アイ・アム・サム

●665 アイ・アム・サム 2001

 知的障害者であるサムはスタバで働いており、そんなサムに子供ができる。しかし母親である女性は子供を産んですぐサムの元から消えてしまう。彼女はホームレスで子供を産むことを望んでいなかったのだった。同じ知的障害を持つ友人たちや向かいのアパートに住む引きこもりの女性アニーの助けを借りながらサムは一人で娘ルーシーを育て始める。

 しかしサムの知能は7歳程度であり、成長とともにルーシーがサムの知能を超え始める。ルーシーはサムの能力を超えないように勉強することを拒む。サムは店で売春婦の誘いに乗ってしまい逮捕される。

 ルーシーの7歳の誕生日、家でパーティを開くために友人やルーシーの友達を呼び準備をするが、些細なことがきっかけで、サムがルーシーを育てる能力がないと児童福祉局が判断し、ルーシーは保護施設に入れられることに。

 裁判になるため、サムは有名な弁護士リタの元を訪れ弁護を依頼する。リタはサムに適切な人を紹介すると話しサムの依頼を断ろうとするが、サムは言葉を信じ何度かリタに会いに行く。リタは友人たちの目を気にし無償でサムの弁護を引き受けることに。

 リタはルーシーを取り戻すためにサムのための証言者を集めたり、サムに裁判で討論の受け答えを教えたりする一方、裁判でも相手の証言者を言い負かすなどするが、圧倒的に不利な状況のため、裁判に負けてしまう。ルーシーは里親の元で一緒に暮らすことに。

 リタはまだ負けていないとサムに話し、ルーシーを取り戻すために奔走する。サムは里親ランディの家のそばに引っ越し、新たな仕事を始める。ある日サムはルーシーとランディと会い、近所に引っ越してきたことを告げる。ルーシーは喜ぶが、里親であるランディは嫌な顔をする。それでも夜中、ルーシーは一人で家を出てサムの家を訪れる。そうしたことが何度も続き、サムは寝てしまったルーシーをランディの家へと連れて行く。ランディは夜中に家を出ようとするルーシーに声をかける。そしてルーシーが本当に父親のことを愛しているのに気づく。

 サムはルーシーと一緒に暮らすことができるようになり、幸せな時を過ごす。

 

 

 「愛は静けさの中に」に続き障害者を扱った本作を鑑賞。「愛は〜」も傑作だと思ったが、本作はそれ以上だった。

 主人公の二人、ショーンとダコタの演技がスゴ過ぎる。ショーンは本当に知的障害者のようだし、ダコタの障害者の父を見る目は、本当にそんな立場の少女のよう。

 ストーリーは主人公二人の綾子愛を描きつつ、弁護士を引き受けたリタの息子との親子関係も描いている。リタがサムの弁護をしながら家族との関係を省みるという展開だが、リタと息子とのこの先に関するエピソードがもう少し欲しかったかも。ただ、全てが上手く行くハッピーエンドすぎるのも興ざめになるので、本作のラストぐらいがちょうど良いのかもしれない。そういう意味では、ラストで里親ランディがサムに声をかけその後の裁判シーンなしで、サムとルーシーが楽しくサッカーをする様子を描いて終わったのは大正解かも。

 

 それにしてもダコタの可愛さは尋常ではない。「マイボディガード」で観た時も驚いたが、あちらが10歳の時の作品なのに対し、本作は7歳の時。可愛さだけではなく、父親の知的障害を哀れみと悲しみの目で見るシーンは圧巻だった。いやぁスゴい子役。大人になった彼女をぜひ観てみたいものだ。