ギルバート・グレイプ

●516 ギルバート・グレイプ 1993

 エンドーラの町に住むギルバートは知的障害を持つ弟アーニーと夫を亡くしたショックから肥満になってしまった母、2人の姉妹と暮らし、町の小さなスーパーで働き、スーパーの常連客カーバー夫人との不倫をする仲だった。

 アーニーは毎年町を通るトレーラーハウスを見るのを楽しみにしていた。彼の18歳の誕生日が迫ったある日、トレーラハウスの1台が故障で町に滞在する。そのトレーラーに乗っていたベッキーにギルバートは惹かれ始めるが、夫人との不倫やアーニーが起こす騒ぎはいつも通りだった。

 ある日ギルバートはベッキーとデートをしているところを夫人に目撃されてしまう。夫人の家への配達を頼まれ彼女の家に行くが、ギルバートは彼女を置き去りにし、カーバー氏の呼び出しに応じる。カーバー氏の会社に電話が入り、ギルバートはカーバーとともに夫人の家へ。夫人はボヤを起こしていた。帰ろうとするギルバートに夫人は語りかけるが、彼は家へ戻る。そこへカーバー氏死亡の知らせが入る。

 ギルバートはベッキーとデートをする。その隙にアーニーがタンクの鉄塔にまた登ってしまい、警察に拘留されてしまう。それを知った母親は7年間家から出ていなかったが、アーニーを釈放させるために警察へ向かう。しかし町の住民たちは太った母親を見て笑うのだった。

 夫がなくなり、妻が殺したと噂が立ち、カーバー夫人は街から出て行く。ギルバートの店に別れを告げにきた夫人は、その場にいたベッキーに彼を譲ると言い残し去って行くが、ベッキーのトレーラーも修理が終わり、旅立つことに。彼女と話をするギルバートだったが、彼女を引き止めることはしなかった。

 アーニーの誕生日前日、アーニーの悪ふざけに堪忍袋の尾が切れたギルバートは弟を殴ってしまい家を飛び出す。アーニーも家からいなくなってしまう。ギルバートは町の外へ出ようとするが、引き返し、ベッキーのトレーラーへ。そこにアーニーもいた。姉たちがアーニーを見つけ家に連れ戻る。ギルバートはベッキーに父親が自殺したことを告白する。

 アーニーの誕生日、家に戻ったギルバートはアーニーと和解する。そこへベッキーがやってくる。ギルバートはベッキーを母親に引き合わせる。母親は自分の力で2階のベッドへ向かう。しかしアーニーが行った時には死亡していた。母親の遺体を1階に下ろす手段がなく、大掛かりにして笑い者にさせたくもないと考えたギルバートは、家の家具を外に運び出し、家を燃やすことを決意、実行する。

 1年後、アーニーの誕生日、ギルバートとアーニーはベッキーのトレーラーが通るのを待っていた。

 

 正直この映画のことは全く知らなかった。もちろん初見。知的障害を患ったアーニー役のディカプリオの演技に圧倒された。知的障害の役というと少し前に観た「レナードの朝」のデニーロが思い出されるが、若くて難しいという面ではこちらが上ではないか。wikiで調べたが、ディカプリオの役の年齢18歳、公開時の年齢19歳、ということだったが、知的障害ということもあり、もっと幼く見えた。2枚目俳優という印象しかなかったが、こんなにスゴい役者だったなんてビックリ。

 ストーリーは、家族との関係、田舎町から出ていけないという心情、など重い雰囲気が漂うものだったが、役者陣が上手く思わず見入ってしまった。ジョニーデップも上手かったと思うが、兄弟たちの母親役の女優さんが圧巻かな(笑。