●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #12 波止場の狼をやっつけろ
あらすじ
ハッチの幼馴染ナンシーがビリーと結婚することに。スタハチはナンシーとビリーが働く波止場での組織的な盗難事件を担当するが、ビリーが盗難事件に関わっていることに気づく。
ストーリー
スタハチはプライベートで教会に来ていた。ハッチの幼馴染ナンシーの結婚式のリハーサルに参加するためだったが、花婿ビリーの到着が遅れていたためハッチが代役を務めることに。
その頃、波止場では強盗団が倉庫から荷物を盗んでいた。強盗団の一人が自分たちを見張っている男がいることに気づき、男を射殺し、現場から立ち去る。強盗団の見張り役がまだ荷物が残っていると指摘するが、男を射殺したと一人が答える。
波止場で男を射殺した犯人がスタハチのいる教会へ急いでくる。彼こそが花婿ビリーだった。ビリーは何食わぬ顔でリハーサルに参加する。
翌日スタハチが署へ出社するとドビー主任に呼ばれ、昨日エドが波止場で射殺されたと聞かされる。エドは半年前から波止場の強盗団を探っており、張り込み中での出来事だった。スタハチはエドの後を引き継ぐように言われ、港湾局の保安課長アンディ・ウィルキンスにも話が通してあると言われる。ハッチがその名前を知っていることに主任は驚くが、ハッチはその秘書ナンシーと友人だと答える。スタスキーは強盗団の手がかりを主任に尋ねる。主任はエドの手帳の昨日の欄にテッド・バンクスという波止場のフォークリフトの運転手の名前がメモしてあったことを告げる。
スタハチは港湾局へ。偶然会ったビリーにテッドのことを聞き、二人が会いたいと伝えてと話す。スタハチは保安課長の部屋でナンシーと会う。
リック・ハウザー釣具店にビリーはいた。店主のリックにスタハチが捜査に来たことを告げ、自分とナンシーとの繋がりに気づかれたら、と心配する。次の150万ドルの大仕事の前になんとかしなければと話し、テッドを使ってスタハチを殺そうと考える。
スタハチは保安課長とともに事件当日の警備員ジェリーから話を聞く。ジェリーは強盗団に手足を縛られ何もできない状態だったが、3、4人でフォークリフトを使っていたと証言する。保安課長は半年前から大掛かりな盗難事件が続いていること、犯人たちは正確に高価な物がいつ届くかを知っていること、をスタハチに告げる。情報を知っているのは、自分たちの会社と税関、船主、波止場で働く人間たちと膨大な数だった。
港湾局を出たスタハチは、犯人たちは高価で大量のブツを盗んでどうするのかと推理、盗品売買をする絵面・ビームに当たることを思いつく。話をしていたスタハチはトラックに轢かれそうになるがなんとか逃げる。二人は運転していたのはテッドだったとビリーから聞かされる。
スタハチはテッドの家へ押し込むがすでにもぬけの殻だった。そこでスタスキーは盗まれた日本製のカメラを見つけファインダーをのぞいていた時に、灰皿に特徴的なガムの包み紙を見つける。
二人はエズラの住む「地獄の科学教会」へ。エズラは新たに悪魔崇拝の宗教を始めていた。スタハチはエズラに盗品売買のことを尋ねるが、エズラは盗品売買から足を洗ったと答える。二人はエズラが仲間を売ったことの見返りに逮捕を見逃していたことを話し、波止場で盗まれた日本製カメラの売買について情報を探るように頼む。スタハチが帰った後、エズラはリックに電話をし、スタハチに狙われているからカメラの売買は中止だと話す。リックは土曜の大仕事もかと尋ねると、エズラはあれは自分の企画だから中止にはしない、150万ドルは用意してあるからと話す。
スタハチはナンシーの家へ。ナンシーの母親が作るシチューをご馳走になりに来ていた。母親はナンシーとビリーがまだ知り合って半年で結婚をすることを心配していた。いよいよ食事を始めるという時に電話がなり、テッドがスタスキーに連絡をして来た。二人は言われた場所へ急行する。しかしそこにはビリーがすでにおり、ビリーはスタハチが来たことに気づき窓から逃げる。テッドはビリーに撃たれていた。テッドは今際の際に、土曜にまたやること、スチールボックス、と言い残して死んでしまう。
スタスキーはテッドの部屋で見つけたガムの包み紙を見て、ハッチに窓から逃げたのはビリーで、波止場の荷物の情報はナンシーから漏れているのでは、と話す。ハッチは認めたがらないが、スタスキーはガムの包み紙を見せ納得させる。
スタハチはテッドの父親バンクスに会いに行き、テッドが殺されたことを告げ、テッドの波止場での仲間のことを聞く。バンクスは仲間はろくでなしばかりで金儲けのことばかり話していた、船の道具を売っている店をやっていると聞いていると話す。
波止場の釣具店に到着したスタハチへドビー主任が連絡してくる。スタスキーが頼んだイリノイ州からのビリー・デズモンドの情報だった。彼は過去に強盗事件を起こし刑務所で服役していた。その時、ビリーが釣具店に入って行くのを二人は見かける。
ビリーは強盗団の仲間たちを話をする。仲間の一人ウォーリーは刑事を殺してしまったこと、カメラが捌けなかったこと、土曜の仕事は白昼で警備も厳しいこと、を話し次の仕事を心配していた。するとリックがエズラが根回ししており、土曜にダイヤを持ってくる男を仲間に引き入れてあることを告げる。男はスカイラーと言って、バンデミア紹介の副社長だった。そこへスタハチが訪ねてくる。ハッチはビリーに逮捕歴のあること、ナンシーに話をしたか、などを尋ねる。ビリーはすべて話したと言うがハッチは信用できないと答える。
スタハチは保安課長に会いに行き、土曜に高価なものを運んでくる船のことを聞く。7隻のうち3隻が高価なものを運んでくるとわかり、それら3隻を全て見張ることに。しかしスチールボックスを運んでくる船はないとのことだった。そこへビリーから話を聞いたというナンシーが現れハッチを非難し、結婚式にも参加しないでと話す。ハッチはそれなら自分と花婿の代役を探せと答えると、ナンシーはハッチに平手打ちをし去って行く。
港湾局を出て来たスタハチを悪漢たちが待ち構えていた。応戦する二人だったが、ハッチは海に突き落とされてしまう。スタスキーは拳銃を発砲し悪漢たちは逃げて行く。海に落ちたハッチを助けるためにスタスキーは自らも海へ飛び込むが、ハッチはすでに海から上がって来ていた。
海へ飛び込んで調子を悪くしたスタスキーは、ハッチの家で看病してもらう。ヒョロ松もきてスタスキーを見舞い健康スープを持ってくる。
土曜日になりスタハチは仲間の刑事たちとともに波止場を見張る。その時波止場に1台の装甲車がやってくる。それを見たハッチはスチールボックスとは装甲車であることに気づき現場へ。装甲車が船側に到着するのを待って強盗団が現れる。船から降りて来た共犯のスカイラービリーに撃たれてしまう。スタハチはスカイラーからブリーフケースに宝石が入っており、悪魔を信用した自分がバカだったと聞かされる。ビリーたちはエズラの家へ。ビリーは宝石を持って街から逃げるつもりだった。スタハチもエズラの家へ急行する。ビリーは宝石を持って逃げるが、ハッチが取り押さえる。
騙されていたことを知ったナンシーは落ち込む。ハッチはナンシーを慰める。スタスキーはナンシーの母親と話をしていた。4人はウェディングケーキを前にパーティを始めようとしていた。皆が沈んでいるのを見た母親はケーキをスタスキーの顔へぶつける。スタスキーはハッチにもケーキをぶつける。
今回の登場人物
ハッチの幼馴染ナンシーとその母
ナンシーが結婚式を挙げる教会の神父
波止場の盗難事件を捜査していたエド
波止場の強盗団の一人でエドを射殺した男(覆面を取るとビリーと判明)
強盗団の一人リック(釣具店を経営)
ビリーとリック
波止場の警備員ジェリー
波止場の保安課長 アンディ・ウィルキンス
エドのメモに名前を書かれていたテッド(右はスタスキーに連絡して来た際)
テッドの父親(右はテッドの死亡を聞かされた際)
強盗団の一人 ウォリー
最後の盗難事件の被害者 宝石商スカイラー(実はエズラと繋がっている)
今回の捜査
ナンシーとビリーが結婚式を挙げる予定の教会
盗難事件が発生している波止場(右は最初の事件の現場)
波止場の港湾局
強盗団の一人リックが営む釣具店
テッドの家で灰皿に捨てられたガムの包み紙をスタさんが発見
テッドの隠れ家(右はビリーに襲われたテッド)
テッドの隠れ家でも同じガムの包み紙を発見するスタさん
波止場で悪漢たち襲われるスタハチ
土曜日、波止場を見張る刑事仲間スミティとスタハチ
宝石をエズラの元へ持ち込むビリーとリック(右はスタハチが踏み込んだ瞬間)
今回のハッチ
幼馴染ナンシーから久しぶりに連絡をもらい(後のスタさんの会話から)、式のリハーサルに出席、花婿の代役を務める嬉しそうなハッチ
遅れていたビリーが駆けつけ、両手に花のナンシー
ナンシーの母親の話から、ハッチは子供時代、東部に住んでおり、その際ナンシーの家と隣同士だった模様。
今回のスタハチのコンビ愛
波止場の港湾局で話を聞いて出て来たスタハチをテッドがトラックでひき殺そうとする。直前に気づいたハッチがスタさん共々逃げる。
実はこのシーン、繋がりがちょっとおかしく、上の2枚でトラックから逃げているが、その直後のシーンで、改めてハッチがスタさんの体を抱えて逃げるシーンが再度流れる。
さらに捜査が進み、スタハチは今度は悪漢(強盗団)に波止場で襲われる。
スタハチはそれぞれ応戦するが、この時ハッチはその辺にあった長い棒を使って応戦。見事な棒術を見せる。
しかしハッチは悪漢に押され、海に落ちてしまう。そして自力で海から上がるが…
スタさんが拳銃を撃つことで悪漢たちは逃げる。ハッチが海に落ちた音を聞いたスタさんはハッチを呼ぶが返事がない。
仕方なく服を脱ぎ、海に飛び込む。
しかし既にハッチは海から上がって来ていた。
これにより、スタさんは風邪をひき、ハッチの家で看病してもらう。そこにヒョロ松が野菜スープを持って登場する。
今回のオチ
ラスト、落ち込むナンシーを励ますためにスタハチは彼女の家へ。ナンシーの母親も含め4人でパーティをしようとするが、母親が場を和ませるために、映画でチャップリンがやっていたように、ケーキをスタさんの顔にぶつける。
それを見て驚くナンシーとハッチ
しかしスタさんの顔を見て大笑い
スタさんはお返しに、とハッチにもケーキをぶつける
今回のまとめ
1stシリーズ後半戦の開幕(全22話の12話目)。スタハチが教会で結婚式のリハーサルに参加、から話が始まる。プライベートから話が始まるのは珍しいが、直後に波止場で盗難事件発生、見張っていた刑事が射殺される。しかも射殺した犯人が花婿だったことが冒頭から明かされる。
冒頭から悲劇を匂わせて、スタハチが事件をどう解決して行くか、ハッチの幼馴染ナンシーの結婚はどうなるかと思わせるが、花婿であり強盗団のビリーがとんでもないヤツであることがわかってきて、ビリーの逮捕=ナンシーの結婚取りやめとなる。
ナンシーとその母親とスタハチとの会話が優しく、悲劇である話を中和しており、ラストもその母親が魅せてくれる。
スタハチのコンビ愛は健在。スタさんがビリーが強盗団の一味だと早くから気づくが、それをハッチに告げるときの優しさがしみる。またトラックに轢かれそうになった際や悪漢に襲われ海に落ちたハッチを助けようと海に飛び込むスタさん、風邪をひいたスタさんを自分の家に呼び看病するハッチ、など。
後半戦も面白くスタート。続きの話も楽しみたい。