地獄の7人

●431 地獄の7人 1983

 1972年ベトナム戦争前線でアメリカ軍はヘリによる撤退をしていた。フランクは負傷した兵を助けようとしヘリに乗ることができなかった。

 1973年ベトナム戦争が終わり帰還兵がアメリカに戻ってくる様子をローズ大佐はTVで見ていた。息子のフランクは行方不明者となっていた。彼は幼い頃の息子の幻影を見るまでになっていた。

 1977年ローズはタイでフランク探しをしたり、政治家に接触しようとしたがフランクは見つけらなかった。

 1982年ローズは軍関係者から捕虜収容所の写真を見せられ、そこにフランクが所属した部隊の印があることを教えてもらい、フランク救出のために動き出す。

 フランクの仲間を5人集め、同じくフランクと同じ部隊にいて未だ行方不明の息子を持つマクレガーの資金援助もあり、テキサスの地で訓練を始める。5人の他に若い教官も1人仲間に入れる。そして実際の捕虜収容所と同じ配置のキャンプで訓練を続け、救出作戦を計画する。

 彼らはバンコクへ。しかし彼らの動きを知った当局の手により武器は没収されてしまう。ローズは現地の武器商人からなんとか中古の武器を購入、麻薬商人だったイャンとその家族とともに捕虜収容所へ向かう。

 現地でヘリを強奪する予定だったが、場所が移動されており時間がかかり、救出作戦は計画通りに進まない。それでも彼らは捕虜収容所を襲い、アメリカ人捕虜4人を救出する。仲間の何人かが倒れる中、無事ヘリで脱出。しかし捕虜の中にフランクはおらず、ローズはフランクに助けられたマクレガーの息子からフランクの死亡を告げられる。

 アメリカに帰国後、捕虜たちは大歓迎を受け、ローズは妻に迎えられる。

 

 ベトナム戦争の一つの悲劇をテーマにした映画。「ランボー」を思い出させる内容だが、本作の方がランボーより2年先に製作されていた(笑 ランボーはシリアスな作品だったが、本作は定番の仲間集めから始まり、和やかな雰囲気がある訓練風景もあるため、あまりシリアスさは感じられない。それでもラスト30分の救出劇は、なかなか迫力のある映像だった。

 ベトナム戦争終結から10年目ということで製作されたのかもしれないが、反戦のメッセージ性はあまり感じない。ただ途中ジーンハックマン扮するローズ大佐が、国が捕虜救出のために何も動いていないことを話す場面はそれを感じさせるけれど。

 ラストの救出劇が良かったのが、のちのランボー製作につながったのかしら。