ジェシー・ジェイムズの暗殺

●656 ジェシー・ジェイムズの暗殺 2007

 1881年ジェシーは仲間とともに列車強盗を死闘としていた。しかし昔の仲間たちは数少なくなっており、その時々で仲間を増やしていた。19歳のボブもそんな一人で、幼い頃からジェシーの小説を読み彼のファンだった。強盗は成功し一味は逃げる。ジェシーの兄フランクはこれが最後の仕事だと考えており、一味は解散することに。

 それでもジェシーはボブだけは自分の手元に置き家族とともに過ごさせる。他の仲間たちはバラバラになりつつも一緒に行動する者たちもいた。彼らの中にはジェシー抜きでの仕事を考えているものもおり、一味の統率が取れているわけではなかった。ジェシー自身も追っ手を恐れており、家族を連れて引越しを繰り返す一方で、列車強盗の仲間4人が捕まる。

 そんな中、仲間の中でイザコザがあり、ボブは仲間の一人ウッドを射殺する。ジェシーは仲間の元を次々と訪れる。ジェシーは仲間が自分のことを裏切っているのではと猜疑心を持ち始めていた。ジェシーがボブの家を訪れる。ウッドのこともありボブはジェシーの前で緊張して不自然な行動をとる。ジェシーはボブの兄チャーリーに仲間を一人射殺したことを告げる。ボブは警察にタレこみ仲間を売る。ボブの態度は認められ知事にも会うことに。そこで知事はジェシーから脅迫状が届いていることを告げ、ジェシー逮捕に全力を挙げると話す。

 ボブは食料品店で働き始める。そこへ保安官がきてジェシー逮捕について話す。ジェシーは新たな銀行強盗の話をチャーリーに持ちかけ、ボブも仲間にすることに。さらにジェシーはボブにプレゼントとして拳銃を送る。しかしジェシーは新聞を読み、仲間が逮捕され自白をしたという記事を読み、その時にはボブがその仲間と一緒だったはずだと気づく。ボブはジェシーから送られた拳銃で彼を射殺する。

 ジェシー死亡は大きなニュースとなり、彼の遺体は見世物にまでなる始末だった。1年後、ボブとチャーリーはNYでジェシー暗殺の舞台劇の役者として活躍していた。しかし舞台でボブは観客から卑怯者と言われてしまう。チャーリーはジェシー殺しの一端を担ったことから批判を受け、それを苦に自殺してしまう。ボブは酒場を経営し裕福な生活を送っていたが、ボブ殺しに怒るエドワードに射殺されてしまう。

 

 「無法の王者ジェシイ・ジェイムス」を観たついでに同じジェシージェイムズを扱った本作を鑑賞。「無法の王者〜」からちょうど50年後の作品なのね、これ。

 これで都合4本のジェシーものを観たことになるが、本作はその決定版と言えるような作品に仕上げたかったんだろうと思われる。ジェシーの最後の列車強盗から射殺されるまでの短い期間を舞台にしており、強盗を引退?したにも関わらず、仲間をも信じられなくなっていくジェシーの姿と、結果的に彼を射殺せざるを得なくなったボブの二人の心情の変化を鋭く描いている。

 本人の思いとは別に勝手に英雄視されていくジェシー、それをそのまま信じて仲間になろうとするボブ、二人は行動をともにし始めるが引退をしたことで逆に仲間から売られてしまうことを恐れ始めるジェシージェシーへの憧れを持ちつつその変化についていけなくなったボブ。この二人の緊張感ある会話や行動がスリリング。

 映画としては160分はちょっと長かったように思うのと、仲間たちの中のイザコザが描かれる場面で、誰が誰だかよくわからなかったことがちょっと不満かな。

 それでもここまでで観た3本のような、実際にあったであろうエピソードを繋ぎ合わせたような伝記的映画よりは全然面白かったけど。射殺から1年後のボブの生活が描かれていたのは新鮮。これは実際にあったことなのかな?ボブのwikiは英語版しかなくて、射殺されたのは本当のようだけど、舞台劇も本当のことなのかしら。誰か日本語版を作って(笑