鬼平犯科帳 第4シリーズ #16 麻布一本松

 第4シリーズ #16 麻布一本松

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 暑い夏、忠吾は担当区域である麻布の見廻りに出る。木陰で一休みし居眠りをし、門前の階段で石を蹴飛ばしたところ、その石が浪人の足に当たる。浪人が怒ったため忠吾は急所蹴りをしてその場を逃れる。夜忠吾は五鉄で彦十と酒を飲み、麻布見廻りの愚痴をこぼす。

 4日ぶりに麻布見廻りをしていた忠吾は茶屋で女と出会う。女は先日の浪人との一件を持ち出し、夜祭りであの浪人に襲われた、あの日以来忠吾が来るのを待っていた、日を改めてお礼を申したいと話す。二人は3日後茶店で会うことを約束する。

 その女お弓は実は浪人と知り合いで、浪人に惚れていた。しかし浪人はお弓の気持ちを理解していなかった。お弓は忠吾との約束の話をし、敵討ちをしようと話す。

 約束前日忠吾が見廻りに行こうとすると、鬼平が一緒についてきた。麻布に差し掛かった際、悪漢たちが二人を襲う。鬼平は悪漢たちを返り討ちにするが、忠吾は足に怪我を負い、動けなくなってしまう。

 浪人はお弓の主人と碁を打っていた。主人も浪人とお弓をくっつけようと話をする。浪人はその話を聞き、自分の剣術道場へ戻る。そこに忍び込んでいた者がおり襲われるが、返り討ちにする。

 翌日鬼平に沢田が報告をする。昨日の悪漢は堀本虎太郎一味の残党だとわかる。鬼平は以前堀本を切り捨てていた。忠吾はどうしても麻布に行きたいと話す。そこへさrに知らせが。昨日の悪漢の一人が麻布の番所に突き出された、突き出したのは市口又十郎だとわかる。鬼平は麻布には自分が行くと忠吾に話す。

 鬼平は又十郎の元を訪れ、礼を述べる。そこへお弓が現れ、約束の件と忠吾が名乗った「木村平蔵」の名前を出す。鬼平はお弓に「木村平蔵」のことを聞き高笑いする。鬼平は又十郎と酒を飲み、お弓のことを話す。

 鬼平は忠吾の元に行き、お前に会いたがっている人を連れてきたと話す。忠吾が喜ぶとそこに又十郎が現れる。

 

 これまた鬼平シリーズによくある忠吾の失恋話。前回「忠吾なみだ雨」がシリアスな話だったのに対し、今回の話は大笑いできる話。しかも鬼平が浪人に恋の指南をする、珍しい話とも言える。

 特に悪いヤツが出て来るわけでもなく(悪漢は出て来るが)、無骨な又十郎と憎めないお弓、そして間の抜けた役となる忠吾、とここまで笑える話も珍しい。でもこんな話も鬼平の魅力。