チップス先生さようなら

●596 チップス先生さようなら 1969

 1924年、ブルックフィールド校、チップス先生は古典を教える教師で生徒たちにも厳しいことで有名だった。運動場を寄贈する父を持つサタウィックがテニス大会に参加する日にも補習授業を行い大会への参加ができなかった。同僚のバクスターはチップスを非難する。

 チップスは友人のジョニーに誘われ舞台を見に行く。そこでジョニーがぞっこんの女優キャサリンと知り合う。チップスは夏休みにポンペイに旅行に行き、そこでキャサリンと再会。チップスは遺跡を案内、何事も正直に話す彼にキャサリンは惚れる。

 夏休みが終わり学校に戻ったチップスはキャサリンに誘われる。彼女の家に行ったチップスは大勢の客に困惑するが、キャサリンを訪ねて来たパトロンを見事に追い返す。その姿を見たキャサリンはチップスに愛の告白をしチップスも受け入れる。

 学校ではチップスが結婚したと話題になるが、キャサリンを連れ学校に現れた彼を見て皆驚く。サタウィック卿は彼女を追い出さないと運動場寄贈を取りやめると校長に話す。それを聞いてしまったキャサリンは学校から逃げ出す。チップスは学校を休み彼女を探しアースラの家で見つけ、サタウィック卿と闘うことを誓う。その時アースラが卿と昔付き合っていたことを知る。

 チップスはキャサリンと暮らし始め平和な時を過ごすうちに、生徒への態度も変わってくる。参観日、チップスは学校に来ていたサタウィック卿に対決を挑む。一方キャサリンは学校へアースラを呼び卿を慌てさせ、アースラを遠ざけることで恩を売る。

 第二次世界大戦が始まり学校にも影響が出始める。同僚のマックスも学校を去ることに。校長先生の退任が決まり、チップスに校長の内示があるが、理事会が最終的に選んだのはバクスターだった。彼の元で働けないと考えたチップスは学校を辞めると決意するが理事長が彼を引き止める。彼は残ることに。

 バクスターが国の機関に行くことになりチップスが後任の校長となる。それをキャサリンに伝えようとするが彼女は軍の慰問に行ってしまう。その後キャサリンが死亡したことが伝えられる。

 戦争が終わりチップスは校長を降りることに。最後の挨拶をしたチップスは生徒たちの大歓声の中学校を後にする。

 

 なんとなくタイトルだけ知っていたが内容は全く知らなかった。というか、ミュージカル映画だったのね。映画冒頭、いきなり序曲から始まってビックリ。2時間半ほどの映画で、インターミッションがあるのも初めてかも。

 ストーリーは、前半はチップスの恋物語を、後半は教師としての生き様を見せる。前半はいかにもミュージカル映画っぽい展開で、歌が挟まれても違和感はなかったが、二人が無事結婚にこぎつけて、後半どうなるのかと思ったら、戦争が物語に影響をし始める。敵の爆撃が続く中でも、授業を止めようとしないチップス。そして校長先生の退任とチップスの校長への昇進の話。歌手だったキャサリンと結婚をし家に収まった彼女のためにチップスは彼女が校長夫人となることをずっと夢見て来ていた。しかし今回もサタウィック卿の横槍で校長にはなることができず。戦争が進みやっと校長になれる日が来るが、待っていたのは彼女の死という悲劇。

 うーん、良い話なんだけど、映画の中の時間の進行が分かりづらく、途中ちょっと戸惑ってしまった。ざっくり言えば、映画の中では20年以上の時が流れていたのね。

 ミュージカルでありながら、主人公が古典の教師ということもあってなのか、セリフになかなか面白いものが多かった。一番のお気に入りは、アースラが家から去ろうとするチップスに別れ際に話すセリフ。

 「明日か来年か 天国でまた会いましょ」

 アースラの人間性まで一言でわからせる良いセリフだった(笑

 

 しかし一番驚いたのは、映画本編の話ではなく、ある女優の出演。

 TV画面をスマホで撮影したもので申し訳ないが、この右の女優さん。キャサリンの家に招かれたチップスに言い寄る女性。この人、一目見ただけでピンと来た。「小さな恋のメロディ」のダニエルの母親だった人。Sheila Steafelという女優さんらしい。下の画像は、「小さな恋のメロディ」の冒頭、ダニエルを迎えに来た母親。

 こんなこともあるんだねぇ。