ウィンチェスター銃’73

●476 ウィンチェスター銃’73 1950

 リンマカダムとハイスペードがドッジシティにやってくる。2人は酒場女が男に駅馬車さにのせられそうになっているのを仲裁に入ろうとするが、男は保安官ワイアットアープで、街で開かれる祭りのため酒場女ローラは相応しくないという理由を聞き納得する。

 2人が酒場に入ると因縁の男ダッチと出会う。しかし皆保安官に銃を預けているためこの場ではおとなしくしていた。祭りで射撃大会が開かれる。優勝賞品はウィンチェスター銃の中でも千に一つと言われた名銃だった。リンとダッチが勝ち残り2人で決勝が行われる。同等の腕を持つ2人だったが、最後に小さな的を射抜いたリンが優勝、ウィンチェスター銃を手にする。

 主催者が銃に名前を入れることができると話すが、ダッチが街から出て行くと聞いたリンは名入れをせず彼らを追う準備をする。しかし宿の部屋でダッチたちが待っており、リンはウィンチェスター銃を奪われてしまう。リンたちはダッチを追うことに。

 ダッチたちは丸腰で街を出たため、銃と弾を入手するためライカーの店へ。店にいた武器商人ラモントから銃と弾を購入後、彼とポーカーをすることに。しかし有り金全てを負けてしまう。困ったダッチはリンから奪ったウィンチェスター銃を300ドルでラモントへ売ることに。

 ラモントは先住民に銃を売ろうとするが、先住民はラモントが持っていたウィンチェスター銃に目をつけ彼を殺し銃を奪う。

 リンたちはライカーの店へ到着するが、すでにダッチたちは旅立った後だった。リンたちはダッチたちがウェイコに会うためにタツコサの街へ向かったと聞きすぐに追うことに。

 その頃ウィンチェスター銃を奪った先住民は旅人を襲っていた。その旅人はドッジシティにいた酒場女ローラとその男スティーブだった。スティーブはローラを置き去りにして逃げようとしたが、そばに騎兵隊がいることに気づきローラを連れ騎兵隊のところへ行く。

 リンたちも先住民に追われ、ローラたちがいる騎兵隊に合流する。騎兵隊の隊長は先住民と戦った経験がなかったため、リンがアドバイスをする。翌朝先住民たちは騎兵隊のキャンプを襲ってくるが、リンのアドバイスが効いてなんとか倒すことに成功する。リンたちはタツコサへ向かう。騎兵隊が先住民の落としたウィンチェスター銃を発見、リンに渡そうとするが彼らが旅立ったとだったため、スティーブに手渡す。

 ローラはスティーブとスティーブの知り合いの家へ。そこに保安官たちに追われているウェイコたちがやってくる。ウェイコはスティーブをバカにし撃ち殺してしまう。そしてウィンチェスター銃を奪う。保安官たちが家に火をかけ、ウェイコはローラを人質にして逃げる。

 ウェイコはダッチたちと合流する。ダッチはウェイコがウィンチェスター銃を持っているのを見て、それは自分のものだと奪う。ダッチたちはタツコサの街の銀行を襲う計画を立てていた。ローラはその隠れ家でダッチがリンと一緒に写っている写真を目撃する。

 タツコサの街の酒場でローラはピアノを弾き、そばにウェイコが待っていた。そこへリンたちがやってくる。そしてローラからスティーブがウェイコに殺されたと聞き、ウェイコがダッチの仲間であることを知る。リンはウェイコからダッチの居場所を聞き出そうとするが撃ってきたため射殺する。同時にダッチたちが銀行を襲う。混乱の中、ダッチはローラの腕を撃って山へ逃げて行く。ハイスペードはローラの手当てをするが、その際、リンとダッチが兄弟で、ダッチは父親を殺したと告げる。リンは一人彼を追いかけ、山中で撃ち合いになる。リンはダッチを射殺し街へ戻ってくる。

 

 西部劇には珍しい?銃そのものに焦点を当てた作品。冒頭の射撃大会での優勝賞品だが、ダッチから武器商人ラモントへ、ラモントから先住民へ、先住民からスティーブへ、スティーブからウェイコへ、ウェイコからダッチへ、そして最後にリンの手に戻ってくるという目まぐるしい展開。日本の時代劇では、妖刀と言われる刀が主役となる話があるが、銃が主役となるのは珍しいのではないか。

 銃の展開と並行して、リンの復讐物語が進み、最後は西部劇の定番となる、ヒロインが主人公と結ばれるという安定の展開。尺も約1時間半と短く、話も非常にわかりやすい。

 主役のジェームズスチュアートもカッコ良く、西部劇の傑作の一つではないだろうか。