三人の名付け親

●198 三人の名付け親 1948

 テキサスから三人の男ボブ、ピート、キッドがアリゾナへやってくる。彼らは街に入り偶然見かけたスイートという表札を見かけ笑う。そこの主人スイートが庭におり話す。奥さんからコーヒーをご馳走になりその場をさろうとするが、スイートが羽織った服に保安官バッジがついていて驚く。彼ら三人はこれから銀行強盗をするつもりだった。

 三人は街の銀行を襲い逃げる。気づいたスイートが逃げる彼らを撃つ。キッドが撃たれ負傷する。スイートたちが追跡、水袋を撃ったところで追跡を取りやめ、駅に向かう。キッドが負傷し、水袋も撃たれ手持ちの水がない三人は水のタンクのあるモハべへ向かう。モハべの水補給所に到着するが、スイートが仲間たちと乗った列車が到着、ライフルを持った見張りが降りることに。ボブはこの先も待ち伏せされると考え、スイートの読みにはない北のテラピンへ向かうことに。

 しかし北は砂漠で嵐がひどかった。一晩休んだのち起きてみると馬が逃げ出していた。三人は仕方なく歩くことに。一方スイートは次の水補給所へ見張りを降ろしていた。

 三人は水補給所を見つける。しかしそこには素人の馬車が停まっており、井戸を爆破し水を枯らしていた。さらに男は逃げた馬を追って不在、残された女性が産気づいていた。経験者であるピートが赤ちゃんを取り上げることに。水がない中、サボテンから水を絞り出しなんとか出産に成功するが、間も無く女性が亡くなってしまう。彼女は死ぬ前に三人の名前を聞き、それを繋げた名前を赤ちゃんの名前とし、三人に赤ちゃんの面倒を見るよう頼む。

 スイートは水補給所に三人が現れないことに気づき、北に向かったと考え探索に向かうことに。

 三人は経験がない中、なんとか赤ちゃんの面倒を見る。しかし水もミルクもなくなってくる。三人は今後のことで喧嘩を始めるが、キッドが聖書を読み、行き先は聖書に書いてあると話し、(ニュー)エルサレムへ向かうことに。

 スイートは女性の乗っていた馬車を見つけ、それが自分の姪たちのものだと気づく。

 三人はなおも進むが、水がないことで疲労はピークに。キッドが倒れ死んでしまう。二人で旅を続けるが今度はペドロが道から転落して足を骨折する。ピートはその場所に残り、ボブだけをエルサレムに向かわせる。ボブがピートの元を離れると銃声が聞こえる。

 ボブは一人山を越えるが疲労がピークになる。洞窟内で倒れるが、ピートとキッドの声が幻聴として聞こえなんとか歩き出す。すると洞窟の先に聖書で読んだロバの親子の姿を見かける。ロバに赤ちゃんを乗せ、ボブはなんとか街にたどり着き酒場に入る。そこへスイートたちがやってくるが、ボブはぶっ倒れてしまう。

 ボブはスイートに捕まり留置場へ。しかしスイート宅で食事をするほど信頼されていた。ボブの裁判が行われる。懲役20年が言い渡されるが、ボブは赤ちゃんの母親との約束が守れない、と話すと、懲役1年1ヶ月と減刑される。ボブは赤ちゃんをスイート夫妻に託し刑に服すのだった。

 

 ジョン・ウェインが若い。ウェインの映画はこれで9本目だが、これまで見た中で最も古い「赤い河」と同じ年に作られた作品。しかし赤い河はモノクロだったので、カラー作品としては一番古く、顔色など含めウェインの若さが目立っていた。

 アメリカにとっての西部劇が、日本での時代劇と同じだと考えるなら、この映画は人情話にカテゴライズされる話かな。銃撃戦はほぼなく(冒頭の銀行強盗の時のみ)、ウェインたちが戦う相手は自然であり、砂漠=水のない大地、といったところか。三人が赤ちゃんの面倒を見ようとして奮闘する場面が妙におかしい。また三人ともが自分の名で赤ちゃんを呼ぼうとするところも。

 聖書にある東方の三賢人のエピソードが元になったらしいが、信者ではないのでよくわからない。というかこの映画の三人は銀行強盗なんだけど(笑 でも良い話だと思うし、なんども映画化されているのもわかる気がする。

 いずれにしても、ジョン・フォード監督とジョン・ウェインのコンビ作だから面白くないわけはない。

 

 

三人の名付親 [DVD]

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  • 発売日: 2004/07/09
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