ワイルド・アパッチ

●446 ワイルド・アパッチ 1972

 インディアン保留地からウルザナをリーダーとする何名かが脱走する。ローウェル砦にいた少佐は、住人に伝令を飛ばすとともに、マッキントッシュに状況を捜査させ、デビュイン少尉を追跡隊の隊長として任命する。マッキントッシュアパッチ族でありながら騎兵隊に協力するケニティを伴って追跡隊に参加する。

 その頃ウルザナは、伝令で砦に避難しようとしていた家族を襲い、家に残った農民をリンチにかけ殺していた。父親が聖職者だった少尉はアパッチの残酷さを理解しようとするが、その行為を目の当たりにし怒りを持ち始める。

 マッキントッシュは慎重に追跡を行い、少尉をいらだたせるが、彼は馬を疲弊させ追跡できなくすることがアパッチたちの狙いだと説明する。追跡途中でマッキントッシュとケニティはアパッチたちが馬だけを先行させ、自分たちは追跡隊の後をつけていることを見抜く。少尉は隊を分け、先行する馬がアパッチたちに合流するのを見張る。

 そんな中、マッキントッシュが先行する馬を見つけ、同行していたアパッチを射殺する。それはウルザナの息子と思われる少年だった。マッキントッシュはアパッチたちの次の狙いは馬の入手だと判断し、一番近い農家を目指すが、すでにアパッチに襲われていた。男たちは殺されていたが、夫人はレイプされていたが生き延びていた。

 少尉は夫人を砦に戻すために隊を2つに分けようとするが、それこそがアパッチの狙いだとマッキントッシュは言う。それでもウルザナを捕らえたい少尉は、アパッチの罠にはまったように見せることに。

 夫人を砦に返すために護衛についていた隊はアパッチたちに襲われてしまう。少尉たちが急いで駆けつけるが、マッキントッシュは致命傷を負っており、その場に残ることを決断、少尉も同意する。その頃ケニティはウルザナを追っており、彼に息子の持っていたラッパを見せる。ウルザナは息子の死を知り、ケニティに撃たれる。ケニティは皆の元へウルザナの死体を運んでくる。少尉はマッキントッシュに別れを告げ、砦へ帰っていく。

 

 1972年の西部劇ということで、ありきたりの西部劇ではないだろうと思って見始めたが、これまた先住民を徹底的に悪く描いているのは珍しいか。この映画のwikiによれば、1956年の「捜索者」に強い影響を受けている、とのことだったが、あちらが西部の男ジョンウェインが自らの生活の中に先住民が関係してくるのを拒みつつも最後には認める、というものだったのに対し、こちらは少尉が聖職者である父の影響を受け、アパッチ族の行為を理解しようとしつつ、結局は多くの仲間を失ってしまうという結末で、テーマがよく分からない。

 ラスト、致命傷を負ったマッキントッシュに少尉が自分の選択が、と語りかけた時にマッキントッシュが言うセリフ、

 

 『もし』はない

 選んだ結果を受け入れろ

 常に結果を出せる人間などいるもんか

 

が、少尉だけでなく、観ている側をも唯一慰めてくれる。