鬼平犯科帳 第1シリーズ #02 本所・櫻屋敷

●第1シリーズ #02 本所・櫻屋敷

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 小川や梅吉の犯行は凶悪無残な急ぎ働きの典型だった。鬼平は梅吉の盗人宿を突き止め押し入るが取り逃がしてしまう。その夜機嫌が悪かった鬼平を久栄が料理でもてなす。

 数日後鬼平は梅吉を見たとの情報を得て、本所を酒井とともに見廻る。そこで老人と御家人の喧嘩を見かけ酒井に止めさせる。その老人は相模の彦十で、鬼平の昔馴染みだった。鬼平は彦十に小遣いを渡して別れるが、それを見ていたチンピラがいた。

 その足で本所の桜屋敷に寄った鬼平は旧友の岸井左馬之助と再会する。左馬之介は鬼平と同じ高杉道場の門弟だった。その頃二人は道場でお互いに鍛えあっていたが、隣の桜屋敷にいたおふさに惚れていた。しかし二人ともおふさに抜け駆けはしない約束をし、その間におふさは他家へ嫁に行ってしまったのだった。左馬之介は未だにおふさのことを忘れられないでいた。左馬之介はおふさが離縁したこと、今は服部角之助と一緒になって本所に住んでいると鬼平に話す。

 彦十は服部家の賭場に出入りをした時に、手配書の梅吉を見かけ、鬼平に知らせる。さらにおふさがその屋敷で男と戯れているのを見たことも話す。鬼平は酒井に梅吉の居場所が知れたことを話すが、服部の屋敷を見張るようにだけ言い渡す。そして伊三次におふさのことを調べさせる。おふさは最初の嫁入り先で死産をした上、夫を亡くしてしまい、家からイビリ出されたとのことだった。その後のおふさは酒や男、博打に溺れていってしまっていた。

 彦十はまた服部家の賭場に出入りし、屋敷の内情を探っていた。さらに梅吉たちが次の仕事の打ち合わせをしている部屋に入ってしまう。そこで彦十が鬼平と話をしていたのを目撃していた男にそのことを告げられてしまう。それが本当かどうか確かめるために彦十は拷問にあうが何も話さなかった。ボロボロにされた彦十を見た鬼平は怒りとともに全ての同心を集め服部家へ押し入ることを酒井に命じる。

 そして服部家に押し入り梅吉たちを捕らえ、さらにおふさも捕まえる。そして調べが始まる。梅吉は次の仕事先が呉服問屋大宮だと話し、それを決めたのはおふさだと語る。大宮はおふさの元の嫁ぎ先だった。

 鬼平の屋敷に左馬之助がやって来て、おふさを見逃してやってほしいと頼む。鬼平は調べたことを話すが、左馬之介は受け入れなかった。鬼平はおふさの取り調べに左馬之助を立ち合わせることに。

 おふさの取り調べが始まる。おふさは大宮に復讐することをずっと思い続けてきたと話す。鬼平はおふさの言葉を非難し反省することを求めるが、おふさは何も語らなかった。左馬之助がその場に飛び出すがおふさはやはり何の反応もしないままだった。

 1年後、鬼平は酒井と見回りの最中、桜屋敷に立ち寄る。そこには左馬之助がいたが声もかけずに立ち去るのだった。

 

 初見時の感想はこちら

 約4年ぶりに観たが、やはり鬼平はカッコ良い。第1シリーズが始まったばかりということで、彦十や左馬之助との再会が描かれる。二人とも今後のシリーズで大活躍をする二人である。

 彦十に至っては、最初の密偵としての登場ということもあり、だいぶ危ない橋を渡り、情報を得る。その分拷問にかけられるという痛い目にあうが、今後このようなシーンはなかったように思う。久しぶりに再会した鬼平のために少しでも役に立ちたいという彦十の想いが伝わるシーンだった。

 左馬之助はこの話のメインゲストキャラということになるだろう。若い頃好きだった女性への想いが忘れられないというのは、男性なら誰しもあることだろう。鬼平のセリフからそれが20年前のことだったことがうかがえる。ラストのお裁きのシーンは左馬之助の想いが詰まっていながら残念な展開で終わる。それがこの話の見せ所でもある。

 脇役について言えば、久栄が良い味を出している。冒頭、梅吉を取り逃がし機嫌が悪い鬼平に、料理を出すことと忠吾の名前を出すことで、鬼平の機嫌を取る場面は名場面と言えるだろう。久栄の想いを汲んだ鬼平も良い。忠吾の口上はまぁおまけみたいなものか(笑

 

 以前に書いた鬼平に関するブログは、あらすじがなかったので、修正版として描きなおそうと思った。全シリーズを観た上での第1シリーズの見直し。これはこれでなかなか面白い。