ミネソタ大強盗団

●267 ミネソタ大強盗団 1972

 最強の列車強盗であり銀行強盗であった盗賊団。

 銃と聖書を携えるフランク・ジェームズ、10丁の銃を持つキッド・チャドウェル、呪医のチャーリー・ピッツ、ヤンガー兄弟の一番年下のボブ、口を撃たれた次兄の無口なジム、山男のクレル・ミラー、ご存知ジェシー・ジェームズ、泣く子も黙るコール・ヤンガー。

 南北戦争の傷が癒えぬミズーリ州に鉄道会社が土地を求め、狙われた家族は土地を追われた。そこへジェームズ兄弟とヤンガー兄弟の一団が現れ、鉄道会社の連中を痛めつけ追い払った。ミズーリの人々は彼らに感謝し、1876年ミズーリ州議会で彼らに恩赦を与える提議がされた。一方、鉄道会社はピンカートン探偵社を雇った。

 ピンカートンたちは一団を追い、コールを撃つ。彼は負傷し治療をする。その間にジェームズたちがノースフィールドの銀行を襲いに行く。怪我を治療したコールは恩赦を受けるのに、銀行を襲うのはマズいと考え、ジェームズたちを止めに行く。途中クレルの家に立ち寄り、彼も誘いジェームズたちのところへ向かう。

 途中、ジェームズたちが襲ったであろう兵士の死体を見つけ、急ぐためにコールたちは鉄道に乗る。そこで乗客から議会で恩赦は取りやめになったことを聞かされる。

 コールたちは先にノースフィールドに到着する。そこで銀行の帳簿係から銀行の経営状態、預金状態が良くないことを聞く。コールは銀行の頭取と話し、ある計画を持ちかけ、頭取もその話に乗る。

 その頃ジェームズたちは老婆と知り合い、彼女の借金80ドルを貸すことに。そして住民を苦しめる地主を殺し金を奪う。ジェームズは老婆を助けるつもりはなく、北部の人間を陥れるために行動をするのだった。

 コールは頭取と野球の試合を見に行く。そこへコールの仲間たちが金を積んだ馬車でやってくる。コールは全てを銀行に預けると宣言、それを聞いた住民たちも銀行に金を預けるようになる。コールの仲間たちは銀行の警備員に扮していた。そこへジェームズたちがやってくる。銀行の警備員をしているのを見て驚くが、皆一緒に風呂に入りに行く。そして女を買いに行く。

 銀行では帳簿係がコールたちから預かった金の袋の中身が石であることに気づくが、頭取は黙っていろと命令する。

 翌日街に戻ったコールたちは銀行から金を引き出そう=奪おうとする。頭取たちの抵抗にあっているうちに、見張りをしていた一人が住民を撃ってしまい、大騒ぎになる。銀行内でも帳簿係を撃ってしまい、皆逃げ出すことに。

 他にも何人かが殺され、一味は山中を逃げる。街の住民たちは捜索隊を編成し、彼らを追いかける。ピンカートンたちも彼らを追いかける。途中、借金を貸した老婆の家に寄り、けが人の手当てをする。老婆と仲間が医者を呼びに行っている間に、捜索隊に地主の死体を発見され、側に落ちていた人形から老婆の家が狙われ、コールたちは皆捕まってしまう。

 コールは街中を護送車で運ばれるが、彼を見た住民たちは彼らに歓声をあげる。

 

 これまたちょっと不思議な西部劇。実際にいた強盗団を描いているので、あまりドラマ性はなく、淡々と事実が積み重ねられた感じのする映画だった。

 銀行強盗もちょっと変わっていて、強盗の前にその銀行の頭取と仲良くなり、住民たちに対し一芝居を打つのは、今までに見たことのないパターンだった。まだ経済が安定していないその頃の西部であれば実際にあったかもしれないと思われる一芝居だった。

 また強盗とは全く関係ないが、途中この頃の野球の試合がそれなりの時間を使って描かれる。ルールもめちゃくちゃ、今の草野球や子供の試合でもしないようなヒドいプレー続出でまるでコントのようだった。

 主役の二人はどちらもアカデミー賞俳優で、ジェームズの方は「ゴッドファーザー」で重要な役をやっていたロバート・デュヴァル。でも全く気がつかなかった(笑 いやぁ自分もまだまだですなぁ。