イエスタデイ

●649 イエスタデイ 2019

 ジャックはスーパーで働きながら、幼馴染で中学数学の教師であるエリーにマネージャーをしてもらい、歌手を目指していた。エリーが持ってきたフェスへの参加に喜ぶジャックだったが、彼が出演したのは観客もいない小さな小屋での舞台だった。その帰り道、ジャックは歌手になる夢を諦めるとエリーに告げる。エリーと別れて自転車で家に向かったジャックだったが、その時世界中で12秒間の停電が起こり、ジャックはバスにはねられてしまう。

 退院したジャックは友人たちに祝いのパーティを開いてもらい、ギターをプレゼントされる。お返しにとビートルズにイエスタデイを歌うが、誰もその曲を知らなかった。冗談だと思うジャックだったが、家に帰りネットでビートルズのことを検索しても出てこなかった。ジャックはビートルズの曲を歌って、歌手になることを目指す。

 知り合ったギャビンに誘われレコーディングをし、自分の勤めるスーパーでそのCDを無料配布したことがきっかけで地元のTVに出演。それを偶然見ていた歌手のエドに誘われ、ツアーの前座として出演することに。モスクワでのツアーで大成功したジャックは、デブラというマネージャーに誘われ契約を結ぶことに。

 大掛かりなプロモーションを行う一方、ジャックはビートルズの曲の歌詞を思い出すため、ビートルズの故郷に出かけて行く。エリーと久々に再会したジャックは彼女をホテルに誘うが、エリーに交際を迫られ去られてしまう。

 ジャックのデビューが決まり、彼の故郷でコンサートをすることに。コンサートは成功するが、そこへ2人の客が訪ねてくる。彼らはモスクワやビートルズの故郷でジャックを目撃しており、ジャックと同様、ビートルズのことを覚えていた。怒られると思っていたジャックだったが、彼らはこの世界にビートルズの曲をもたらしてくれたジャックに感謝をし、あるメモを渡す。

 そのメモにある住所を訪れたジャックは、ジョンレノンと出会う。彼と話をしたジャックは、本当に自分がするべきことを認識する。ジャックはエドのコンサートに飛び入り参加をし、演奏を終えたあと、真実を語り、エリーへの愛を告白する。

 数年後、ジャックはエリーと結婚、子供をもうけ幸せな生活をしていた。

 

 まさに設定を思いついた時点で勝ち、という典型的な映画。ドラえもんもしもボックスのような世界観(笑 で、この設定が決まれば、あとは結末をどうするのかという点にだけ注目して観ていた。そのため、ラスト近くでジョンレノンが登場した時には、あぁこの手があったのかと驚き、非常に良いオチだと思った。主人公と恋人?とのエピソードも予定調和な感じだが、予想通りだがこれも良い。

 一つだけ不満だったのは、ラスト全てを告白し恋人となった二人が迎えた朝、ハリーポッターってだれ?というセリフの時点で終わりにしなかった点かな。せっかく途中で本編とは関係なく、この世界にはコカコーラもタバコもない、という伏線を張ったのだから、ハリーポッターでオチをつけて終わらせる、という手もあったと思うんだけど。

 映画ではこのあと、数年後の二人の幸せそうな生活をビートルズのナンバーを流しながら描くのだが、ここは冗長だよなぁ。ただ、この映画のテーマがビートルズの曲の素晴らしさを謳うものであろうから、このラストを製作者は作りたかったのかもしれないけど。