椿三十郎

●457 椿三十郎 2007

 ストーリーは1962年のオリジナル版と同じのため割愛。

 

 見終わって最初に思ったのは、いや見ている途中から思ったのは、なぜ黒澤明監督の名作をリメイクしようと思ったのか、ということだった。

 ネットでも散々書かれているが、織田裕二三船敏郎の演技を真似しようとしているとしか思えず、織田裕二としてのオリジナリティはほとんどない。映画としても、細かい部分はわからないが、オリジナルと大きく異なるのはラストの椿と室戸との決闘場面のみであろう。まさかここを描きたかったために製作したとも思えないし。

 市川崑監督が、「犬神家の一族」を30年後にリメイクしたことがあるが、それに触発でもされたのか?あちらは石坂金田一が同一俳優で製作、まだ違和感は少なかったし、製作した理由もわからないではなかったが、本作は本当にその製作意図に疑問が残ってしまう。

 森田芳光監督が希望したとも思えないし、やっぱり製作総指揮の角川さんの望みだったのかしら?