泥棒成金

●458 泥棒成金 1955

 南仏リビエラのホテルで宝石の連続盗難事件が発生。その手口がかつての宝石泥棒「猫」と同じだっため、警察は猫ことジョンロビーの家を訪ねる。ジョンは覚えがないため、警察の訪問から逃げ、かつての仲間が働くレストランへ。そこでは皆ジョンがまた仕事を始めたと勘違いしていた。レストラン経営者ベルタニに相談したジョンだったが、レストランにも警察の手が伸びてくる。かつての仲間の一人フッサールの娘ダニエルの協力を得て協力を得て、レストランからジョンは脱出する。

 ジョンはベルタニの協力で保険会社の調査員ヒューソンと会い、偽物の猫が次に狙うであろう高額の宝石のリストを見せてもらう。ジョンはスティーブンス母娘に近づくことに。母娘が泊まるホテルで別の客の宝石が奪われる事件が発生、さらにジョンは偽物の猫からの警告メッセージを受ける。

 ジョンはスティーブンスの娘フランシーと仲良くなる。フランシーは週末に仮装パーティが開かれる屋敷へジョンを案内するが、彼女はジョンが本物の猫であることを見抜いていた。二人はホテルの部屋で一夜を共にするが、翌朝母の宝石が盗まれたことでフランシーは激怒、警察へ通報するが、ジョンは逃げる。

 ジョンは偽物の猫を捕まえるために、次の候補の屋敷を見張るが、そこでフッサールが死んでしまう。フッサールはジョンを殺そうとしたためジョンに殺されたのだった。警察はフッサールが猫だったとマスコミに発表する。しかしジョンはフッサールが義足であったことから真犯人は別にいると推理、富豪たちが集まる週末の仮装パーティにフランシーとともに出席することに。

 ジョンは仮装をうまく使いパーティを抜け出し屋根で偽物の猫が現れるのを待っていた。そこに現れたのはダニエルだった。ジョンはダニエルを捕まえ、真相を警察の前で白状させる。ダニエルは黒幕はベルタニであることを白状する。

 ジョンの屋敷にフランシーが訪れ彼女はジョンを疑ったことを謝罪する。

 

 子供の頃に観た記憶が蘇った。これぞアメリカの映画、といった感じ。自然に囲まれた美しい南仏の風景、美男美女の主人公たちのおしゃれな会話、豪華な仮装パーティとそこで仕組まれたトリック。ヒッチコックらしく展開も早く、ユーモアも忘れていない。

 今見ると話の展開は大体予想がつくものだったが、そんなことは気にしなくて良いほど気持ちよく観ることができた。ミステリとして観るとモノ足りないが、優雅な映画として観れば娯楽作品と言える一本。