを見たスタさんはその体格に驚く。しかしハッチはあれは筋肉を作る薬で作られた体だから、実際には大したことはないと話す。スタさんが、バカ言え、アイツらと戦ってみろというと、ハッチは奴らは動きが鈍いからと戦い方をスタさんに伝授していた。
実際に格闘になるとスタさんがあっさりと手下を倒したのに対し、ハッチは手下相手に手こずってしまっていて、それを見ていたスタさんに冷やかされたのだった。
今回のドビー主任
ちょっと珍しいと思ったので記録。
デューイが盗んだ金が組織の賭博の金だったとスタさんに知らせたドビー主任。その時スタさんに、賭博特捜班も動いていることを知らせ、「一人で無茶をするな」と釘をさす。
その後、ヒョロ松の店が壊され、それを確認したスタハチにドビー主任が無線でヒョロ松からの伝言を伝える。その時にも「無茶をするなよ、助けが必要な時はそう言え」と話す。
なぜか2回ともスタさんに「無茶をするな」と心配するドビー主任。無線の相手がどちらもスタさんだったからなのか、スタハチコンビの無茶な行動を知ってのことなのか、どちらかは不明。
今回のまとめ
前回がスタさんが少年を射殺してしまうというちょっと暗い話だったが、今回はスタハチファミリーとも言えるヒョロ松が、スタハチに隠し事をしてしまう話。「鬼平犯科帳」ではありがちで、密偵たちが鬼平に内緒で仲間をかばう話を思い出した。前回ほど暗くはならなかったが、ことによっては重大なことになりかねない話。
それでも身の危険を感じたヒョロ松がスタハチに助けを求め、2人はヒョロ松のために全力で捜査をする。それがラストシーンにもよく表れていると言える。
車移動が主のスタハチにとって、車のブレーキを細工されるというピンチに遭うが、これもまた刑事モノではよくあるパターンか。今回はハッチの運転も見所だが、ここではスタさんのテクニックがモノを言った。
余談。今回は登場人物も少なく、その役名を知るのにはあまり困らなかったが、最後の字幕を確認した際に、「アンジー(Angie)」という名前があって首をひねることに。登場してきた人物は全員名前が判明していたからだ。俳優名は「Wally Taylor」となっており、ネットで調べたところ、黒人男性ということがわかった。さらにスタハチに出演している写真(ヒョロ松と話しているコック姿の男性)もあり、謎は深まるばかり。
でもう一度確認したところ、ヒョロ松がハリーとサラに襲われた翌朝、店に戻った時に「アンジー」と叫びながら店に入っているのがわかった。その直後ルーの手下たちに襲われるため忘れていたが。
推測。ネットにあったコック姿の写真とヒョロ松のセリフから、アンジーはヒョロ松の店で働くコックだと思われる。そう思って見返すと、ヒョロ松が店を閉め皆を送り出し、金を返しに行こうとする場面で、送り出す中に黒人男性がいるように見える。
ヒョロ松が手を添えているのが黒人男性
今回の話では画面に登場することはないが、他の回でアンジーとして登場してくるのではないだろうか。次回以降のエピソードでアンジーが登場してくれることを期待(笑