ギャング・オブ・ニューヨーク

●179 ギャング・オブ・ニューヨーク 2002

 ニューヨークのファイブポインツの覇権を争っていたネイティブと移民の組織が対立し決着をつけるべき決闘が行われた。移民組織デッドラビッツのリーダーでアムステルダムの父ヴァロン神父はネイティブのリーダーであるビルに殺され、ネイティブ側の勝利に終わる。アムステルダムは少年院に送られる。

 16年後、少年院を出たアムステルダムはニューヨークへ帰ってきて、子供の頃から彼を知るジョニーと出会う。彼からニューヨークの現状を聞かされる。ビルが街を牛耳っており、デッドラビッツの仲間たちもビルの手下となっていた。アムステルダムは女スリのジェニーと出会う。

 アムステルダムはビルの手下となり、仕事で成果を上げ、徐々にビルの信頼を得ていく。政治家の手により縛り首が広場で行われ、その夜はダンスパーティが開かれる。そこでアムステルダムはジェニーにダンス相手に指名される。夜も共にするが、ジェニーがビルの女であるを知った彼は彼女から離れる。

 アムステルダムは賭けボクシングが法律で禁止された際にアイデアを出しますますビルに気に入られる。ビルが芝居を見ている時に移民に襲われるがアムステルダムが助ける。それを見ていたモンクが彼を叱責する。彼は昔の父の仲間で同じアイルランド人だった。

 アムステルダムがジェニーと結ばれる。夜中に目をさますとそこにはビルがおり、自分の過去や父親のことをアムステルダムに話して聞かせる。彼はアムステルダムの父ヴァロンのことを讃える。ジェニーに惚れていたジョニーはアムステルダムのことをビルに密告する。

 アムステルダムは16年前の戦いを祝うパーティの場でビルを殺そうとするが失敗し、ビルから顔に火傷を負わされる。

 ジェニーの介抱でアムステルダムは隠れて暮らす。そこへモンクがやってきてヴァロン神父の死体から盗んだものと言ってカミソリを渡す。子供の頃父親から言われていたものだった。それを見たアムステルダムは、デッドラビッツの再結成を誓う。

 力をつけてきたデッドラビッツに政治家が近寄ってきてアイルランド人の票をまとめれば力になる、と話す。アムステルダムはモンクを保安官に立候補させる。選挙の結果モンクが保安官になるが、ビルは彼を殺す。アムステルダムはビルに決闘を申し込む。街ではアイルランド人の暴動が起こり、軍が出動する事態に。決闘が始まるが、軍の戦艦からの砲撃で決闘の場も大混乱に陥る。そんな中、アムステルダムはビルとの一騎打ちをするが…

 

 どこまでが史実なのかよくわからないが、ニューヨークで実際にあったことなんだろうか。先日見た「勇気ある追跡」の中でも、一般市民が縛り首をショーのように見ている、というシーンがあったが、この映画でもそれが行われている。また映画の中ではアイルランド人に対する差別がひどい。昨日見た「戦場のピアニスト」でのユダヤ人弾圧に比べればまだ映画を見る分にはマシな方だったが、結果暴動が起きるぐらい酷かった。これも史実なんだろう。

 映画は2002年のもので、ちょっと時間が経っているが、アメリカでは未だに移民の受け入れを拒否したいトランプがウケていたりして、状況はまったく変わっていないんだろう。

 この映画も「戦場のピアニスト」同様、見ておかなくてはいけない1本だったかと思う。