ピエロがお前を嘲笑う

●539 ピエロがお前を嘲笑う 2014

 男がホテルの部屋に入ると、そこでは3人の男たちが殺されていた。

 その男ベンヤミンは、捜査官リンドベルグにのみ話をすると言い彼女と対面する。ベンヤミンは生い立ちから話し始める。彼は両親を亡くし祖母と暮らし始めるが、ネットの世界にハマり、ハッカーとなっていく。学生時代、バイト中に初恋の相手マリと再会、彼女が試験で困っていることを聞き、試験問題を盗もうとするが警備員に見つかり捕まってしまう。彼は罰として奉仕活動を命じられる。

 活動の場でベンヤミンはマックスと出会う。マックスはベンヤミンを自宅パーティに誘い、そこでシュテファンとパウルを紹介する。彼らはハッカー、共にハッカー界のスーパースターMRXに憧れていた。4人はCLAYと名乗り、ベンヤミンの家を拠点として活動を開始する。団体や企業を相手にハッカーを繰り返し、4人は有名になっていく。

 その頃捜査陣はフレンズというハッカー集団をターゲットに捜査をしていた。マックスは憧れのMRXがCLAYのことを無視していることに苛立つが、ある日MRXからメッセージが届く。そこには捜査陣がCLAYを無害な集団だと論じる書類があり、マックスは怒りを爆発させる。ベンヤミンは連邦情報局への侵入を思いつく。

 侵入は成功、ベンヤミンは一人で情報を盗むことにも成功する。しかしパーティでマックスとマリが仲良くしているのを見たベンヤミンは激怒、一人盗んだ情報をMRXへ送ってしまう。そのことが原因でフレンズの一人が殺され、それがCLAYの仕業だとされてしまう。

 焦った4人はユーロポールへ侵入、MRXに罠を仕掛けるが逆に利用され、正体がバレてしまう。捜査陣が追われるベンヤミンはホテルに戻るが、そこでは3人が殺されていた(冒頭のシーン)。

 ベンヤミンはリンドベルグと司法取引(証人保護プログラム)をし、MRXの正体を暴く罠を仕掛け、見事に成功する。

 リンドベルグベンヤミンのことを調べ始め、彼の母親が多重人格であったことを知る。そしてCLAYの仲間は存在せず、ベンヤミンの単独犯であったことを見抜く。精神障害のためベンヤミンは証人保護プログラムを受けることはできない。しかしリンドベルグは彼を助けるために、彼にハッカーをさせ、プログラムを適用させる。

 ベンヤミンを見送るリンドベルグだったが、最後に彼が取調室で見せた手品のタネを教えてもらう。それを見た彼女は、ベンヤミンのトリックに気づく。ベンヤミンはCLAYの仲間3人とマリとともに船の上にいた。

 

 NHKBSでの「あおり」がスゴかった一本。思わず何の情報もないままに観てしまった。ハッカーの世界とその騙し合い、捜査陣の気づき、どんでん返しの連続、となかなか面白かった。

 とにかく冒頭の30分のテンポの速さがスゴい。取調室の静かな雰囲気からスタートするが、主人公の生い立ちからハッカー仲間との出会い、様々な相手をハッキングするまでが、とにかく目まぐるしい。

 MRXとの戦いになり、話は少し落ち着きを見せるが、ラストもどんでん返しが2度3度を続くため、100分の映画だが観終わったあと、疲れが残る感じ(笑

 ネットでは、先行する同タイプの映画のパクリだと非難されているようだが、私はあいにくその先行作品を観ていないので、純粋に楽しめた。どんでん返しに繋げていくために、途中ツッコミどころが多かった感じもするが、その先行作品はそのあたりも上手く仕上げているらしい。なんだ、それじゃあその作品を観ないとしょうがないじゃないか(笑