クリムゾン・タイド

●413 クリムゾン・タイド 1995

 ロシアでラドチェンコが反乱を起こしミサイル基地を制圧、日米への核攻撃を示唆する。海軍のハンターに召集がかかり、潜水艦アラバマの副長に任命される。艦長はベテランのラムジー

 食事での会話や火災時にラムジーが訓練を開始したことなどでハンターとラムジーは意見が異なり、ハンターは意見するがラムジーは指揮系統を重視し部下の前での意見するなと命令する。

 出航して6日目、艦にEAMが届く。内容はロシアの反乱軍に核ミサイルの発射コードが漏洩したとのことだった。

 12日目、ロシアのものと思われる潜水艦を発見、同時にEAMでミサイルの発射命令が届き、艦内に緊張が走る。敵艦との戦いと同時に発射準備を進めるが、さらにEAMが届く。しかし潜行していたためEAMの受信は途中で途切れてしまう。敵艦の攻撃を何とかかわしたがm最後のEAMのメッセージが完全でないことから、ハンターはラムジーのミサイル発射指示を承諾しなかった。ミサイル発射には艦長と副長二人の同意が必要なため二人は口論となるが、ハンターは規定に従いラムジー艦長を解任、監禁することに。

 ハンターはEAMの受信を最優先するが、敵艦がまた現れ戦闘となる。敵の魚雷を回避し撃沈することに成功。しかし敵艦が最後に放った魚雷でアラバマは動力源故障、浸水などの大損害を受ける。復旧作業をしていた作業員が死亡する事故も発生するが、沈没寸前に復旧し難を逃れる。

 そんな中、ラムジー艦長に同意する乗組員が監禁されている艦長と対面、ラムジーは少数で武器を携帯し発令所を制圧することに。ハンターたちは監禁されてしまう。ラムジーはミサイル発射の準備に。ハンターが鍵を預けていた乗組員がハンターたちを見張っている乗組員を倒しハンターたちは救出され発令所へ。

 ハンターは途中ミサイル発射の操作者であるウェップスを説得しつつ発令所へ。ミサイル発射の準備が整い、ラムジーは発射指示をするがウェップスは指示に従わなかった。そのためラムジーたちはウェップスの元へ。その隙にハンターたちは発令所を制圧し、発射のロックを解除する。ラムジーはウェップスを脅し発射操作をしようとするが、ロックが解除されていることに気づき発令所へ。そこでラムジーとハンターは再度口論となるが、そこへ無線が復旧しそうだと連絡が入り、それを待つことに。

 無線が復旧、EAMが受信される。内容はミサイル発射命令の中止だった。ラムジーはハンターにあとを任せ部屋へ戻る。

 本部に戻った二人は査問会に呼ばれる。本部は二人の行動についてどちらも正しくどちらも間違っていたと話し、今後についてラムジーは艦長を退役、次期艦長はラムジーの推薦も受け、ハンターと決まる。

 

 戦争勃発直前状況下での潜水艦内を描いた作品。当然のことながら「眼下の敵」が思い起こされるが、劇中で乗組員たちが「眼下の敵」のことを話しているのには笑ってしまった。

 「眼下の敵」では敵対する国の駆逐艦と潜水艦の戦いであり、それぞれの艦長の頭脳戦と描いたものだったが、艦長二人は実は戦争そのものを嫌っているという設定があった。本作でも敵国の潜水艦との戦いも描かれるが、メインは艦長と副長との対立であり、その思想の違いが原因となる。

 ラストの査問会の判事が述べたように、どちらの言い分も正しく、間違っていると思える。つまりこの時点での軍法が間違っていたということで、映画のラストでは現在はミサイル発射の決定権は大統領のみに委ねられている、というメッセージが流れる。そうだよなぁ、一軍人にそこを委ねられても…というのが正直な思い。

 映画としては、「眼下の敵」のような過去の傑作がありながら、設定や対立軸を変えることで新たな「潜水艦モノ」を作り上げた本作は素晴らしい。しかも「対岸の火事」として描くのではなく、現在の世界情勢から見れば決して「対岸の火事」ではないと思わせた設定も見事。冒頭とラストで流れるのが、フランスのTVニュースというのもそれを意味するのだろう。