嘘だらけの日本古代史 倉山満

●嘘だらけの日本古代史 倉山満

 これもAmazonのお勧めで紹介された1冊。図書館で探してみたのだが。

 

 図書館HPでの紹介文に

 

 教科書に騙されている! 最初の女性天皇推古天皇、「魏志倭人伝」は真実、聖徳太子はいなかった、「大化の改新」はなかった、聖武天皇は偉人、古代史の中心は藤原氏…。日本の神話から平安時代までの歴史の噓を暴く! 

 

 とあり、中でも『聖徳太子はいなかった』のフレーズに惹かれたので読んでみることに。というのも、『聖徳太子はいなかった』は鯨統一郎氏の小説「邪馬台国はどこですか」の中で唱えられている珍説であり、あの本を読んだ時の面白さが体験できると思ったので。

 

 しかし本作はもちろん小説などではなく、天皇皇位継承を中心に古代史を語る内容でした(笑 さらに言えば、本作は図書館の紹介文に記載されている内容を「嘘」だと論じているわけで、私の期待とは真逆だったというオチ(笑

 それでも正直これまで天皇皇位継承などまともに理解しようとしたことはなく、興味だけで古事記に関する本を何冊か読んだ経験しかなかったので、なかなか勉強になった。

 内容も歴代の天皇の名前がづらづらと並べられるだけではなく、それぞれの天皇の継承にどんな背景があったかを丁寧に説明していてわかりやすかった。話の初めが古事記に書かれた時代だったのも、それらの関連本を読んでいる自分にはありがたかったかも。

 

 途中、今の歴史学者女系天皇を押す学者を揶揄する文章などが多く、これまた偶然だが、今並行して読んでいる井沢元彦氏の逆説の日本史第1巻と主張が同じであり、興味深い。

 

 この分野は初めて読んだこともあり、本作は奈良時代までで終わっていることもあり、著者の続きの作品も読んでみたいと思わさせてくれた。とりあえずは、井沢氏の続きを読むことと鯨統一郎氏の本の読む返しをしてみようかしら。