風の谷のナウシカ

●639 風の谷のナウシカ 1984

 火の七日間戦争から1000年、腐海が広がる大地。風の谷のナウシカは蟲に追われていた師であるユパを助け、一緒に谷に帰る。

 その夜、大国トルメキアの輸送船が蟲に襲われ谷に不時着。ナウシカは船に乗っていたペジテのラステルを助けるが彼女は積み荷を燃やしてと言い残し死んでしまう。翌日谷では船から飛び散った胞子の除去作業をする中、船の中にいた謎の生物も発見される。その時トルメキアの司令官クシャナが部下とともに谷にやって来て谷を制圧。ナウシカの父で谷の長であったジルは殺されてしまう。クシャナは谷を支配、ナウシカはユパの言葉に従い、谷を守るために抵抗をやめる。

 クシャナの狙いは船にあった生物、巨神兵だった。巨神兵が巨大で輸送できないと判断したクシャナ巨神兵を谷に残し、ナウシカを連れトルメキアへ戻ることに。帰還の飛行中にその船がペジテの船に襲われ壊滅する。ナウシカガンシップクシャナとともに脱出、仲間の船を救助し腐海に着陸するが、船を襲ったペジテの船の救出に向かう。蟲に襲われていたアスベルとともに腐海の地の奥深くに落ちたナウシカは、そこの水や空気が無害であることを知り、腐海の存在理由を知る。

 二人はペジテに向かうが、街は蟲に襲われ崩壊していた。ペジテ市長と会ったナウシカはペジテが蟲を使ってトルメキア軍を襲ったためだと知る。さらにペジテは風の谷にいるトルメキア軍にも同じ手を使おうとしていることを聞き谷へ向かおうとするが拉致されてしまう。

 谷にクシャナとともにオジが戻ってくる。ユパに事情を報告するが、クシャナは一人逃げ出しトルメキア軍に合流。谷の人々との戦いに備える。ナウシカはペジテ船の中で女性たちに助けられ脱出、メーヴェで谷へ向かう。王蟲が谷へ向かっていることを知ったナウシカはその原因である王蟲の幼虫を助ける。しかし王蟲の暴走は止まらず、クシャナは再生途中だった巨神兵王蟲を迎え撃つが巨神兵は崩れ落ちる。王蟲の集団の前に幼虫とともに降り立ったナウシカも弾き飛ばされるが、そこで王蟲たちの暴走は止まる。傷ついたナウシカ王蟲たちの能力によって再生され、それを知った大ババは伝説を伝える言葉を思い出す。

 

 劇場公開が1984年だったのかと改めて思う。カリオストロに心酔していた自分が楽しみに観に行った作品だったが、当時はまだこの映画の良さが正直よくわからなかったなぁ。

 TVでは数え切れないほど放送されているが、今回本当に久しぶりにしっかりと鑑賞。今見ると、意外と映画の正攻法の手段が使われているのだと実感。テトがユパをナウシカの隠れ部屋に案内するシーンだったり、ユパの存在理由だったり。ユパは伝説の男?だとミスリードされていたり、凄腕の剣士であることを冒頭トルメキア軍が谷を襲った時に見せておいて、ラスト近くに飛行船内での活躍を持ってきたり。

 本作についてはネットや本などで山のように評論されているので改めて語ることは何もないが、完全オリジナルでこのような原作を考えついた宮崎駿監督の凄さだなぁ。アニメとしてみると、カリオストロや後のジブリの中に似たシーンがいくつもあったが、ストーリーは本当に秀逸。これが原作とはまた異なるというのもスゴい。本当に描きたかったストーリー(原作)とは異なるところで一つの物語を作ってしまうのだから。

 

 でもまぁナウシカを観るのはこれで最後かな。