諏訪の神 封印された縄文の血祭り 戸矢学

●諏訪の神 封印された縄文の血祭り 戸矢学

(ネットでの紹介文より)

 御柱祭で知られる諏訪大社は特異な神社である。「諏訪」「御柱」「モレヤ神」「ミシャグジ」「縄文」の5つの視点から、建御名方神の正体や、神体山・守屋山の謎、磐座の本来の意味など、謎に満ちた諏訪信仰を解き明かす。

 

 秋の旅行で諏訪に行こうと考えていて、行ったことのない諏訪大社のことを学ぼうと選んだ一冊。「諏訪とは何か」「御柱とは何か」「モレヤ神とは何か」「ミシャグジとは何か」「縄文とは何か」の5章で構成される。

 

 最初に2章は諏訪大社御柱についての解説や説明で、これまで漠然としか知らなかったことがよくわかった一方で、途中話が脱線気味になることもしばしば。真意がつかめないまま、3章以降を読む。モレヤ神もミシャグジも聞いたこともなかった。これらの説明に入るのだが、ある程度これらに関する知識があること前提で話が進んだため、理解が追いつかない部分も多かった。

 そして最後5章の縄文。ここでこれまで書かれてきたことが繋がり、結局のところ、諏訪大社の存在理由は何なのか?という謎に対する著者の回答が記されている。

 この本の特徴の一つとして、著者のある推測を元にその後の話が展開されていく部分がしばしばあるのだが、これがデジャブ感を味わった。よくよく考えてみるとこの手法は鯨統一郎さんが「邪馬台国はどこですか」で使ったのと同じである。あちらがエンターテイメントだったのに対し、こちらは真面目な学説めいた話であるのが違う点だが。

 そう思って読むと、諏訪大社の存在理由として著者が書いている事柄もすうっと頭に入ってきた。

 

 秋に諏訪大社参りをするのが楽しみになった(笑