最高の人生の見つけ方

●448 最高の人生の見つけ方 2007

 冬山へ登頂する男、エドワードが5月に死んだことがナレーションされる。

 カーターは自動車整備工場で働いていたが、自分の診断の結果を電話で告げられショックを受ける。エドワードは自分の会社の理事会に出席しており、経営している病院の方針として1室にベッドは2つと宣言するが、その直後に喀血する。

 エドワードは自らの病院へ入院することになる。2人部屋であることに反発するが、会社の方針だと秘書に言われてしまう。相部屋となったのはカーターだった。2人ともガンに侵されていた。カーターの妻が見舞いに来るが、エドワードを見舞うのは秘書だけだった。2人はいつしか仲良くなって行く。

 ある日カーターは死ぬまでにやっておきたいことをリストにして書き出す。偶然それを読んだエドワードは金はあるから、一緒にそれを実現させようと提案、カーターは妻の反対を押し切り2人で旅に出ることに。

 スカイダイビング、刺青、GT350でのレースなどをしながら世界を旅する。途中、エドワードはカーターの妻から電話で連絡を受ける。その日カーターは喀血していた。エドワードはカーターに一度家に帰るように提案するが、妻からの連絡を受けたと気づいたカーターは反対、旅を続けることに。

 アフリカのサバンナ、エジプトのピラミッドと旅をし、ピラミッドでエドワードは別れた娘のことを話す。インド、中国、ヒマラヤと旅をして、ヒマラヤに登頂しようとするが、天候が悪く断念する。

 ホテルでカーターは若い美女に部屋へ誘われるが断る。それがエドワードの仕組んだことだと気づいたカーターは家に帰ることに。2人は車でエドワードの娘の家へ。それに気づいたエドワードは激怒し1人去っていってしまう。カーターは家に帰り家族とともに時間を過ごす。久しぶりに妻とベッドをともにしようとするが、カーターは倒れてしまい、エドワードの病院へ入院する。知らせを受けたエドワードは病室へ。そこでエドワードが好きなコーヒーのネタで2人は大笑いをする。カーターはリストの1つを消し、残りは君に任せたとエドワードに話す。

 エドワードはリストともに受け取ったカーターの手紙を読む。そこには人生の喜びを見つけてくれと書いてあった。カーターは手術に臨むが死亡してしまう。エドワードは1人娘に会いに行く。そして彼はカーターの葬式で彼への感謝の言葉を述べる。

 エドワードの秘書がエベレストに登頂、頂上にある小さな祠にカーターの遺灰とともにコーヒーの空き缶に入れたエドワードの遺灰を置き、最後のリストを消す。

 

 そう言えばこの頃、「人生でやりたい100のこと」というのがブームになったなぁと思い出した。この映画を観たら自分のそれを書き出したくなるなぁとも思った。

 ストーリーはテンポよく進み、約100分の映画として見事にまとまっている。それでいて、途中に伏線が張られそれも上手に回収されている。「浮気」を拒否するカーターにエドワードが一芝居を打つがそれが上手くいかず。それでもそれがカーターが家に帰るきっかけになっている辺りは本当に上手い。

 さらにチェックされずにいたリストがいくつか残っていたが、エドワードが娘に会いに行き、「世界一の美女とキス」が消されたシーンも、カーターがどうやって実現させるんだと言ったシーンが思い出され泣けてきた。そしてラスト。最後の「荘厳な景色を見る」にチェックが入り、2人の遺灰が並べられる。

 

 金持ちエドワードがいたからこそ実現できたリストだが、2人のリストに対する思いは誰しもが思うことであり、不変だろう。ニコルソンとフルーマンの共演でこの映画が製作されたのもすごいが、2人とも同じ年でこの映画公開時に70歳というのもあまりに出来過ぎ。