鬼平犯科帳 第1シリーズ #07 明神の次郎吉

●第1シリーズ #07 明神の次郎吉

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 男が一人旅をしている。男の名は明神の次郎吉といい、大盗賊櫛山の武兵衛の右腕と呼ばれていた。信州小田井の宿を通り過ぎた次郎吉は江戸を目指していたが、山中で僧侶が倒れているのを発見。声をかけると病で倒れた僧、宗円は死を覚悟しており、短刀を江戸本所の春慶寺にいる岸井左馬之介に届けて欲しいと頼まれる。

 願い通り短刀を届けた次郎吉は、左馬之助から名前を聞かれ亀五郎と嘘をつく。左馬之助は次郎吉の行いに感謝、五鉄に軍鶏鍋を食べに連れて行く。五鉄の主人、三次郎にも礼を言われ次郎吉は喜び食事や酒をご馳走になる。左馬之介と次郎吉が五鉄を後にする際、偶然おまさが店に来て、次郎吉を目撃する。それが8年前櫛山の武兵衛のところで一緒におつとめをした次郎吉だと気づく。

 おまさは三次郎から次郎吉がした行為を聞き、8年前にも良くしてもらったことから次郎吉のことを鬼平に知らせるかどうか悩み、彦十に相談に行く。彦十もおまさに同情する。左馬之助は短刀を鬼平に見せに行き、短刀をどうしたのものかと尋ねる。左馬之助は宗円との思い出や彼の人生を語る。鬼平は左馬之助が供養してやることが宗円の望みだろうと答える。

 その頃おまさと彦十は次郎吉の後をつけていた。次郎吉は櫛山の武兵衛の盗人宿と思われる家へ入っていく。彦十は役宅へ行き、鬼平に事情を説明する。盗人宿を見張っていたおまさは、家から櫛山の武兵衛が出てくるのを目撃したが、後をつけることができなかった。戻ってきた彦十にそのことを説明したおまさは、櫛山の武兵衛にも世話になったことを告白する。

 鬼平は配下の者に次郎吉のことは告げずにいた。鬼平が伊三次とおまさの3人で役宅で食事をし、次郎吉のことを内密に調べる話をする。それに気づいた忠吾が鬼平が何か隠し事をしていると見抜く。忠吾は伊三次を呼び出し、隠し事はないかと尋ねる。伊三次は鬼平に隠し子がいるのだと嘘をつく。

 彦十たちが見張っていた盗人宿に人が集まってくる。伊三次は鬼平に知らせに行く。鬼平は盗人たちの人数を聞き、その数ならば自分たちだけで十分だと話す。そして一味が盗みに入る後をつけ、店に入るところを捕まる。

 亀五郎(次郎吉)と五鉄で再会する約束をしていた左馬之助は鬼平とともに彼が来るのを待っていたが、亀五郎は姿を見せない。焦れる左馬之助に鬼平は酒の上での約束だから忘れたのだろうと話す。

 役宅で鬼平は久栄と話す。一味の罪は軽く済むだろうと話し、「人は悪いことをしながら良いことをし、良いことをしながら悪事を働く」のセリフを話す。左馬之助は宗円の墓参りに出かけていた。

 

 初見時の感想はこちら。あらすじを追加する修正版。

 ゲストキャラであるガッツ石松が良い味を出している。大盗賊の右腕でありながら人の良い人物を好演。五鉄で食事をする様は本当に気持ち良さそうだった。その親分櫛山の武兵衛も最後に捕らわれた時に潔かった。大盗賊の名に恥じない態度。

 本作でも忠吾はまだコメディリリーフの役割。鬼平密偵たちと何かをしていることに気づいたまでは良かったが、伊三次に隠し子がいると言われあっさりとそれを信じてしまう有様は笑える。

 

 一つ疑問だったのは、上記したように鬼平が次郎吉のことを盗賊改の皆には内緒にしていたこと。最後の捕物も自分一人で行ってしまう。その理由は、鬼平が次郎吉のことをおまさの想いを聞き入れ見逃してやるか何かするのだと思っていたが、あっさりと捕まえ、奉行所に渡してしまう。これはどういうことなんだろう?ラスト久栄との会話で一味の刑は軽いものになりそうなのはわかったが。盗賊改が出張って一味を捕まえると重い罪にしにくかったということなのか?前にも修正版で書いたが、第1シリーズということもあり、様々なパターンのストーリーを見せたかったのかもしれないが。

 

 今回3ヶ月ぶりに鬼平を見直したが、やはり1stシーズンのおまさはビックリするぐらいにキレイ。今回は特に次郎吉や櫛山の武兵衛のことを鬼平に知らせるかどうかで苦悩する姿が描かれたが、本当に悩ましかった。