人生は回転木馬 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●人生は回転木馬 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

 オーヘンリーの全8編からなる短編集。特に良かったものを2つ。

 

 「人生は回転木馬

 治安判事の元へ山から夫婦がやってきて離婚手続きをしたいと話す。判事は手数料5ドルを受け取り書類を作成するが、妻が慰謝料5ドルが欲しいと言い出す。しかし夫は5ドルを持っていなかった。一晩考えるように、と言い渡し二人は宿へ。その夜判事の家に泥棒が入り5ドルを奪われる。翌日夫は5ドルを妻に渡すが、判事はその5ドルに見覚えがあった。判事が取った行動とは…

 

「一枚うわて」

  強盗と詐欺師と金融詐欺師がとある街で出会う。強盗が金を奪ってきて金融詐欺師に分け与えるが、強盗のことが気に入らない詐欺師は受け取らない。強盗が賭博場を開くことを知り、詐欺師は街のトランプを買い占め仕込みをし店へトランプを返す。そして賭博場で大儲けをする。その金で株券を買うが…

 

 残りは

「愛の使者」 公園のベンチに座る若い娘に男が少年に伝言を届けさせるが…

「にせ医師物語」 ジェフは偽薬で商売。相棒と一緒に市長を巻き込み一芝居うつ

「ジミー・ヘイズとミュリエル」国境警備隊員ジミーとトカゲミュリエルの物語

「待ちびと」過去のロマンスで有名な世捨て人の元を綺麗なお嬢さんが訪ねる…

「犠牲打」自分の小説を雑誌社に売り込もうとする男が社のタイピストと結婚する

「フールキラー」金持ちの息子の友人が架空の人物フールキラーを目撃するが…

 

 オーヘンリーの小説はどれも読み終えた後にニヤッとするものが多いが、「ジミー・ヘイズとミュリエル」だけはちょっと感動するオチになっている。トカゲが出てきた段階でちょっと不思議な感じがしていたが、トカゲを使ったそんなオチだったとは。

 あとはいつも通り切れ味抜群の話。ただ2冊目にして既にオーヘンリーのやり方がわかってきたので予想がつくオチも多かったのも事実。

 この短編集、まだまだ続く。

 

眼下の敵

●377 眼下の敵 1957

 第二次世界大戦中の南大西洋沖、アメリカの駆逐艦ヘインズが航行していた。乗組員は新しい艦長が素人だとバカにしていた。

 レーダーが潜水艦を発見、艦長は直ぐに追うように指示。潜水艦はドイツのUボートだった。Uボート側でも駆逐艦を確認、進路を変更し駆逐艦を欺こうとする。艦長はそのままの進路をとり、Uボートに騙されたふりをする。Uボートは進路を元に戻す。艦長は翌早朝Uボートとの遭遇を想定し戦闘態勢をとる可能性を示唆する。

 Uボート側の任務は暗号の受け取りでそのため浮上していた。ただUボートの艦長は息子を戦争で失っており、ナチスへの嫌悪感を抱いていた。

 翌朝駆逐艦Uボートの姿を確認。潜水艦は潜行を開始する。駆逐艦の艦長はUボートに先に攻撃をさせ、再攻撃の準備の間に攻撃を仕掛けるつもりだった。Uボート駆逐艦を攻撃、艦長は寸前にUボートの攻撃を回避し、攻撃を仕掛ける。Uボート側も潜行距離を変えるが駆逐艦は精密に狙って爆弾を落とす。Uボートは偽装気泡を排出しつつ逃亡、駆逐艦レーダーはUボートをロストしてしまう。

 艦長はUボートの進路を予測、そこへ進路をとる。その間に本部から敵艦隊が向かっているとの知らせが入る。Uボートは艦長の読み通りの場所に現れる。駆逐艦は攻撃を開始、Uボート艦長は潜水艦の能力を超えるが海底へ潜行、そこへとどまることに。

 艦長はUボートはそこにいるはずだと見抜き海上で待機。時間が経過し、Uボート側は移動を開始する。それをとらえた駆逐艦Uボートを追うことに。しかし艦長は敵の艦隊が迫っていることから時間稼ぎのために1時間ごとの攻撃を指示。Uボート艦内にも焦りが出始める。艦内の喧嘩を納めたUボート艦長はレコードをかけ歌を歌わせ乗組員の士気を高める。駆逐艦側はその音をとらえており、攻撃を継続する。

 Uボート艦長は駆逐艦の攻撃時の移動の癖を見抜き、魚雷で一気に勝負をつけることに。魚雷全弾を発射し駆逐艦は損傷を受ける。艦長は一部の乗組員を残し退避を指示する。Uボートは海面に浮上、5分間の退艦猶予を与えるが、その間に駆逐艦は最後の攻撃を仕掛ける。駆逐艦Uボートに突撃、両艦とも航続不可能となり全員退避、Uボートは自爆装置を作動させる。

 皆が避難する中、艦長はUボートの艦長のためにロープを投げ助け出す。二人ともが助かった後、両艦とも沈没する。二人の艦長はアメリカの船の上で会話をする。

 

 これは初見だったが、見事な一本。戦争映画はあまり好みではないが、これは傑作と言っていいだろう。駆逐艦Uボートの戦いを描いた映画だが、実情は両艦の艦長による頭脳戦。お互いの次の一手を読んで戦う様は将棋やチェスを思い起こさせる。

 途中に描かれる二人の艦長の戦争に対することへの思いも良い。決して国のために戦っているわけでもなく、個人的な復讐のためでもない。むしろ戦いを毛嫌いしている二人が全力で戦っていることに共感が持てる。駆逐艦の艦長が戦闘中に怪我した乗組員と会話するシーンも良い。戦争の残酷さをさりげなく表現している。

 もちろんラストの二人の会話も素晴らしい。健闘を讃え合うわけではなく、それでいて相手の人間性を讃えている。

 

 ロバートミッチャムはフィリップマーロウのイメージが強かったが、さすがにこんな冷静な強い男を演じさせたら上手い。彼のマーロウものがまた観たくなった。

 

無頼の群

●376 無頼の群 1958

 一人ジムがリオアラバの街にやってくる。この街では明日4人の絞首刑が実施される予定で、ジムはそれを見にきたと保安官に話す。

 ジムはジョセファという女性に5年ぶりに再会する。二人はかつて恋仲だった。そこへシムズという死刑執行人が現れる。ジムはジョセファに誘われ教会へ。途中ジムは結婚したが妻が亡くなったこと、3歳の娘がいることをジョセファに話す。

 教会で街の皆がお祈りをしている最中にシムズは牢へ行き、保安官を刺すが保安官に撃ち殺される。囚人たちは保安官の鍵を奪い逃走、途中父親のため教会を抜け出た若い女性エマを人質にして。

 街の皆は追跡隊を編成、4人を追いかける。4人のうちの一人が峠で待ち伏せし追跡隊は先に進めなかった。ジムは翌朝参加する。彼は4人に妻を殺されていたのだった。4人は峠を越え砂漠に向かうと思われたが、ジムは谷に進んだと判断、4人はジムの予想通りに逃げていた。

 4人はジムが指示を出していると判断し、彼を殺そうと1人が待ち伏せるが、ジムは囚人たちを一人一人倒していく。2人になった囚人はバトラーの山小屋を見つけバトラーを射殺、先住民は彼の持っていた金を奪う。2人がエマを強姦しようとしたところへジムが追いつき2人は逃亡、エマも助かる。

 2人は国境を越える。保安官はこの先にはいけないと言うがジムは一人追い続ける。そして1人を酒場で発見し射殺、最後の一人の先住民を家まで追う。そこで先住民の妻に殴られ気絶。気がついたジムは先住民はジムの妻の写真を見せるが知らないと言う。先住民が奪った金はジムのものだったためそれを指摘すると先住民は山小屋で奪ったと話す。ジムは4人が妻を殺したのではなく、山小屋に住んでいたバトラーが妻殺しの犯人だったことに気づく。

 街に戻ったジムは教会で懺悔する。しかし街の住民は彼を賞賛するのだった。

 

 これは異色の西部劇。まさかの結末と言える。しかしグレゴリーペックだからこそ出来た1本なのかもしれない。

 妻を殺された男が犯人(と思い込んでいる)の絞首刑を見に来るが、彼らは逃亡、その犯人たちを執拗に追いかけ3人を倒すが、最後の一人から意外な真相が語られる、と言う展開。

 真相を知ったペックがどのような行動をするか、が見どころ。教会で懺悔し、神父は彼を許す。しかも住民たちは彼を賞賛する。別の犯罪で死刑になるはずだった囚人たちだから仕方なかった、で済ませることもできるが、ペックはそうは考えない。さすがアメリカの正義と言われたペックらしい主人公。

 原題のThe Bravadosは「虚勢、強がりの行動」という意味のようだが、ペックの行動を指すのだろうか。ここだけがよく分からない。

 

 

 

 

 

ムトゥ 踊るマハラジャ

●375 ムトゥ 踊るマハラジャ 1995

 ムトゥは主人ラージャに仕える召使いで皆の人気者。ラージャは叔父アンバラから従姉妹パドミニとの結婚を迫られているが本人に結婚の意思はなく、好きな芝居を観に行く毎日。

 ラージャはムトゥと芝居を観に行くが、その舞台に出ていた女優ランガに一目惚れ。家に帰ったラージャは母親に結婚をすると言い出す。喜ぶ母親だったが、ラージャはランガと結婚するつもりだった。

 後日馬車に乗っていたラージャとムトゥは車が事故を起こし困っているランガに出会い、彼女を次の舞台をする街まで連れて行く。そこでランガは地元の興行主に襲われる。それを助けるラージャとムトゥ。ムトゥはラージャの言いつけでランガを連れて逃げる。言葉の通じない村にたどり着いた二人。様々なトラブルに見舞われる中、二人は恋に落ちてしまう。ランガはムトゥに女優になった事情を話す。家に帰れないランガをムトゥはラージャの屋敷へ連れて帰る。

 二人が戻ったのを見たラージャはランガが結婚を承諾したものだと勘違いする。そんな時屋敷に聖者と呼ばれる男がやってきてラージャの母親の居場所を尋ね去って行く。母親は寺院へ行っていた。聖者と再会する母親。

 叔父アンバラはラージャの家の財産を狙ってラージャと自分の娘パドミ二を結婚させようとしていたが、ランガの登場で焦ってしまう。そしてランガの義兄を屋敷へ送り込む。義兄はランガを連れて行こうとするがムトゥが義兄を叩きのめして追い返す。

 義兄作戦が失敗したためアンバラは配下の者を使ってラージャに嘘を吹き込み、ムトゥを追い出させることに。策略にハマりラージャはムトゥを屋敷から追い出してしまう。それを知った母親は真実を話す。ムトゥは元の地主の息子で屋敷の本当の持ち主だったのだった。それを配下の者から聞いたアンバラはラージャを殺すよう命じ、罪をムトゥにきせることに。

 話を聞いたムトゥは怒り、アンバラの配下の者を倒し真実を聞き出す。そしてアンバラを追い詰めた時、ラージャが戻ってくる。ラージャはムトゥの父の聖者に助けられていた。ラージャはムトゥに謝罪、ムトゥはランガと結婚をする。

 

 日本で大ヒットした初めてのインド映画?なのかな。公開はもう20年以上前だが、随分と話題になったことを覚えている。

 映画そのものは、「昭和のコント」と「古いハリウッドのミュージカル、アクション」と「ラブコメ」と「カンフーアクション」の盛り合わせ(笑 もうなんでもあり。そりゃ3時間近い尺になるよなぁ。

 一番長かったのはやっぱりダンスシーン。本当に昔のハリウッドのそれのように意味もなくシーンに入り込んでくるイメージ。これをうまく編集すれば1時間ぐらい短くなるのでは(笑

 笑いも本当に昭和のコントそのもの。1周どころか、3周ぐらい廻って逆に面白かったけど。アクションシーンも多く、カーレースならぬ馬車レースは見ものだった。馬車が多く転倒し乗っている人間が放り出されるが、よく馬車に轢かれないで済んでるよなぁと感心するぐらい。主役のカンフーアクションばりのシーンも多く、そっち系の影響なんだろうなぁ。ラブコメと最後の大どんでん返し?は、まぁそうだろうなぁといった感じ。

 

 3時間近い映画だったが、気楽に観られたのでまぁ良しでしょう。ただこれでインドへの観光客が増加した、とwikiにあるがホンマかいな、って思ってしまう(笑

 

向田邦子ふたたび 文藝春秋編

向田邦子ふたたび 文藝春秋

 向田邦子さんが亡くなられた2年後に出版された追悼本が文庫本化されたもの。

 向田さんの愛猫のその後の様子や最後の旅行の前々日に部屋に呼ばれた友人の文章など「その時」や「その後」が非常にリアルに感じられる。もちろん著名人による追悼文も多く掲載されている。向田さんは直木賞受賞の1年後に亡くなられており、友人たちの悲痛な叫びが書かれている。まさにこれから、という時だったのだろう。

 多くの方のの手によって向田さんの思い出が語られるが、TVドラマ成功のために奔走されたことや第二の故郷と言っていた鹿児島旅行の詳細など、向田さんの文章だけでは知ることのできない事実が多い。

 一番興味を抱いたのは、向田さんの父親に関する文章を読んだ作家が、その「家父長制」が貧しい社会時代の戦時体制家族であり、戦後日本は豊かな時代となりその家父長制を捨てた、という文章を新聞に掲載、それを読んだ向田さんが「異例の長い手紙」を作家に送り、その中で、「我が意を得たり」と書いていたこと。言われてみればなるほど、と思える事柄だが、「家父長制」を生きた向田さんでも気づけないことがあったのかと思った。

 

 本の中に山本夏彦氏が選んだ向田さんのエッセイベスト5が掲載されていて、久しぶりに読んだ。あぁまた向田さんの文章が読みたくなってしまう。

 

ラストサムライ

●374 ラストサムライ 2003

 オールグレンはアメリカで数々の戦争で戦い抜いた勇者としてウィンチェスター社の銃を宣伝する立場にあったが、自分の意思とは関係なく戦わされ無抵抗の人間を殺したことを後悔していた。彼は日本軍を訓練する仕事を引き受け来日する。

 彼は軍の訓練を始めるが、訓練はままならない。そこへ勝元が鉄道を襲ったとの知らせが入り、勝元を討つため軍を出動させられる。勝元の軍勢に襲われ軍は崩壊、オールグレンは孤軍奮闘するも勝元に捕らえられ、彼の住む村へ。そこで彼は自分が殺した男の妻であるたかの家で暮らすことに。

 勝元の命令で村で半年を過ごすうちに、彼は勝元の生き方に惹かれ、村での生活に馴染み始める。村での祭りが行われた日、村を忍者たちが襲う。オールグレンも村人と共に戦い敵を一蹴する。

 春になり勝元は天皇に呼ばれ東京へ。オールグレンも同行する。勝元は天皇と会い自分の思いを伝える。その後元老院へ出席するが、そこで思いを話す勝元に対し天皇は何も語らず謹慎処分を受ける。オールグレンは何者かに襲われ勝元を助け出すことに。

 村に戻った勝元たちは軍と戦うことを決意。圧倒的戦力を誇り、近代化された武器を持つ軍に勝元たちは戦いを挑むが、全滅してしまう。

 一人生き延びたオールグレンは勝元の刀を持って天皇に謁見する。

 

 ハリウッドが作ったにしては上出来の時代劇、といった感じ。

 トムクルーズ演じる大佐が数多の戦いで精神的にヤラレていたが、勝元たちと暮らすことで平穏な時を過ごすことになる、というストーリーは日本人に受け入れやすい。

 アメリカ人のトムが侍時代を生きている村で過ごすという異文化交流も良い。異文化交流を描いた「レッド・サン」や「ダンス・ウイズ・ウルブス」などより、良く出来ていたと思う。

 10年ぶりぐらいにこの映画を観たが、勝元やオールグレンにモデルがいることは知らなかった。ネットではその点についていろいろと書かれているが、まぁ映画なんだし(笑 「武士道」をアメリカにわかりやすく説明した映画、なのかな。

 ラストの決戦でのエキストラの数は半端ない。CGではない映像の迫力はさすが。トムの殺陣も様になっていたし。福本清三さんが出ていたのもポイントが高い。小雪もホントにキレイだったし。この人はホントこんなちょっと影のある役をやらせたら上手。

 

大脱走

●373 大脱走 1963

 ドイツ軍の捕虜収容所に大量の捕虜が送られてくる。彼らは何度も脱走を試みるため、ドイツ軍は一箇所に集め彼らを管理することにしたのだった。

 捕虜たちは早速色々と仕掛けるが監視に見つかってしまう。そんな中の一人ヒルツは一緒に独房に入れられた入れられたアイブスと仲良くなる。

 捕虜たちは最後に収容所に送られてきたバートレット少佐のもと、250名の大量脱走のため、3つのトンネルを同時に掘りすすめる計画を立てる。それぞれの得意分野である調達屋、トンネル掘り、衣装作り、偽造屋などで仕事も分担することに。

 20日間の独房から出てきたヒルツはその夜アイブスと二人脱走を試みるが失敗。またも独房行きに。

 皆はトンネル掘りで出る土の処分を考え、トンネルへ空気を送る方法を考える。調達屋ヘンドリーは看守の一人と仲良くなり、彼の財布を盗み必要な書類を手に入れる。偽造書類の作成や必要な服の作成も進む。

 バートレットは2回目の独房から出てきたヒルツに声をかけ、脱走して収容所近辺の情報を仕入れてまた戻ってきてほしいと頼むが断られる。トンネル掘りも進むが、何度か土が崩れたため、補強のため木材を宿舎から調達することに。

 トンネル掘りもあと少し、という時にヒルツとヘンドリーはジャガイモでッミツ造酒を作り、皆に振る舞う。その日はアメリカの独立記念日だった。皆が騒ぐ中、進めていたトンネルが監視に見つかってしまう。絶望したアイブスは収容所の壁となっている鉄条網へ突っ込み射殺される。それを見たヒルツはバートレットの要望を受け入れ脱走、間も無く近辺の情報を仕入れ戻ってくる。

 ヘンドリーと同部屋で偽造屋コリンは目が見えなくなってきていた。それを隠そうとしていたが、バートレットに見つかり脱走には参加させてもらえないことに。しかしヘンドリーが自分が面倒を見ると話し一緒に脱走することに。トンネル掘りのダニーは実は閉所恐怖症であることを暴露、トンネルへ入ることを拒否し一人脱走をしようとする。それを相棒のウィリーがなんとか思いとどませる。

 そしていよいよ脱走当日。最後の穴を開けたヒルツはトンネルが計画よりも6m短いことに気づく。そのため当初の予定より脱走に時間がかかることに。それでも76名が脱走に成功する。

 脱走した捕虜たちは様々な方法で逃げていく。列車、自転車、船、飛行機、バイク。しかし次々とドイツ軍に見つかってしまう。うち50名はゲシュタポに射殺される。脱走に成功したのはダニー、ウィリー、セジウィックの3名だけだった。

 ヒルツもまた収容所に送られてくる。そして一人独房に入っていく。

 

 子供の頃に初めて観た時はTVで2週に渡って放送されたのを覚えている。wikiにもその記載があって嬉しくなった。学校で友人たちと騒いだこともよく覚えている。三谷幸喜も子供の頃にこの映画を見てファンになり、実際に土を捨てる仕組みを作った、とエッセイか何かで読んだ記憶もある。子供の頃に観た記憶が鮮明な映画はあまりないが、この映画は別格のようだ。

 今回観ていて気づいたが、途中トンネルが見つかってしまうシーンで、映画前編のほぼ半分の時間だった。ここで前編後編と分けていたのだろう。せっかくのトンネルが見つかってしまい、脱走はどうなるのか?!次週…といったところか(笑

 色々と思い出はあるが、当時朝の目覚ましの代わりに「大脱走のテーマ」を聞いていたのも思い出した。そのテーマが冒頭から流れて映画がスタートする。このテーマ曲を聴くだけで、もうタマラない(笑

 子供心ながら惹かれたのはテーマ曲だけではない。各人がその道のプロであり、困難な状況の中、しっかりと仕事をやり遂げること。それに皆も協力し一糸乱れね統制がとれていること。いやぁこれだけの俳優陣が出演していながらそれぞれに見せ場があるのもタマラない。

 テーマ曲でもう一つ。ほとんどの場面で大脱走のテーマが色々とアレンジして使われていて(マックイーンの独房行きの時にはコミカルになったりする)、それもすごいと思うが、最後のマックイーンのバイクでの逃亡シーンのみ別の曲が使われていて、それがまたカッコ良い。

 やっぱり子供の時から好きな映画はいろいろと書きたくなってしまう(笑

 

 

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