刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #21 24時間の命つきるとも

●刑事スタスキー&ハッチ 第1シリーズ #21 24時間の命つきるとも

 

あらすじ

 スタさんが自宅で就寝時、何者かに毒物を注射されてしまう。あと24時間の命だと言われたスタさんは病院から抜け出て犯人を探す。ドビー主任などの協力で容疑者を3人に絞り1人ずつ調べるが3人ともシロだと判明してしまう。しかし薬局の従業員からの証言でそのうち1人が疑わしいことがわかりハッチは犯人を追い詰めるが…。

 

ストーリー

 スタスキーの家。スタさんがベッドでうなされている。その傍らにストッキングを被った男が注射器を持って立っており、スタさんに注射し、お前はあと24時間の命だと語り去って行く。スタさんは意識朦朧とする中、なんとかハッチに電話する。

 ハッチは救急車でスタさんを病院へ。スタさんは集中治療室に運ばれる。ハッチは医者からスタさんが助からない、親族に連絡するように言われる。スタさんも状況を理解していた。ハッチはスタさんに事情を聞く。スタさんは何か飲まされタコと、犯人は知っている野郎だと話す。医者は24時間の命だが、複数の毒物が検出されているため、毒物が特定できないと解毒剤を調合できないと話す。スタさんは自分で犯人を探すと言い出し、夜10時までに戻ってくると話し病院を出て行く。

 二人は捜査を始める。ハッチは科捜研のチャーリーにスタハチコンビが過去5年間に関わった資料をデスクに届けるように依頼する。街でヒョロ松を見かけたため、スタさんを狙っているヤツの情報を集めてもらうことに。

 二人は警察でチャーリーが集めた資料を確認する。ドビー主任から犯人の特徴を聞かれたスタさんは年恰好を告げる。主任はその情報をコンピュータにかけ犯人を絞り込むことに。そこへ医局のチェリルがやってきて、ハッチにスタさんの毒物に関する情報を教える。ハッチはチェリルの父親にも協力をして欲しいと話すが、チェリルは父親とは連絡が取れないと答え、いざとなれば家に行ってみると答える。主任が犯人を3人に絞る。

 スタハチは3人の容疑者を調べ始める。1人目の容疑者ベラミーを訪ねるが、彼は足にギブスをつけており、妻の話で先月からその状態だとわかり、二人はベラミーではないと判断し、主任に連絡。主任から次の容疑者であるマルティーニジョナスの昔の女スイートアリスの住所を知っているなと聞かれた二人はアリスの家へ、娼婦であるアリスからジョナスがやっている会社の住所を聞き出す。用心棒二人を倒した二人だったが、スタさんの体調が突然おかしくなりハッチが支える。二人はスタジオに乗り込み、ジョナスを脅して笑わせる。スタさんはそれが犯人の笑い声とは違うと判断しスタジオを出る。スタさんに残された時間はあと12時間だった。

 スタハチは医局へ戻る。チェリルが痛み止めを処方をしていた。落ち込むスタさんにハッチはあと7時間もあるんだと励ます。頼りにしているチェリルの父親は教授会に出ておりまだ会えていなかった。スタハチは警察へ戻るが主任から3人目の容疑者ウエデルが4日前に死んでいると告げられる。打つ手がなくなった二人。そこへ毒物を入手したと思われる薬局で働く女性がやってきて、写真を見るように言われてきたと話す。ハッチは容疑者たちの写真を見せるが、女性はベラミーの写真を見て見たことがある、ギブスを作る材料を買っていったと話す。スタハチはベラミーの元へ急行する。

 ベラミーの部屋。彼はギブスを外していた。スタハチが来たことに気づいた彼はどこかへ電話し、ズラかるから金をくれと話し屋上へ逃げる。ハッチはベラミーの女から彼が逃げたことを聞きスタさんを置いて屋上へ。スタさんは女からベラミーが銃を持っていったと聞きハッチを追う。ベラミーは自分を殺せばスタさんも死ぬと言い強気にハッチを撃ち始める。そこへ駆けつけたスタさんがベラミーを射殺する。

 スタハチは病院へ。スタさんが危険な状態になる。医者は予告通りならあと2時間だと話す。ハッチはスタさんに出かけると話し、スタさんは治療室へ運ばれる。ドビー主任をやってくる。ハッチは何か見逃していることがあると話し、ベラミーに毒物が使えるはずがない、誰かに雇われたんだと気づき、ベラミーの女のところへ。何も知らないと話し女を問い詰め、年配で大学に関係のある男だと聞いたハッチは、犯人が誰か確信する。

 その頃チェリルは父親の家へ。2時半に訪ねてきた娘を不審に思う父親だったが、チェリルはどうしても話がしたいと答える。チェリルには弟ジェリーがおり大学で麻薬を売っていたのをチェリルが通報したためジェリーが死んだと父親は考えていた。そこへハッチがやってくる。ベラミーはジェリーに麻薬を売った売人だと話し、ハッチは父親が出所したばかりのベラミーを雇って復讐をしたこと、ハッチも殺すためにここには毒物がまだ残っているはずだと話す。父親は報告書を読みスタハチがジェリーを殺したからだと話すが、ハッチはジェリーは麻薬中毒だったためなだめて連れて帰ろうとしたが、彼はハッチの銃を奪い銃が暴発したと答える。父親は毒物が入った注射器を取り出すが、ハッチがそれを奪い取り、病院へ。毒物が判明したためスタさんは助かる。

 警察。エレベータからご機嫌でスタさんが降りてきて廊下を歩く。そして部屋の前で弱ったフリをして部屋へ入る。ハッチやドビー主任はまだ仕事するには早い、家に帰って休めとスタさんをなだめる。それでも仕事をしようとするスタさんに主任は2週間の休暇だと命令する。そこへ電話がなり主任が出る。電話は旅行代理店に務めるヒョロ松からで、カリブ海2週間の旅行の予約が取れたとスタさんに伝えてくれと話す。ハッチも電話を聞き、スタさんが薬を飲むために組んだ水をスタさんに浴びせかける。

 

今回の登場人物

スタさんを毒物を打った犯人(最後にベラミーだと判明する)

スタさんを診察した医師(フランクリン)

科捜研のチャーリー

医局のチェリル

1人目の容疑者ベラミー

ベラミーの女

2人目の容疑者ジョナスの昔の女アリス

2人目の容疑者ジョナスの会社の用心棒

2人目の容疑者ジョナス

3人目の容疑者ウエデル

容疑者の写真を見に来た薬局で働く女性

チェリルの父親(ジェリング)

 

今回の捜査

スタさんの家

スタさんが寝ているところへ賊が侵入、注射されてしまう

ハッチに付き添われ、スタさんは病院へ

集中治療室へ運び込まれるスタさん

ハッチは医者から、スタさんがあと24時間の命だと告げられる

 

スタさんは病院で大人しくしていることを拒否、自ら捜査に乗り出すことに

スタハチはヒョロ松に警官殺しの情報を仕入れることを依頼

ハッチは、医局のチェリルから解毒剤についての情報を聞く

ドビー主任の提案でコンピュータで容疑者3人に絞り込む

1人目の容疑者ベラミーの家

スタハチが部屋へ乗り込むが、ベラミーは足にギプスをしている状態だった

スタハチは2人目の容疑者ジョナスの昔の女アリスの家へ

ハッチは外の窓から、スタさんは玄関の扉で待機する

アリスは娼婦、客が慌てて飛び出してくる

アリスの部屋 スタさんは汗がヒドい状態に

ジョナスの仕事場 ポルノ映画撮影中

仕事場には用心棒が二人

スタハチは仕事場へ乗り込む

ジョナスを脅して笑わせるが、犯人の笑い声とは違った

スタハチは警察へ戻理、3人目の容疑者が死んでいると主任から聞かされる

打つ手のなくなったスタハチ、そこへ薬局勤めの女性がやってくる

そしてベラミーの写真を見て、ギブスの材料を買っていったと話す

スタハチは再度ベラミーの家へ ギブスは外されていた

スタハチが来たことに気づいたベラミーは、真犯人に連絡し金を要求

スタハチはベラミーの部屋へ 彼がおらず、女に逃げた場所を聞く

屋上でのベラミーとの銃撃戦

ベラミーはスタさんに射殺される

病院へ担ぎ込まれるスタさん、あと2時間となり、痛み止めを打たれる

ハッチは主任と話をしていて、ベラミーではない真犯人がいることに気づく

そしてハッチはベラミーの家へ ベラミーの女を問いただす

チェリルの父の勤める大学

チェリルが父親の家を訪ねる

チェリルの弟の写真

ハッチがチェリルの父親の家へ

残り時間が迫る中、ハッチはチェリルの父が持っていた毒入り注射器を奪う

毒物を病院へ持っていき、解毒剤が作られることとなり、安心するハッチ

 

今回のスタハチコンビ愛 その1

 今回はスタさんの身に危険が及ぶため、コンビ愛が炸裂する。

 ドラマ冒頭でいきなりスタさんが毒物を打たれてしまう。事前に何かを飲まされ意識朦朧とする中での出来事だったようで、毒物を打たれ危険を感じたスタさんは意識朦朧とする中、それでも必死にハッチへ電話をして助けを求める。身の危険を感じた際に一番に相棒に電話するのはコンビ愛ゆえだろう。

 以下はベッドからずり落ちながらも、電話を引っ張り、ハッチへ電話をするスタさん。

 

今回のスタハチコンビ愛 その2

 ハッチは医者からスタさんが犯人の言う通りならば、あと24時間の命だと聞いて驚く。右は驚いたハッチ。

 

今回のスタハチコンビ愛 その3 ドビー主任含む

 1人目の容疑者はギブスを装着しており、犯行は無理だと思われた。その事を署に連絡するハッチ。対応したドビー主任に犯人が見つからない焦りをぶつけてしまう。それを聞いた主任も思いは同じであり、ハッチに怒鳴ってしまう。

 ハッチとドビー主任が苛立つ中、ひとり当事者であるスタさんだけが冷静を保ち、ハッチの擁護をする。それを聞いた主任も苛立った事を反省、冷静さを取り戻す。

 スタさん、カッコ良すぎ(笑

 


今回のスタハチコンビ愛 その4
 スタハチは2人目の容疑者ジョナスの仕事場へと向かう。しかしそこには用心棒がいた。用心棒をスタハチは蹴散らすが、その直後スタさんが突然痛みを感じ倒れてしまう。スタさんを介抱するハッチ。

 ジョナスのスタジオに乗り込んだ二人。ハッチは時間がなく焦っており、ジョナスの仕事場を荒らす。その上でジョナスに笑う事を強制する。犯人はスタさんに注射を打った際笑っており、笑い声で犯人かどうか確かめるためだった。

 ジョナスの笑い声が違う事がわかり、二人は外へ。2人目の容疑者もシロだとわかり、スタさんはショックを受ける。そんなスタさんをハッチは抱きしめ慰める。

 シリーズ第14作「恐怖の人質!真夜中のレストランジャック」でスタさんが撃たれ負傷する、という話があったが、本作は14作に比べスタさんの重症度が高い。そのためハッチがスタさんを抱きしめるシーンが多く出てくる。

 

 

今回のスタハチコンビ愛 その5 最高の見せ場

 ベラミーのギブスが偽りだとわかり、スタハチは再度ベラミーの家へ。しかしベラミーはスタハチが来た事に気づいており、屋上へ逃亡。体調が悪くなってきているスタさんを部屋に残し、ハッチはひとり屋上へ。

 

 しかしスタさんは女からベラミーが拳銃を持っている事を聞き出し、屋上へ向かう。ハッチとベラミーは銃撃戦となるが、ベラミーから毒物のことを聞き出さなければいけないハッチは防戦一方になる。それに気づいたベラミーは勝ちを確信しハッチを撃とうとする。

 屋上へなんとか上がってきたスタさんは状況を理解。防戦一方のハッチを助けるため、スタさんの拳銃が火を吹く。

 自分を助けるために犯人との銃撃戦で手を出せないハッチを助けるために、スタさんは視界もぼやける中、ベラミーを射殺する。「どうして撃ったんだよ」というハッチにスタさんは「見てられなかったんだよ」と答える。シリーズ屈指の名シーン、と言って良いのではないだろうか。

 

 

今回のスタハチアクション

 今回はスタさんが重症のためアクションシーンが少ないが、ひとつだけ。ジョナスの仕事場にいた用心棒二人組をスタハチが蹴散らす。

 まずは、スタさん。相手のパンチを見事にかわし反撃。

 続いてハッチ。用心棒を壁に叩きつける。

 もう一度スタさん。今度は見事に投げ飛ばす。

 

 

今回のハラハラ

 今回の一番の見どころは、スタさんにとって残り時間が少ない事。そのため背景に映される時計が効果的に使われている。ちなみに皆の会話からスタさんが毒物を打たれたのは午前4時ごろだと思われる。

 最初にスタさんが病院に運ばれたシーン。午前8時15分。

ハッチが医者から説明を聞き、スタさんの元へ戻る。午前8時17分。若干時間が進んでいる。

容疑者2人がシロだと判明、いったん警察に戻る。午後9時3分。

ベラミーを射殺、スタさんは病院へ。午前2時過ぎ

ハッチはベラミーの単独犯ではないことに気づきベラミーの家へ。午前2時20分。

ハッチはチェリルの父親の家を訪ね真相を話し、毒物の提供を求める。午前2時50分。

 

 

今回のヒョロ松

 今回、ヒョロ松は(結果的に)事件解決には役に立っていない。しかしスタハチは当然のことながら、彼に助けを求める。その時にヒョロ松がいた場所は…

 写真左の店の前にヒョロ松が立っており、スタハチは声をかける。状況を知らないヒョロ松は仕事を依頼しようとするスタハチに「俺は今は雇われの身だぜ、マジだよ、旅行代理業なんだ」と話しかける。これがラストのオチへの伏線となっている。

 今回はスタさんに絶対的な危機が訪れ、全体的に暗い話だったが、こんな場面でラストへの伏線を張っていたとは。おそるべしスタハチシリーズ(笑

 

 

今回のオチ

 回復したスタさんが警察に現れる。その時のご機嫌な様子を連続写真で。

 

 エレベータの扉の陰から、誰もいない事を確かめるスタさん

誰もいないことがわかると、松葉杖を抱え、陽気に歩き出す

しまいには、松葉杖をステッキのように振り回しながら歩き始める

しかし、部屋の前に来たら突然真面目になりおとなしくなる

 スタさんはシリーズを通して、リズムを取りながら歩くのが印象的だが、それらの中で一番ノって歩いているシーンだと思う。

 

 部屋を訪れたスタさんに、まだ復帰は早い、しばらく休んだほうが良いと話しかけるハッチとドビー主任。

 しかし、そこにヒョロ松から電話が入る。それを受けるハッチ。内容を理解したハッチは主任にも電話を聞くように伝え、主任も電話を聞くことに。

 ヒョロ松は旅行代理店の従業員の仕事として、スタさんから頼まれたカリブ海へのチケットが取れた、と連絡して来たのだった。つまり一連の事件を餌に長期休暇を取ろうとしていたスタさんの企みをハッチとドビー主任が気づいてしまった。

 ハッチは水をどうぞ、とスタさんに声をかけるが、スタさんの頭から水を浴びせかけるのだった。状況が理解できないスタさんのアップでドラマは終了する。

 ちょっとくらい展開が続いた本作だったが、このラストのオチでいつもの楽しいスタハチになった(笑

 

今回のまとめ

 先にも書いたが、スタさんが危機的状況に追い込まれるのは、第14話と同じだが、あちらが店の中で話が展開したのに対し、本作は重症のスタさんが街を駈けずりまわり犯人を追い詰めようとする。そのため、途中途中でスタさんが倒れてしまうシーンがあり、それをハッチがフォローすることが続く。このため、スタハチのコンビ愛が炸裂しまくる展開に。

 第1シリーズラス前だから、こんな話にしたのかもなぁ。きっとこの頃にはドラマが大ヒットし二人にファンも急増していただろうから。

 

 今回も翻訳について一つだけ。ドラマ序盤でハッチが科捜研の『チャーリー』に連絡を取り、スタハチが関わった事件の調書を集めるように依頼するが、この相手、字幕では『コリンズ』となっている。エンドロールでも「Collins」となっており間違いない。察するに放映当時の日本では、『コリンズ』という人名はあまりメジャーではなかったため、当時から一般的だった『チャーリー』にしたのだと思う。これもスタハチあるある、かも。

 

 そんなわけで第1シリーズラス前も見終わってしまった。残されたのはあと1作。第2シリーズ以降の日本語版はどうやら発売されることはないらしい。youtubeなどで英語版が見られるのを知ったが、原語では話の意味が理解できなかった。あぁもっと英語を勉強しておけば良かった(笑