鬼平犯科帳 第1シリーズ #08 さむらい松五郎

●第1シリーズ #08 さむらい松五郎

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 同心山口平吉は両親の墓参りをした帰り、久栄のために黒飴の土産を買おうとした目黒不動の門前に寄る。そこで男から見知らぬ男から声をかけられる。男は須坂の峰蔵という盗賊で、山口のことを網掛の松五郎ことさむらい松五郎だと勘違いしていた。二人は湯屋谷の富右衛門のもとで一緒に盗みをした仲間だったが、富右衛門は4年前に死亡、仲間は散り散りになっていた。峰蔵はまた会って欲しいと言って山口と別れる。

 山口は鬼平にそのことを報告、鬼平は盗賊改の酒井、小柳を山口(松五郎)の配下の者として峰蔵と会わせることに。

 山口は料理屋伊勢虎で峰蔵と会う。峰蔵は山口に配下の者として欲しいと頼む。今はろくろ首の藤七の手下となっているが、藤七は急ぎ働きしかしない残忍な手口の親方のため嫌気がさしているとのことだった。おまさと伊三次は峰蔵をつけ、茶屋日吉屋に入るのを確認する。知らせを受けた鬼平は日吉屋が藤七一味の盗人宿だと判断、見張りをつけることに。

 日吉屋には一味が集まっていた。そこにいた峰蔵は一味に嫌気がさし、馴染みの女郎おちょうに会いに行く。そこでおちょうに松五郎に会ったことを話すとおちょうは松五郎に会いたいと話す。日吉屋では一味の男が頻繁に外出する峰蔵を怪しんでいたが、藤七の女お兼は、峰蔵は赤尾の清兵衛の紹介だから心配ないと話す。その清兵衛が藤七の元へやってくる。彼はさむらい松五郎が江戸に来ていると報告、紹介したいと話し、藤七も受け入れる。

 山口は峰蔵とまた会い、固めの杯を交わす。喜ぶ峰蔵だったが、山口は藤七が怪しむのではと問う。それは気にすることはないと答える峰蔵だったが、藤七の家に金庫破りの道具を置いたままのため明日取りに行ってくると話す。そしておちょうが松五郎に会いたがっていると話す。山口は配下の者だと小柳を峰蔵に紹介する。

 峰蔵をつけていた酒井は、本物の松五郎が峰蔵に声をかけるのに遭遇、松五郎を捕まえるが、峰蔵は混乱して逃げ出してしまう。鬼平は峰蔵が逃げたことで藤七一味が逃げ出すことを心配し、盗人宿の見張りを強化する。その頃一味は帰ってこない峰蔵が裏切ったと考えていたが、峰蔵はおちょうに会っていた。二人の松五郎に会った峰蔵は混乱していたが、二人に会った時の様子を思い出し、後にあった方が本物だと確信する。

 山口は盗人宿を見張っていたが、峰蔵のことを知るためにおちょうに会いに行く。そこで偽物だと見抜かれるが、峰蔵が帰ったことを知らされる。その頃峰蔵は盗人宿に金庫破りの道具を取りに戻っていたが、鬼平に見つかる。盗賊改方が盗人宿に押し入り一味を捕縛する。

 仕事を終えた山口だったが、自分と瓜二つだった松五郎のことを聞くためにおちょうに会いに行くが、既におちょうはいなくなっていた。

 

 初見時の感想はこちら。あらすじを追加した修正版。

 同心がゲストキャラのパターン。三津五郎(放送時は八十助)がその同心役だが、盗人と瓜二つで、その盗賊の昔の知り合いが見間違えて…という話。盗人の芝居をするため上司や同僚を盗人としての部下にするのだが、それを嫌がるというシーンや、その一人小柳役の若い香川照之が、文句を言うシーンもある。鬼平では珍しい形のコメディシーン。

 見間違える間抜けな盗賊峰蔵役が赤塚真人さん。懐かしい役者さんで今でいう名バイプレーヤーだった人。峰蔵が急ぎ働きを嫌い、昔の親分のやり方を褒める偽物松五郎に心酔したことが、ラストで彼だけが助かる〜鬼平が盗人宿に盗みに入ろうとする彼に声をかける〜理由なのだろう。

 

 初見時にも書いたが、このような話の場合、偽物が本物に見つかり危機に陥る、というのが定番だが、本作ではそんなシーンはなく、あっさりと事件は解決する。平和な話と言えるだろう。

 

 ところで松本幸四郎鬼平となる新シリーズの配役が発表された(こちら)。注目していた忠吾は浅利陽介さん。彦十が火野正平さんなのには驚いたが、おまさが中村ゆりさんなのにはもっと驚いた。深夜ドラマ「今夜はコの字で」で主演をされており、なかなか良いドラマだった。

 そう言えば、配役の中で、柄本時生さんが小野十蔵役であることも発表されている。ファンには馴染みのある「むっつり十蔵」で主役となる同心であり、吉右衛門さんシリーズでは、父の柄本明さんがやっていた役。なかなか粋なことをするなぁ。

 

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