本 2021

魔女のパン オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●魔女のパン オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全8編からなる短編集。特に良かったものを2つ。 「魔女のパン」 マーサはパン屋を営む40歳の女性。毎日売れ残りの古いパン2つを買って行く中年男性が気になり始める。彼の指の汚れ…

人生は回転木馬 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●人生は回転木馬 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全8編からなる短編集。特に良かったものを2つ。 「人生は回転木馬」 治安判事の元へ山から夫婦がやってきて離婚手続きをしたいと話す。判事は手数料5ドルを受け取り書類を作成…

向田邦子ふたたび 文藝春秋編

●向田邦子ふたたび 文藝春秋編 向田邦子さんが亡くなられた2年後に出版された追悼本が文庫本化されたもの。 向田さんの愛猫のその後の様子や最後の旅行の前々日に部屋に呼ばれた友人の文章など「その時」や「その後」が非常にリアルに感じられる。もちろん著…

蒼林堂古書店へようこそ 乾くるみ

●蒼林堂古書店へようこそ 乾くるみ 林兄弟シリーズ第3作。14編からなる短編集。 ミステリ専門の古書店の店主が林兄弟の1人で探偵役?。高校の同級生、近所の高校生コンビ、そして月イチで来店する女性教師が常連でこの5名で「日常の謎」系の会話がされそれを…

20年後 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション

●20年後 オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション オーヘンリーの全9編からなる短編集。特に良かったものを3つ。 「20年後」 街を巡回中の警官が男に声をかける。男は20年ぶりに友人に会うと話す。警官が立ち去ると友人らしき男がやって来るが… 「改…

天岩屋戸の研究 田中啓文

●天岩屋戸の研究 田中啓文 前作に続く第3作にして完結編。 「オノゴロ洞の研究」「天岩屋戸の研究 序説二」「雷獣洞の研究」「天岩屋戸の研究 本論」の4編。 「オノゴロ」は古事記でイザナギ、イザナミが最初に産み落とした島の名前。「オノゴロ〜」ではさら…

六つの手掛り 乾くるみ

●六つの手掛り 乾くるみ 「林真紅郎と五つの謎」が面白かったので、同じシリーズの続編?を読む。探偵役は前作の真紅郎の兄弟、林茶父。 「六つの玉」 偶然一つの家に集まったお互いを全く見知らぬ5人。雪の降る夜、そのうちの1人が殺される。窓の外のツララ…

邪馬台洞の研究 田中啓文

●邪馬台洞の研究 田中啓文 前作に続く民俗学研究会シリーズ第2作。 「邪馬台洞の研究」「死霊洞の研究」「天岩屋戸の研究・序説(一)」「人喰い洞の研究」の4編。 前作を読んでから間もないので、このシリーズ独特のダジャレ連発のくだらなさが癖になりつつ…

林真紅郎と五つの謎 乾くるみ

●林真紅郎と五つの謎 乾くるみ 「カラット探偵」シリーズが面白かったので、別シリーズも読んでみようと思い手に取った1冊。 「いちばん奥の個室」 主人公林真紅郎が姪とコンサートに行く。その会場のトイレで女性が怪我をしているところを発見する。ポイン…

蓬莱洞の研究 田中啓文

●蓬莱洞の研究 田中啓文 「蓬莱洞の研究」「大南無阿弥洞の研究」「黒洞の研究」の3編からなる短編集。 高校に入った諸星比夏留が民俗学研究会に入り、不思議な事件を解決していく。比夏留は古武道「独楽」の達人でもある。事件解決をするのは同級生で、研究…

知識ゼロからの戦国武将入門 小和田哲男

●知識ゼロからの戦国武将入門 小和田哲男 読みたい本がなくなって来たので、時代小説の居眠り磐音のようなシリーズものを読もうと思ったのだが、戦国武将についてはチンプンカンプン。なので初心者でもわかるような入門書を読みたいと思いこの本を読んだ。 …

総門谷 下 高橋克彦

●総門谷 下 高橋克彦 前作の続き。顕の父が残した手紙によって総門谷の正体、顕の母親のことが判明。さらに谷を支配する総門や死徒のこともわかる。さらに谷への入り口を示す暗号も添えられていた。顕は友人に暗号解読を依頼、E2メンバーは死徒たちとの戦い…

総門谷 上

●総門谷 上 高橋克彦 UFO目撃しビデオ撮影したとの証言からTVディレクター篠塚はTV番組を作る。内容はUFOと自衛隊が関係しているとわかるビデオだった。同じ頃、雑誌社E2のメンバーも偶然UFOと自衛隊との関係を話す音声を録音してしまう。 両者は協力関係を…

本所おけら長屋 十四 畠山健二

●本所おけら長屋 十四 畠山健二 「まつあね」 前作で松吉の田舎から江戸へ出てくることになった松吉の義姉お律はおけら長屋で暮らし始める。そして聖庵堂を手伝うことに。聖庵先生とお満が留守の間に聖庵堂へ怪我をした男が担ぎ込まれる。お律はその男新吉の…

みちのく迷宮 高橋克彦

●みちのく迷宮 高橋克彦 短編6編と評論エッセイなどをまとめた1冊。 「百物語の殺人」 高橋ミステリーの探偵、塔馬双太郎が舞台劇の制作発表の場で起きた殺人事件に挑む。ポイントは舞台を撮影していたビデオ画像。 「幽かな記憶」「棄てた記憶」は高橋の記…

名探偵に乾杯 西村京太郎

●名探偵に乾杯 西村京太郎 ポアロが最後の事件「カーテン」で亡くなったことを受け、明智がエラリークイーン、メグレ、ヘイスティングズを明智の所有する孤島に呼んで追悼の会を開くことになった。そこへポワロの2世を名乗る青年が現れ、さらに悪天候から何…

名探偵も楽じゃない 西村京太郎

●名探偵も楽じゃない 西村京太郎 世界が誇る名探偵、明智小五郎、エルキュールポワロ、エラリークイーン、メグレの4人が日本のミステリーマニアの会に招待される。その場に自ら名探偵だと名乗る左文字京太郎が現れる。その会場で連続殺人事件が発生。左文字…

イニシエーション・ラブ 乾くるみ

●イニシエーション・ラブ 乾くるみ 若い男女の恋愛を描いているが、ミステリーにもなっている15年ほど前に話題となった小説。前半(side-a)では大学生の男性の、後半(side-b)では社会人となった男性の恋愛を描くが、最後の最後で大どんでん返しが待ってい…

きょうも涙の日が落ちる 渥美清

●きょうも涙の日が落ちる 渥美清 渥美清さんが書いた一冊。渥美さんが著者とされる本は2冊しかないので貴重な一冊。エッセイが3分の1、残りは対談。1970年から数年間の間に発表されたものをまとめているらしい。 若い頃に行ったアフリカ旅行の話が多く語られ…

魔法使いと最後の事件 東川篤哉

●魔法使いと最後の事件 東川篤哉 東川篤哉の魔法使いシリーズ4冊目。これで完結? いずれも「魔法使いと〜」の副題。 「〜と幻の最終回」 遺産目当てで人気作家である叔父を殺害した犯人。上手くいったように見えたが、叔父の助手である女性に殺害を疑われる…

カラット探偵事務所の事件簿2 乾くるみ

●カラット探偵事務所の事件簿2 乾くるみ シリーズ2作目の短編集。前作は6編だったが、今作は7編。 「小麦色の誘惑」 古谷の従兄弟の高校生が、兄たちと遊んだ際にハート型の日焼けができるイタズラをされる。その犯人を突き止めて欲しいと依頼される。ポイン…

さらば愛しき魔法使い 東川篤哉

●さらば愛しき魔法使い 東川篤哉 東川篤哉の魔法使いシリーズ3冊目。前作同様の4編からなる短編集。 いずれも「魔法使いと〜」の副題。 「〜と偽りのドライブ」 弟を使ってアリバイ工作をし浮気相手の夫を殺した犯人。全て上手く行ったように見えたが、ある…

カラット探偵事務所の事件簿1 乾くるみ

●カラット探偵事務所の事件簿1 乾くるみ カラット探偵事務所の探偵古谷と助手井上が関わった事件の記録の形をとる推理小説短編集。 「卵消失事件」 夫の浮気調査の依頼。夫が奇妙な行動をとり始めたという。浮気相手と思われる女とのメールのログから古谷が…

魔法使いと刑事たちの夏 東川篤哉

●魔法使いと刑事たちの夏 東川篤哉 東川篤哉の魔法使いシリーズ2冊目。前作同様の4編からなる短編集。 いずれも「魔法使いと〜」の副題。 「〜とすり替えられた写真」 芸能プロダクションの社長が所属の俳優のスキャンダル写真で脅迫をして来た男を殺害。犯…

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか? 東川篤哉

●魔法使いは完全犯罪の夢を見るか? 東川篤哉 東川篤哉の新しいシリーズを読み始め。ここのところ真面目な映画や本が続いたので、気軽に読めるものを、ということで(笑 4編で構成される短編集。 いずれも「魔法使いと〜」の副題。 「〜さかさまの部屋」 死体…

本所おけら長屋 十三 畠山健二

●本所おけら長屋 十三 畠山健二 「とりもち」 だるま長屋の栄太郎が北森下町でうろうろしているのを大工の寅吉が見かける。栄太郎は同じ長屋に住むお明からとりもち屋お圭を紹介されて来たのだった。とりもち屋とは所帯を持ちたい人を相手に会わせてくれる今…

映画館(こや)がはねて 山田洋次

●映画館(こや)がはねて 山田洋次 山田洋次監督が新聞や雑誌に発表したコラムやエッセイをまとめたもので、1972年から84年に掲載されたもの。 72年から84年というと、男はつらいよの第9作から34作までの期間。実際に「今、『男はつらいよ ◯◯作』を撮ってい…

本所おけら長屋 十二 畠山健二

●本所おけら長屋 十二 畠山健二 「しにがみ」 馬助は辻蔵親分に拾われた盗っ人。しかしドジばかりで辻蔵には盗っ人は無理だと言われていた。その辻蔵が死んで1年、馬助は立派な盗っ人になろうとしていた。 ある時馬助は湯屋で万松の二人が大家徳兵衛が金を隠…

本所おけら長屋 十一 畠山健二

●本所おけら長屋 十一 畠山健二 「こまいぬ」 三祐で飲んでいる八五郎と松吉の元へ亀沢町の克蔵がやってくる。石原町の若い衆が弁天社に狛犬を奉納したことが面白くない彼は神の手を持つと言われた柳島町の石工石貫に狛犬作りを頼みに行ったが断られたと話し…

男はつらいよ 50年をたどる。 都築政昭

●男はつらいよ 50年をたどる。 都築政昭 「男はつらいよ」50作目を記念して刊行された一冊らしい。ただし「寅さんの風景〜山田洋次の世界」を加筆修正したもの。 3部構成。「寅さんの風景」「男はつらいよ 秀作篇」「山田洋次の風景」の3章からなる。山田洋…