刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #19 乱暴する男は許さない

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #19 乱暴する男は許さない

 

あらすじ

 スタハチはFBIとの共同でドムバリスを逮捕しようとしていたが、現場に現れたジョージョーが女性を強姦しようとするのを見て彼を逮捕する。FBIは怒るが、ジョージョーがドムバリス逮捕に協力すると言ったため、彼を釈放してしまう。スタハチはFBIに激怒するが、彼らは聞く耳を持たなかった。その後、ジョージョーは案の定女性を殺害する事件を起こす。ジョージョーの件で証人となることを受け入れてくれたリンダの身を心配したスタハチは彼女の家へ向かうが、彼女の家でジョージョーが殺されているのが発見される。

 

ストーリー

 ブルックス製薬で事件を起こすとの情報を得て、スタハチはFBIとともに張り込みをしていた。そこへ1台の車が現れる。中から降りてきたうちの一人はジョージョーというチンピラだった。ジョージョーは会社に入り込み、ドムバリスに電話をする。ドムバリスはFBIが狙っている犯罪者だった。電話を受けたドムバリスは会社へ急行する。

 しかしジョージョーが秘書を襲うところを目撃したスタハチはFBIの制止も聞かず秘書を助けるために会社へ乗り込み、秘書を助けジョージョーを逮捕する。しかしそれに気づいたドムバリスは逃げてしまう。

 FBIは警察に乗り込んできて、スタハチの行為を非難する。しかしドビー主任はスタハチの行動は間違っていないと話し、文句があるなら上へ言えとFBIを叱責する。FBIが去った後、スタさんはオヤジさんを褒めるが、主任は苦情は多くきている、しかしお前たちを信頼しているからだ、必ずジョージョーをぶち込めとスタハチに話す。

 スタハチはジョージョーに襲われた秘書と話すが、彼女は証言を拒否する。襲われたことという恥をさらずのは嫌だし、仮にジョージョーが捕まって刑務所に入ったとしても何年か後に出所したときにジョージョーが復讐にくるだろう、そんな自分を警察は守ってくれるのかというのが、彼女の言い分だった。

 スタハチは裁判で証言をしてくれる被害者を探す。そしてリンダという画家に話を聞きに行き、証言をしてくれる約束を取り付ける。リンダは被害にあったあと、自己防衛のために空手を習っていた。

 その頃警察に捕まっているジョージョーにFBIが面会に来る。ジョージョーがドムバリスの逮捕に協力するので、スタハチがジョージョーを起訴をする前に出してくれという要求だった。FBIはそれを受け入れる。

 スタハチが街を流している時にジョージョーを見かけ捕まえるが、警察に戻るとFBIが待っており、ジョージョーを釈放したとスタハチに伝える。スタハチはジョージョーが危険な人物だと訴えるが、FBIは24時間監視をつけると答え、これ以上ジョージョーに構うならスタハチがジョージョーに近づけないように手続きをとると脅す。

 スタハチは事情を説明しにリンダに会いに行くが、リンダは既にジョージョーからの電話を受け彼が釈放されたことを知っていた。

 ドムバリスの愛人が釈放され、彼のアジトへ。しかしドムバリスが若い愛人と一緒にいるのを見て激怒する。そして明日までに若い愛人を追い出すように言って去って行く。そこへジョージョーがやってきて、新しい仕事が欲しいとドムバリスに話す。ドムバリスの手下たちはジョージョーが早くに釈放されたことを怪しむが、ジョージョーは女たちが証言しなかったからだと答える。ドムバリスは仕事を用意しておくので明日来いとジョージョーに話す。彼は喜んで帰って行くが、ドムバリスはジョージョーがヤバいと考えていた。

 スタハチはジョージョーを捕まえ、スタさん常連の店へ。そしてジョージョーにリンダには手を出すなと脅す。そこへFBIがやってきてスタハチを非難、ジョージョーにドムバリスの元へ帰れと話す。

 ジョージョーはドムバリスの元へ。そこでリンダを殺る前に一人殺して欲しいと命じられジョージョーは受け入れる。手下たちに連れて行かれたジョージョーは、ドムバリスの愛人の住む家へ。そこで彼女を殺す。

 パトロール中のスタさんは、製薬会社に乗り付けたジョージョーたちが乗っていた車をどこかで見たことを思い出すが、それがどこかは思い出せずにいた。そこへ連絡が入り、殺人事件があったと知らせが入る。それはドムバリスの愛人宅で彼女がジョージョーの手口であるスプレーをかけて殺されていた。そこへFBIもやって来る。スタハチはFBIのやり方を非難するが、FBIはジョージョーでないかもしれないと話すので、ハッチはスプレーが彼のやり口だと答える。

 スタハチはジョージョーを指名手配する。そしてリンダに電話をするが、彼女は出なかった。夜になってもリンダと連絡がつかないため、スタハチは彼女の家へ。警察がきており胸騒ぎを覚えるが、部屋で殺されていたのはジョージョーだった。FBIも来ており、首を折られたジョージョーを見て、リンダが彼を殺したと話す。スタハチはリンダを事情聴取するが、彼女は海岸を散歩していたためアリバイがなかった。リンダは裁判の証言をすると言ったのに、いつの間にか殺人犯にされていることを嘆く。

 スタハチは部屋へ戻る。そこで殺されたドムバリスの愛人、エレーヌについてドビー主任から情報を得るが、わかったのはテディバーという店で撮った写真だけだった。しかしその店は4年前に潰れていた。スタハチはヒョロ松を頼ることに。

 怪しい十字架を売っていたヒョロ松にスタハチはエレーヌの写真を見せる。ヒョロ松は彼女が4、5年前はポルノ映画女優だったこと、その頃一緒にいた男と男が乗っていた車の特徴を話す。それを聞いたスタさんは、その車が製薬会社強盗に使われた車であり、その車を叔父の知り合いの店で見たことを思い出す。

 スタハチはスタさんの叔父の知り合いの車の修理屋へ。そこで働くアールからジョージョーたちが乗っていた車のことを聞く。車の持ち主はサルコですぐそばに住んでいると聞く。スタハチはサルコの家へ。サルコとデキシーを捕まえ、ドムバリスの命令でジョージョーを殺したこと、エレーヌを殺したのはジョージョーだと聞き出す。

 ドムバリスの住処も聞き出しスタハチはそこへ向かう。ドムバリスも銃で抵抗するが、スタハチは彼を捕まえる。

 例の修理屋を訪れたスタハチ。スタさんはアールの改造車を褒め称えるが、ハッチは改造車をバカにして、もっと派手な車はないかと話す。スタハチはハッチの車で帰ろうとするが、故障をして走り出さなくなる。そしてハッチはそのポンコツいくらだってとアールに尋ねる。

 

今回の登場人物

ブルックス製薬の秘書、この後ジョージョーに襲われてしまう

ブルックス製薬に現れたジョージョー

ジョージョーとともに製薬会社を襲った犯人 右は運転手

ジョージョーの電話に出るドムバリス

スタハチとともに捜査に当たったFBI

ジョージョーの事件の証言に協力すると言ったリンダ

ドムバリスの愛人エレーヌ

ドムバリスと若い愛人

ドムバリスのアジトにいた手下 デキシー(左)とサルコ(右)

スタさん行きつけの店の女主人

エレーヌ殺害現場にいたスタハチの同僚フレッド?(右に立っている)

スタさんの叔父の知り合いの車の修理屋アール

 

今回の捜査

ブルックス製薬

FBIとの捜査協力で見張りをするスタハチ

 

同じ現場にいるFBIとやってきた犯人たちの車

秘書を襲うジョージョー (スプレーをかけている)

ジョージョーが乱暴をしているのを見て、飛び出すスタハチ

スタハチがジョージョーを捕まえ、秘書を助ける

FBIが警察に怒鳴り込んで来て、スタハチやドビー主任に文句を言う

FBIに反論するドビー主任

秘書に証言をしてもらうように頼むスタハチ

スタハチは証言者となってくれるようにリンダに頼みに行く

ジョージョーに面会に行き、取引をするFBI

捕まえたはずのジョージョーが街を歩いているのを見て、スタハチが捕まえる

FBIからジョージョーを釈放したことを聞くスタハチは文句を言う

ジョージョーが釈放されたことをリンダに告げに行くが…

ドムバリスのアジト

釈放されドムバリスに仕事をもらいに来たジョージョー

スタハチはジョージョーを拉致して、スタさん行きつけの店へ連れて行く

ジョージョーはドムバリスに命じられ、エレーヌを殺しに

連絡を受け、エレーヌの部屋で死体を確認するハッチ

エレーヌが殺されたことを確認するFBI

なぜか殺人容疑をかけられてしまうリンダ

ドビー主任からの情報でヒョロ松に会いに行く

ヒョロ末の情報から車のあった場所を思い出すスタさんは、修理屋へ

スタさんの叔父の知り合いの修理屋でアールから話を聞く

犯人たちの使った車がある家へ向かうスタハチ

ピザ屋に化けて、犯人たちをおびき出すスタさん

サルコとデキシーを捕まえ、全てを白状させる

ドムバリスのアジトへ乗り込み、銃撃戦のうえ彼を捕まえる

 

今回のハッチの車騒動

 スタハチがジョージョーの事件での証言者となってくれる被害者を探しリンダの店に行きシーン。

 ここで視聴者は違和感を覚えるハズ。スタハチが乗っている車がいつもの「赤い稲妻」ではなく、ボロ車だからだ(笑 これがハッチの愛車。

 その後、せっかく逮捕したジョージョーが街中を歩いているのを見つける直前のシーンがこちら。

 同じくハッチの車に乗る二人。珍しく助手席にいるスタさんに注目。何だかわからない木製の車輪?のようなものを持っているが、これがハッチの車に積載されていたらしい。

 さらに、ジョージョーがFBIにより釈放されたことを知ったスタハチは、ジョージョーを探し出して拉致する(その後スタさん行きつけの店へ連れて行く)のだが、その際のシーンがこちら。

 これまた、なぜかスタさんが赤いヘルメットをかぶっているが、これもハッチの車に積載されていたものらしい。

 さらに、スタさんが叔父の知り合いの修理屋で犯人たちの車を目撃したことを思い出し修理屋へ向かったシーン。

 今度はスタさんがハッチの車から、棒のようなものを取り出し捨てようとするのを、ハッチが「それはいるんだよ」と止めている(笑

 ハッチの車には一体どれだけのくだらないモノが積まれているのか(笑

 

今回のスタさんの行きつけの店

 FBIにより釈放されたジョージョーが早速リンダに連絡をして来たと聞いて、スタハチはジョージョーを拉致して、スタさん行きつけの店へ連れて行く。ジョージョーを脅してリンダに手を出させないようにするためなのだが、とりあえず店に入った二人は注文をしようとするのだが、ハッチは女主人に軽くあしらわれてしまう。

女主人(以下「女」):(スタさんに向かって)おや、マイクハマーのお出ましだね。今日は何?

スタさん(以下「ス」):ヨォこんちわ。もち有名なミートローフさ。

女:(ハッチに向かって)アンタは?

ハッチ(以下「ハ」):あぁ俺はそうだなぁ、アップルパイにコーヒーだ

女:チッ。本気で言ってるの?そりゃ一番マズいんだよ。

ハ:それじゃ、ブルーベリーパイで。

女:ブルーベリーパイなんてウチにあるわけないじゃないのさ。

ハ:ピーチ。

女:レモンパイにしな。本日のおすすめ品はレモンパイなんだ。コーヒーはお子様向けには作ってない。ミルク持ってくるからさ。子供のくせに何よ。

 

圧倒されるハッチを見て微笑むスタさん(笑

そして運ばれて来たレモンパイを一口食べたハッチ

 

今回のスタさんの災難

 裁判の証言者になってもらおうとリンダの家に行ったスタハチ。絵を描いていて気がつかないリンダにスタさんが触れようとすると…

ソファに投げ飛ばされてしまう。こういう役割はなぜかいつもスタさんなのだった(笑

 

今回のスタハチの怒り爆発

 FBIにより釈放されたジョージョーがエレーヌを殺害するという事件が起きる。現場に駆けつけたスタハチはそこにいたFBIに対し怒りを爆発させる。

 ハッチが怒りつつ問い詰めるが、FBIは自分たちの非を認めようとしない。そこへスタさんが冷静に語りかける。

 あまり見ることのない、スタさんの厳しい視線。

 

 

今回のドビー主任

 冒頭のブルックス製薬での一件があり、FBIが警察に乗り込んで来て、スタハチを罵倒する。さらにドビー主任にも二人を罰するように言い、それにドビー主任が怒る。

 

FBI:主任、アンタの責任で然るべき処置を取ってもらいたい。この二人はFBIへの協力を拒んで、目先の犯罪にとらわれ計画を妨害した。コイツらのバカげた行為によって…

ドビー主任:彼らのしたことは間違っておらん。ジョージョーは凶悪な犯罪者だ。そいつを逮捕してどこが悪い。当然の任務だ。訴えるのならそれでも結構。デカいツラをしてウチへ入って来て俺の大事な部下をけなすのはヤメろ。文句は上へ言え。

 

このドビー主任の言葉を聞いたスタさんが喜ぶ。

スタさん:オヤジさん、やるねぇ。スカッとした。

しかし、ドビー主任はスタハチへ忠告する。

ドビー主任:勘違いするなよ。オマエらには市長や市会議員から抗議の電話がジャンジャン来てるんだぞ。FBIが手を回したんだ。しかしワシは上司としてオマエらを信頼しているんだ。だからジョージョーを有罪にして必ずブチ込め!

 

 オヤジさん一番の見せ場。最高の上司(笑

 

今回のヒョロ松

 ラスト近く、殺されたエレーヌのことを聞きにスタハチがヒョロ松の元へ。今回のヒョロ松は道端で夜でも光る十字架を売っていた。

しかし足を止めた客も皆去っていってしまうのだった。

 

今回のオチ

 事件が解決し、スタハチは世話になった車の修理屋へ。そこで名人アールの改造車を見る。スタさんはそれを芸術だとベタ褒めするが、ハッチは下品だとけなす。そしてスタハチは去っていこうとハッチの車に乗るのだが、車が故障してしまう。

ハッチはボンネットを開けるが、後ろのトランクまで開いてしまう始末。修理を諦めたハッチは、見守っていたアールに一言。

ハッチ:ヒゲのじいさん、そのポンコツいくらなら売るって?

 

 ちなみにこの名人アールさん。スタさんの愛車「トリノ」を何度も「トマト」と呼び間違えるというギャグもあったことを記録しておこう(笑

 

今回のまとめ

 50年近く前に作られた本作だが、扱っているのは今日本で話題となっている性犯罪。その被害者が裁判で証言することを拒否するという展開であり、今も昔もこの犯罪の立証は難しいことを感じさせる。

 しかもその性犯罪者をFBIが大物を捕らえるためにスタハチに内緒で釈放してしまうというとんでもない展開。アメリカは昔から司法取引があるというのは映画などで知っているので、こんなこともあるかと思ってしまう。

 

 ハッチの愛車が登場することで少しだけ違和感を感じる話だったが、車が事件解決の糸口となったラストを見ると、あぁこのためのハッチの車だったのかと思ってしまう。

 

 前作18話で話が雑だと書いたが、本作は冒頭のFBIとの協力捜査から、意外な展開を見せつつ、最後は大物を捕らえるというよく出来た話だったと思う。

 

 

訃報

 実は前作第18話のブログを書いたのが、2022年9月。1年半近くも空いてしまった。いくつかあるこのブログの中でも、スタハチのブログは書くのに非常に時間がかかるので書くのが億劫になってしまい、こんなにも時間が空いてしまった。

 

 しかし今月(2024年2月)、ある人の訃報のニュースをネットでチェックしていると偶然にデビットソウルさんの訃報を知った。亡くなったのは今年1月4日。享年80歳。その後デビットソウルさんのことをいろいろと調べているうちに、スタさん役のポールマイケルグレイザーさんとずっと仲が良かったことがわかり嬉しかった。

 

 これまでも好きな有名人の訃報は数多く見てきたが、子供の頃に本当に好きだった方の訃報は本当にツラい。中学高校時代、週に一度スタハチを見ることがどれだけ楽しみだったか。「バディもの」という言葉すらなかった時代だが、二人のコンビがどれだけカッコよかったか。仲の良い友人とスタハチの真似事をどれだけしたか。

 

 ということで感謝の意味も込めて、1年半ぶりにスタハチのブログを書くことに。

 それでも第1シリーズあと3話しか残っていないんだよなぁ。第2シリーズ以降も吹き替え版を出してくれないかなぁ。