若草物語

●602 若草物語 1994

 ルイーザ・メイ・オルコットによる同名原作の映画化。

 ストーリーは「1949年の作品」とほぼ同じ。1949年版になくて追加されたエピソードは、

 

・次女ジョーは隣家のセオドアを4姉妹で楽しむ劇に参加させる

・三女ベスが病気になるのは同じだが、本作では病気後、隣家ローレンスがピアノをベスのためにプレゼントする

 

 など。ここまでが前半。映画中盤、2時間の映画の1時間経過したあたりで、セオドアがジョーに愛の告白をするが、ジョーはそれを断ってしまう。そしてニューヨークへ。

 

 後半も1949年版と同じ展開だが、四女エイミーとセオドアの恋が丁寧に描かれていたのが、異なる点か。1949年版では、突然この二人が結婚した感じがしたが、本作では二人が恋に落ちる過程が描かれていたため、突然な感じはしなかった。またエイミーがまだ幼い頃、エイミーとセオドアの馬車の中でのエピソードも伏線としてあったため、それも効果的だった。

 もう一つ、ラストのベア教授とジョーとの恋。これも1949年版と同じ。細かい点だが、本作では製本されたものを持ってきた教授が、ジョーが隣家にいると聞かされ訪ねるが、それがジョーが結婚をしたという勘違いを引き起こしていた、という点が追加され、だから教授がジョーに会わずに去ろうとした、と描かれている。エイミーのこともそうだが、このような細かい部分をしっかりと描いているので、話が非常にわかりやすい。もともと有名な原作なので、どのように描いても観客は理解できるのだろうが、原作未読の私にとっては、本作の方が良かった。

 もう一つ私にとって良かったのは、4姉妹の女優さんを誰も知らなかったことか。1949年版にはエリザベステイラーが出演していたので、そちらばかり気になったが。 しかしwikiなどを読むと、本作の4姉妹の女優さんは有名な実力者女優さんばかりらしい。あぁ、まだまだ知らないことが多い(笑