嵐が丘

●494 嵐が丘 1939

 男性が吹雪の中、「嵐が丘」と呼ばれる屋敷に泊めてもらう。その夜男性は窓からヒースクリフを呼ぶ女性の声を聞く。それを屋敷の主人に話すと主人はキャシーと叫び吹雪の中、家を飛び出して行った。戸惑う男性に屋敷のメイドが過去の出来事を話し出す。

 かつてこの屋敷に住んでいたのはアーンショー。息子ヒンドリーと娘キャシーがいたが、ある日捨て子を連れてきてヒースクリフと名付け、子供達と共に育て始める。ヒンドリーは彼を毛嫌いしたが、キャシーは彼に惹かれ二人は愛し合うようになる。

 しかしアーンショーが亡くなりヒンドリーが主人となると、彼はヒースクリフを馬丁として扱うようになる。それでもキャシーはヒースクリフを愛していた。

 ある時キャシーは隣家リントン家のパーティを見にヒースクリフと隣家に侵入する。番犬に見つかり二人とも怪我をするが、リントン家の息子エドガーはキャシーを見初め手当てをする。ヒースクリフは一人家に戻ることに。

 上流階級の家庭を知ってしまったキャシーはエドガーに惹かれるようになり、ヒースクリフに冷たく当たる。しかし二人の愛は変わらなかった。その後もエドガーと付き合っていたキャシーは求婚され舞い上がる。そのことを知ったヒースクリフは家を出て行くが、キャシーの本当の気持ちはヒースクリフにあった。ヒースクリフを失ったキャシーはエドガーと結婚する。

 幸せに暮らしていたキャシーの元に成功したヒースクリフが戻ってくる。彼はキャシーへの復讐を誓い、エドガーの妹イザベラに近づく。そして二人は結婚する。キャシーは戸惑う。その後キャシーは病気となり余命幾ばくもなくなる。それを知ったヒースクリフはキャシーの元へ行き、二人はお互いの愛を確かめるが、キャシーは亡くなってしまう。

 メイドの話が終わった時、医師が嵐が丘に来る。彼は道中吹雪の中でヒースクリフが女性と一緒だったところを見かけ近寄ると彼が死んでいた、と話す。メイドは女性はキャシーでやっと二人は一緒になれたのだと話す。

 

 有名なタイトルだが、これも今回が初見。何の知識もなく観たが、まるでふた昔前の「昼メロ」を観ているようだった。お互い愛し合っているにもかかわらず、結ばれない、という「昼メロの黄金パターン」(笑

 と思ってwikiを読んだら、この映画の原作をモチーフにした「昼メロ」が実際にあったと知り驚いた。原作ももっとドロドロとした長編であり、この映画ではそれをだいぶ端折っているらしい。

 古典の名作という思い込みがあったが、古典でも意外と内容は現代的なのね、と感じ安心した一本、といったところか。