本 2020

陽炎ノ辻 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英

●陽炎ノ辻 居眠り磐音江戸双紙 佐伯泰英 居眠り磐音シリーズの1作目。佐伯さんの本は初めて読むことになる。このシリーズは50作を超えるシリーズとなっているので、長いこと楽しめそうだと思い、読み始めることに。 主人公磐音が江戸勤めから戻ったところか…

シャーロック・ホームズたちの冒険 田中啓文

●シャーロック・ホームズたちの冒険 田中啓文 久しぶりに新しい作家さんの本を読んで大当たりだった。 様々な有名人、事件などのパロディ短編集。タイトルにホームズの名が入っているが、ホームズ物は1本。他に忠臣蔵、ヒトラー、小泉八雲、ルパンなど。 ホ…

探偵少女アリサの事件簿 今回は泣かずにやってます 東川篤哉

●探偵少女アリサの事件簿 今回は泣かずにやってます 東川篤哉 前作の続編、短編4つ。前作よりは少し読み応えがあったか。 しかしこの作者は伏線の張り方がここまで下手だっけ?と思わせる内容も。最初の2編は、読んでいて「あれっ?」と思うシーンが出て来て…

探偵少女アリサの事件簿 東川篤哉

●探偵少女アリサの事件簿 東川篤哉 東川篤哉の新シリーズを読み始め。引かれた理由はJR南武線が舞台だから(笑 まさかこんなローカル線をメインの舞台にするとは。 「謎解きはディナーのあとで」シリーズが大ヒットした東川氏の作品ということで楽しみに読ん…

無名仮名人名簿 向田邦子全集 第七巻

●無名仮名人名簿 向田邦子全集 第七巻 読む順番がテレコになってしまったが、やっと7巻目を読むことに。 第6巻「眠る盃」、第8巻「霊長類ヒト科動物図鑑」などと大きく異なるのは、この第7巻に収められているエッセイは全て週刊文春に掲載されたものであると…

三つのアリバイ 女子大生桜川東子の推理 鯨統一郎

●三つのアリバイ 女子大生桜川東子の推理 鯨統一郎 シリーズ9作目にして最終巻。 7作目でレギューラーメンバーの死があり、驚いたところ、前作「テレビドラマよ永遠に」でそれが見事にひっくり返され(笑 さぁ最終巻どうなる、と思って読んだ一冊。 前作でほ…

藤沢周平「人はどう生きるか」 遠藤崇寿

●藤沢周平「人はどう生きるか」 遠藤崇寿 藤沢周平さんの文庫本の解説とこの本のために藤沢周平に関するインタビューをまとめた一冊。藤沢周平没後20年、生誕90年ということで製作されたらしい。 インタビューは映画監督、俳優、評論家など様々な方が登場し…

中野のお父さんは謎を解くか 北村薫

●中野のお父さんは謎を解くか 北村薫 前作「中野のお父さん」に続く第2弾。 前回も書いたが、今作では謎解きが、というか、謎そのものが文学に関するものばかりになった。つまりこれまた前作で心配したように、アシモフの黒後家蜘蛛の会のように、作者の博覧…

女子大生つぐみと古事記の謎 鯨統一郎

●女子大生つぐみと古事記の謎 鯨統一郎 鯨さんの新しいシリーズ。「鯨統一郎」「古事記」の組み合わせなので、迷わず読むことに。古事記については、主人公つぐみではないが、前から興味があって、昨年解説本を何冊か読んでいるので、期待大。 しかし本の中…

中野のお父さん 北村薫

●中野のお父さん 北村薫 久しぶりに新しい北村薫さんの短編集を知ったので早速読んでみた。 北村さんが上手いことは何度も書いたので良しとするが、ひとつだけ。 4話目の「闇の吉原」で「闇の夜は 吉原ばかり 月夜かな」という句を巡って様々な話が展開する…

向田邦子・映画の手帖

●向田邦子・映画の手帖 これは向田さんが出版社に勤め、映画雑誌「映画ストーリー」の記者時代に書かれた編集後記が掲載されているとても貴重な本。入社直後のものから、約3年の休載を経て退社までのものが網羅されている。 入社翌月号のものから掲載されて…

テレビドラマよ永遠に 鯨統一郎

●テレビドラマよ永遠に 鯨統一郎 鯨統一郎の女子大生桜川東子シリーズ第8巻。前作「銀幕のメッセージ」では、レギュラーメンバーの一人が死んでしまう、というこのコメディタッチの小説では考えられない展開だった。しかし今作品であっさりとそれが覆えされ…

タイムスリップ忠臣蔵 鯨統一郎

●タイムスリップ忠臣蔵 鯨統一郎 鯨統一郎のタイムスリップシリーズの一作。今回は忠臣蔵。前に同シリーズの釈迦如来を読んでいるので、パターンは理解しているつもりだが。 話は人間と犬がいる家庭にニュースが流れるところから始まる。ニュースはペットの…

向田邦子シナリオⅣ 冬の運動会 向田邦子

●向田邦子シナリオⅣ 冬の運動会 向田邦子 向田さんのシナリオで今読めるものはこれで最後になる。そのつもりで1話ずつ大切に読んでいくつもりだったが、やはり面白く2話ずつ読んでしまった。 相変わらずだが、もう設定にシビれる。祖父、両親、長男、長女の…

謎の部屋 謎のギャラリー 北村薫

●謎の部屋 謎のギャラリー 北村薫 北村薫さんの選ぶアンソロジー。こんな本を何冊か北村さんが出しているのは知っていたが、読んだのは初めて。いやぁ驚かされる。17編の小説が取り上げられているが、もちろん読んだことがあるものは一つもない。というか、…

夜中の薔薇 向田邦子全集 第九巻

●夜中の薔薇 向田邦子全集 第九巻 全集のエッセイ5冊目。一つ前に読んだ「霊長類ヒト科動物図鑑」でも書いたが、それまでの作品と異なり、やはりこの本でも向田さんの考えがストレートに書かれているように感じた。エッセイなのだから著者の考えが書かれるの…

霊長類ヒト科動物図鑑 向田邦子全集 第八巻

●霊長類ヒト科動物図鑑 向田邦子全集 第八巻 全集のエッセイ4冊目(読んだのは3冊目)。解説?の爆笑問題太田さんも書いているが、これまでのエッセイとは違う感じがする。太田さんはそれを「向田さんの意思が存在している〜日本人論あるいは国家論〜と語ら…

帰天城の謎 はやみねかおる

●帰天城の謎 はやみねかおる あのTRICKのパロディ版。上田と山田が大学生中学生の時に出会っていた、という設定であり、さらにTRICKの世界観そのまま、400年前の帰天城の謎を解くというもの。 作者はあとがきで、昔二人がすでに出会っていたのに、ドラマで最…

眠る盃 向田邦子全集 第六巻

●眠る盃 向田邦子全集 第六巻 全集2冊目のエッセイ集。 第五巻の父の詫び状に比べ短めのエッセイとなり、数ページのものがほとんど。中には二ページのものまである。どうやらいろいろな雑誌などに掲載されたものの寄せ集めらしい。ある程度似通ったテーマご…

向田邦子シナリオⅢ 幸福 向田邦子

●向田邦子シナリオⅢ 幸福 向田邦子 向田さんのシナリオ集の中の一冊。1980年の放送されたTVドラマ「幸福」のシナリオ。もちろんドラマは見たことがない。でも配役が書いてあって、その俳優さんをイメージして本を読み進めた。 登場人物の設定の旨さからもう…

父の詫び状 向田邦子全集 第五巻

●父の詫び状 向田邦子全集 第五巻 全集はこれまで小説だったが、ここからはエッセイ集となる。 さすがに文章の名手なので、エッセイも面白い。向田さんの小説はその組み合わせが面白い、と書いたが、ご本人もそれを意識されていたかもしれないと思える文章が…

向田邦子シナリオ集Ⅵ 一話完結傑作選 向田邦子

●向田邦子シナリオ集Ⅵ 一話完結傑作選 向田邦子 これは懐かしい。子供の頃、日曜日の夜9時にやっていた東芝日曜劇場で使われたシナリオが掲載されている。もちろん、話そのものを覚えているわけではないが、1時間の単発ドラマでしっかりと起承転結が描かれて…

完本 寺内貫太郎一家

●完本 寺内貫太郎一家 向田邦子 寺内貫太郎一家の完全本。よくわからないが、TVドラマは39話あるのに対し、小説は全24話となっている。前回読んだ「寺内貫太郎一家」が12話でここまでが向田さんが発表した作品であるのに対し、後半の12話を追加して完本とし…

寺内貫太郎一家 向田邦子全集 第四巻

●寺内貫太郎一家 向田邦子全集 第四巻 子供の頃TVドラマでやっていたのは知っているし、ちょっと前にBSで再放送していたのも知っている。しかし一度も見たことはなかった。まさかこのドラマが向田さんの原作だったとは。 昔を懐かしむTV番組などで、ドラマそ…

わかる古事記 日本を読もう

●わかる古事記 日本を読もう 村上ナッツ 古事記本2冊目。阿刀田さんの本もわかりやすかったが、こちらは大きなエピソードごとに章分けし、章の扉として登場人物を漫画化、そのキャラを使ってストーリーの骨子を説明する、というさらにわかりやすくした本。 …

阿刀田高の楽しい古事記 阿刀田高

●阿刀田高の楽しい古事記 阿刀田高 古事記を名手阿刀田高が優しく「楽しく」解説した一冊。わかりにくい部分や神の名前だけがいっぱい出てくる部分はバッサリとカットし、物語性が高い部分だけをわかりやすく説明してくれている。古事記の入門書としてはまさ…

これがオレの麻雀

●これがオレの麻雀 阿佐田哲也 1980年に行われた第11期麻雀名人戦の予選〜決勝までの阿佐田哲也本人による自戦記。文庫本サイズで約500ページ弱の大作。 若い頃麻雀が好きで、阿佐田哲也の麻雀関連の本は小説もエッセイもほぼ読み尽くしていたと思っていたが…

隣の女 男どき女どき 向田邦子全集 第三巻

●隣の女 男どき女どき 向田邦子全集 第三巻 短編集。エピソードの組み合わせが意外である前半とエピソードそのものがあまりにドラマである後半。読み終えた後に何かが心で引っかかる。今回はそれを解説の諸田玲子さんが一言で言い表してくれていた。うしろめ…

将棋エッセイコレクション 後藤元気

●将棋エッセイコレクション 後藤元気 41編のエッセイ集。観戦記者や棋士が書いたエッセイばかり。古いものが多いが、中原加藤の将棋盤の位置での揉め事やタイトル戦の前夜祭の風景が記者の目で語られていたり、「あの」桐谷さんが対局日誌で有名な河口さんの…

あ・うん 向田邦子全集 第二巻

●あ・うん 向田邦子全集 第二巻 全集の第二巻。人物の設定がスゴい。門倉と水田、水田の妻たみ。どうしてこんな設定を考えつくのか。爆笑太田さんの言葉で「全てを持っているが一つだけ持っていない門倉と何も持っていないようで一つだけ持っている水田」と…