ダンディー少佐

●650 ダンディー少佐 1965

 北軍の部隊がアパッチ族チャリバの攻撃を受ける。砦を守るダンディー少佐は隊を組みチャリバ討伐を行おうとするが、砦を守るために討伐に人数を割くことはできなかった。そこで砦にいる市民や南軍捕虜の中から討伐隊を編成することに。

 捕虜の中にはかつてダンディーの同僚だったタイリーンがいた。彼は北軍内で仲間を殺し死刑囚となっており、軍法会議の際ダンディーが有罪側に立ったためダンディーを憎んでいた。しかしタイリーンはチャリバ討伐まで、という条件付きで隊に参加する。

 チャリバたちとの戦い、討伐隊内部での北軍南軍兵の対立などがあるが、タイリーンは南軍捕虜たちを上手くまとめ、戦いを続ける。ある時、チャリバと行動を共にしていたという老人がチャリバたちがさらった子供達共に部隊を訪れ、チャリバはメキシコへ逃げたと話す。老人の言葉を信じない者もいたが、ダンディーはメキシコへ渡ることを決意する。

 長旅で食料などが底をつき始め、部隊は補給のためある村へ。その村はメキシコ軍と戦う少数のフランス軍兵が支配していた。ダンディーフランス軍を制圧、捕虜にする。しかし村はフランス軍やアパッチなどに何度も襲われ食料がなく困窮していた。ダンディーは連れていたラバを食料として提供、村を困窮から救う。村にいたテレサという女性医師とダンディーは知り合う。彼女の美貌にダンディーだけでなくタイリーンも虜になってしまう。

 ダンディーは宴を開き、部隊の隙をついてフランス軍が脱走し本隊に合流することを狙う。本隊が近づいてきたときに逆に本体を襲い、食料や武器を調達するつもりだった。その計画は成功し、部隊はフランス軍をまき安全な地域へ逃げる。久しぶりに休憩を取る部隊だったが、捕虜の一人が脱走をする。脱走兵は捕らえられるが、村にいた女性たちが一緒だった。ダンディーは脱走兵を射殺刑にすると言い出し、タイリーンは反対するが刑は執行される。ダンディーテレサと二人で水浴びをするがそこをチャリバに襲われ負傷してしまう。

 タイリーンはダンディーを治療のため町に向かわせる。ダンディーの傷は重く回復まで時間がかかるが、そこで知り合った女性と恋に落ちてしまう。ダンディーに会いにきたテレサにそれを目撃され彼女は去っていく。ダンディーは自暴自棄になるが、タイリーンはそんな彼を迎えにやってくる。二人は殴り合いをし、ダンディーは隊に戻ることに。

 部隊はチャリバとの決戦に臨む。無事チャリバ討伐に成功し、ダンディーとタイリーンは決着をつけようとするが、部隊にフランス軍が迫っていた。部隊はフランス軍から逃れようと国境を目指すが、国境の川でフランス軍は部隊を待ち受ける。ダンディーたちは一計を案じフランス軍と戦う。途中星条旗を奪われてしまうが、タイリーンが星条旗を奪い返す。しかしタイリーンは撃たれてしまい、そのままフランス軍に突入していく。タイリーンの最期を見たダンディーたちはそのまま川を渡りアメリカに帰還する。

 

 コントのようなタイトルに惹かれ初鑑賞(笑 しかしタイトルの印象とは全く異なりストーリーは硬派の西部劇だった。

 先住民に襲われ討伐隊を組もうとするが、人員不足で敵軍捕虜を部隊として編成するシーンからスタート。殺し合いをしてきた敵軍と一緒に討伐ができるのかと心配になるが、混乱する隊を上手くまとめるのは準主役タイリーンの見せ場。

 しかしここからの展開が不思議な方向へ。部隊は食糧不足を補うためにメキシコの村へ行くのだが、そこでヒロインが登場。主役も準主役もその美貌に惹かれてしまう。西部劇で男2人に女が1人、というのが定番なのはわかるが突発的すぎないか?さらに村を先に占拠していたフランス軍とも戦うハメになり、脱走兵も現れて、なんだか話はとっ散らかっていく(笑

 宿敵チャリバを倒し、さらにフランス軍とも戦い…という終盤。ヒロインとの恋が成立するわけでもなく、フランス軍との戦いの美味しいところも準主役が持って行ってしまう。なんだかなぁ、と思ってwikiを見たら、この映画監督の思うような編集がされていないのね。なるほどねぇ。