ヒマつぶしの作法 東海林さだお

●ヒマつぶしの作法 東海林さだお

 最近推理小説やドキュメント系の本ばかり読んでいてちょっと疲れたので、年末ということもあり軽い読み物を探していて、昔週刊朝日でエッセイをよく読んでいたなぁと思い出し、東海林さだおさんのエッセイをチョイス。

 いとうせいこうさんとの対談からスタート、エッセイではルンバが出てきて、久しぶりに東海林さんのこだわりに触れる。しかし次第に読んでいて、あれっと思うことが増える。巻末の初出一覧を見たら、一番古いもので1976年のエッセイから最近のものまでとなっており納得。

 考え方も独特だが、その一方で、釣り堀やはとバス、社交ダンスにキャバレーまで、行こうと思ったらその後の行動が素早く、範囲も広い。しかも、最後近くにある「寅さんの宿」に実際に泊まりに行くなどは普通の人ではちょっとできそうもない(笑

 最後のエッセイは「正調温泉一泊作法」。そこで取られる行動や考え方、文章が東海林さだおの決定版のような作品。この作品が約30年も前に書かれているのだから、東海林さんは全くブレていないと実感できる。

 年末でバタバタしている時に軽く読むにはもってこいの一冊でした。